どんなに才能や実力があっても、自分の武器を手放したら、勝てはしない。他の力で、その武器を上回れれば構わない。公演（＝勝負）の失敗成功（勝ち負け）は、時の運とはいうけれど、少なくとも勝てると思える体勢で向かわなけりゃ。見ているお客様は、最強の敵なのだから。
今日、劇団内で朗読会を開いた。それぞれが持ち寄った作品を読んで、互いに批評する。一つの作品に対して、○と言う者もいれば×と言う者もいる。それがいい。様々な受け取り方がある、ということを知るのもこの会の目的だ。
「ウィンストン・チャーチル」を見た。
メイクアップの凄いこと。ゲイリー・オールドマンの演技の凄いこと。もう、チヤーチルにしか見えない。実際にチャーチルを見たことがないけど、ボクのイメージ通り。しかも、いつものゲイリー・オールドマンのかけらも見えない。完璧に別人を生きていた。
以前、ピーター・セラーズの「チャンス」という映画を見た。その時も、途中までまったくピーターだとは思わなかった。「博士の異常な愛情」でも、ボクを完璧に騙した。
脚本を読んでいると、だんだん自分が変化していく。それに、脚本分析をして、頭でも理解していく。そして、相手役との行ったり来たりや演出家の方向性や調整を飲み込むと、その役自身になってしまう。
劇団では、月一で、マット運動のレッスンがある。また、このところ週一でティシューのレッスンも。両方ともに、筋力と瞬発力と集中力が必要。歳をとるだけ低下していくそれらの力。けれど、いい加減にやると怪我に繋がる。そんな緊張感の下、レッスンをやっていけば、肉体をキープ出来るのではと励んでいる。