≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

ヤマハ掛川工場へ行って、ピアノ製作見学とプレミアム試弾をした。

2022-06-19 18:05:35 | 展覧会に行った話
浜松市楽器博物館へ行った。その10(ピアノその3、アウトロ) よりつづく


浜松市楽器博物館を堪能した翌日はヤマハ掛川工場だ。夫とわたしの二人だけを相手に説明してくれる贅沢な見学だよ。
ヤマハ ピアノ工場見学のご案内

まず ハーモニープラザ のショールームに置いてある古びた小さい足踏みのリードオルガンでのガイドによる短い演奏を聴く。ピアノではないのか?と思うが、創始者 山葉寅楠がリードオルガンを修理しそのあとリードオルガンを製作するところからヤマハは始まるからね、最初はリードオルガンなんだね。
演奏されたリードオルガンの音程がばっちり合っていたのに驚いた。今まで弾いたり聴いたりしたことのあるリードオルガンというとわたしが小学生や中学生の時分の音楽室の足踏みのもので、みな調子っ外れだったものだ。
もちろんショールームにはヤマハ製の見たことのないような新旧のピアノが置いてある。2段鍵盤のピアノは初めて見た。チェンバロやパイプオルガンなら驚かないんだけれど。

それから部屋を移動しビデオによる説明があって、ビデオに同期しているプレイヤーピアノが鳴ったりした。ヤマハは、ピアノだけでなくギターやバイオリンや金管楽器や木管楽器や打楽器などの生(なま)楽器やエレクトリックな楽器に それをとりまく音楽教育やシステムなど、とても広い領域を推進している 楽器関連において世界一の企業だというのがよく分かる。

そして工場へ案内される。グランドピアノの生産ラインを見せてもらった。同業他社の人の見学は出来ないことからも分かるように撮影禁止なので写真はない。
2010年に出来た工場だ。
機械に出来ることは機械にやらせる、と説明を受けた。鍵盤の高さを計測し高さを揃えるために薄紙を挟む機械や自動打弦機には驚いた。
工場内にレーンがあって人がまたぐタイミングを知らせる信号があったり 時間短縮のためのタイマー表示など、いかにも工業製品を作る工場なのだが、逆にいえばそれ以外はとにかく人の眼と手が入りまくりだ。大勢の職人たちの技や感性のレベルを高く揃えるヤマハの工場のあり方に感服した。

ヤマハ掛川工場見学の記事はネットにいくつもある。たとえば TapTrip 静岡・ヤマハ掛川工場ハーモニープラザ見学でピアノについて勉強しよう! にはレアな工場内の写真が数枚あるし よくまとまっていると思う。
工場内の様子が伝わる動画集 

バイオリン等やギターの表の板といえばスプルース、と決まっているが、ピアノも響板がそうなんだ!と改めて思い知った。
また、鍵盤はつながった状態で板から取り、切り分けてもキーを左右を入れ替えたりせずそのままの並びで使う というのが、わたしが 昨夏にポルタティーフオルガンを作った ときと同じでワクワクした。
ヤマハはサイトも充実しているからどのようにピアノが作られているか分かりやすい。ヤマハ楽器解体全書 ピアノのできるまで

見学の最後には選定ルームに行って、ガイドの短い演奏をヤマハグランドピアノ同機種3台で聴き比べた。同じ機種なのに雰囲気が違っていてびっくりした。ピアノが大きくなるほど個体差は大きいんだそうだ。
それぞれの楽器なりのバランスを作るのがポイントで、全体のバランスを調整する調音という作業がとても重要なんだそうだ。
見学したのはライン生産式だったけれど上位機種は工房式で作る、と工場からハーモニープラザへ戻るときにガイドが隣の建物を指した。そちらは見学できなかったね。上位機種は調音にとても手間を掛けるんだそうだ。


浜松の楽器見学ツアーの最後を締めるのに相応しいゴージャスな体験だった。ハーモニープラザや工場の方々、ありがとうございました。

↓見学でもらったパンフレットと記念品のピアノのハンマー


ハーモニープラザでは プレミアム試弾サービス(予約制) というのがある。せっかくの機会なのでそちらも申し込んだ。
ヤマハのグランドピアノの C6X、C3X espressivo、S3X、S6X の4台が部屋に置かれていた。制限時間の20分間 夢中になって弾きまくった。わたしは中古で手に入れた1980年代のC3を持っているけれど、上位機種のSシリーズはだんぜん音がよい!お値段相当だな、と納得した。
3より大きいサイズのグランドピアノを購入するならここで試弾して選べるらしい。 ヤマハグランドピアノ選定のご案内 新品を買うならぜったい試弾して比べて選ぶべきだな! 買う予定がなくて残念。


試弾ルームは予約が要るが、予約なしでもハーモニープラザで展示されているギターなどの楽器で触ることが出来るものもある。用もないのにふらっと通りかかるような所じゃないとは思うけど。
そしてなんと、米ソ冷戦時代の巨匠リヒテルが弾いたヤマハのフルコンサートグランドピアノも弾くことが出来るのだ!一介の素人がフルコンのピアノを触れるなんて、ありえない!
試弾の時間と合わせて大変にゴージャスな体験が出来た。自分の腕だけが問題だ。



ハーモニープラザを出たところ。横断歩道?が白黒鍵盤柄になっている。


記念に、浜松駅そばのヤマハミュージック直営店の楽譜/書籍コーナーで『ヤマハ草創譜 ~洋楽事始から昭和中期までの70年余をふりかえる』を買った。

嗚呼、浜松は楽器の都


 静岡名物 炭焼きハンバーグさわやか でハンバーグを食べた。 につづく


 

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