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「ちねんの部屋」
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ビデオの編集は長いことやっている、とはいっても、それはあくまで舞台を映像化するというものだった。しかし、今回は、メインは舞台の作品の映像化ではあるけれども、クライアントに寄り添ったものを作りたいと思った。その分、ハードルが高くなった。おまけに、新しいシステムで作らなけりゃならなかったので、不慣れな道具で、これまで以上の品物を作るという作業となった。
「棒縛」といい「釣女」といい、狂言から歌舞伎になったもの、はなんで歌舞伎の方が面白いのだろう。能や狂言が朝廷や大名たちに育てられ、歌舞伎が庶民に鍛えられた差かな。あるいは、ボクが庶民だから、肌合いが合うのかな。
新作の立ち稽古に入る前に、読み合わせと、意見交換をした。俳優は、自分の役にのめっていく。そうすることで、いい作品にするための貢献をするのだ。けれど、入り込む前に、大きく見たり、意見を述べたりする中で、作品全体と自分の役の位置を知って欲しい。
映像を作っている。撮影の段取りは、かなり複雑で、一歩間違えるといい加減な画像になってしまう。ロケやセットの段取り、俳優たちのスケジュールを事細かに計算しないと、作品は出来上がらない。だから、テロップにあんなにたくさんの人の名前があるんだ。それだけの仕事量がある。゛舞台と映像の仕事の違いを日々勉強している。