素踊り（すおどり）は、日本舞踊や能などで、衣装などをつけずに、男性なら袴、女性なら着流し姿で踊るもの。その姿のままで遊女にも、高貴な人にも、怨霊にも見えなければならないので、熟練者でなければ見栄えがしない。とインターネットにあった。
確かに、名のある方上手な方が素踊る。けれど、ボクには、大概つまらない。その世界の方・玄人筋がご覧になれば、「なるほど」となるのだろが、専門家でないボクには、衣裳かつらつきの方がわかりやすくて面白いのだ。
マット運動は命がけ。集中して技をやらないと、必ず怪我をする。舞台も同じ、命がけ。マット運動と同じ気持ちで舞台に立つ。そのスリルがない演技なんてしたくない。
脚本は、俳優が演じることによって、初めて成立するもの。俳優や演出家が文学をなぞっているような舞台は、わざわざ出向かなくてもと思う。脚本を読んでいたほうがいい。
旅公演前後は過酷だ。前日の稽古終わりで、装置を解体して、トラックに積込み、当日は、ドックを現場に着けて、装置を舞台に運び込み、組み立て、劇場に合わせて音や照明の調整、衣装や小道具の配置、ウォーミングアップ、立ち位置の調整などなど、それからエネルギー切れにならないように、食事をして、衣装を着けメイクをして、いよいよ本番となる。ここまで、だいたい四時間。稽古は、舞台で余裕を持てるくらいに積む。けれど、そんな余裕など、ここまでのハードワークで、すっかりなくなっている。
そして、公演が終わると、息つぐ暇なく、急いで装置を解体、トラックに積み込む。てないと、劇場が閉まってしまうからだ。
帰途につく我らは、もうクタクタ。