
アップしそびれているが、人類の先史に関する本をいくつか読んだ。
人類ってどのようにできたんでしょう? っていう興味は尽きないもので。
その中で、この本はかなりインパクトが強かった。
不都合な真実 てんこ盛り!
もう泣きたくなるようだよ、ヒトってほんと酷い生き物だな。
この本は 先史、有史時代の区別なく 善悪の区別なくトータルな視点で
フラットに描いている(ように思える)ところに特徴があると思う。
たとえば農耕が始まったことで良くなったこと悪くなったことは比較するけれど、
だから農耕は悪だ、とかそういう話にはもっていかない、というようなことだ。
とはいえ、ふだん巧妙に目を逸らしているところをきっぱり書かれるとショックではある。
そもそもサピエンスが元々備えている性質はどういうものなのか、というと、
狩猟採集スタイルで、ゴリラというよりは多分にチンパンジー的なんである。
遺伝的には狩猟採集からさほど変化していないのに
現代社会スタイルで生きていかなければならないという生き辛さ、というのがなんだかねぇ。
かといって、逆戻りできるのか? っていうと無理だし。
話が進んで大航海時代がどうして始まったのかというくだりはワクワクした。
もう読んでいて悲しくなることが多いのだが、でももちろん全部否定しているわけではない。
こんなに酷い有様に見えるようなことでも
以前に比べればこんなに良くなったこともある、という記述もある。
厭世的な気分になっても何も解決しないんだな。
あることを説明しようとするとき著者は比喩を使うのだが、
その引き合いに出すものにあっと思わされるところも多かった。
なるほど、そのように捉えなおすことができるのか! と。
頭のいい人なんですね。 (それってユダヤ的!?)
情報過多で社会情勢はよくなっていくように見えないこのご時世、
無駄に嘆くばかりでなく心を平静に保てるように、
あえて泣きたくなるようなこの本を読む、というのはいかがでしょう?
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