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骨董と偶像

好きなもの&気になるものリスト

『月館の殺人』上

2005-08-12 22:29:46 | 
まだ見ぬ祖父に会うため、生まれて初めて鉄道に乗車する沖縄の女子高生・雁ヶ谷空海。雪の北海道を行く特別急行「幻夜」で、彼女を待ち受ける運命とは…? 未曾有のタッグで贈る、至極の鉄道ミステリ。
北海道を10時間以上も疾走する謎の特急「幻夜」。脳内妄想も佐々木ワールドのお約束で、鉄道マニアたちの奇人ぶりがこれでもかと展開される中で、理由あって鉄道に乗るのははじめてという、主人公空海(そらみ)のおたんこぶりも負けちゃいない。

ところで、これは上・下巻? で、解決つくのかな?
上・中・下巻?

『月館の殺人 上』

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『月館の殺人 上 (1)』

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『月館の殺人(1)』

酒井ゆうじ造形作品集「GODZILLADREAM」

2005-07-27 08:07:10 | 
最近ではバットマンも映画ごとに細部がアレンジされているが、ゴジラも登場するたびにこまかい変化が見られ、モスゴジ(『モスラ対ゴジラ』)、キンゴジ(『キングコング対ゴジラ』) など熱烈な支持を集めるデザインがある。
本書はゴジラ造形にこだわり続ける造形家・酒井ゆうじの作品写真集。フィギュア付きはもはや当然か。



GODZILLA DREAM ~酒井ゆうじ造形作品集~

「パリコレ、上等」・・・『下妻物語』完結編。

2005-07-02 13:20:45 | 
2004年映画公開されて人気を博した『下妻物語』の完結編である。ダメ親父のバッタもの商売が原因で尼崎を追われ、茨城県の下妻に引っ越してきたロリータ少女・竜ヶ崎桃子は、絶滅寸前のヤンキー少女・白百合イチゴと出会い、親友となった。桃子の大好きなブランド、BABY THE STARS SHINE BRIGHT でイチゴがモデルをやりだしてから、ふたりは連れだって代官山へ行くようになっていたが、ある日いつものように高速バスに乗ると、殺人事件が起こる。殺されたのは歌舞伎町のヤクザの幹部。イチゴに容疑がかけられ、桃子探偵は真犯人捜しを始めるが……。アガサ・クリスティの名作からトリックを借用。ミステリーのスパイスをほんの少しふりかけた、友情と仁義と笑いの最新作。『きらら』連載「続・下妻物語」に加筆修正。映画化は未定。

読んでいると・・・だめだ(笑)、「ざけんじゃねーよー」というイチゴのセリフが土屋アンナの声になって聞えて来る。

そういえば、取り沙汰されていた合併協議による下妻(奈良時代からある由緒ある地名)の市名消滅も回避されたようで、下妻物語はまだまだ続く!?

下妻物語・完
岳本 野ばら小学館 (2005.7)ISBN : 4093861536価格 : 1,470


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『下妻物語・完―ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件』

『夜のピクニック』その前夜

2005-06-28 20:53:00 | 
恩田陸の短編集。先ごろ本屋さん大賞を受賞して映画化も決まった『夜のピクニック』の前日譚である「ピクニックの準備」も収録。実際の映画はこの短編がオープニング映像に使われたりして・・・・・・
それとも雨の日に葬儀。あの二人がはじめて顔をあわせる緊張感のあるシーンかな。

「西脇融と同じクラスになったよ、と言った時、あらそう、としか母は返事しなかった。」

「みんなで、夜、歩く。それだけのことが、なぜこんなに特別なんだろうね。」

『夜のピクニック』でもみられるフレーズが登場してくる。作者自身も語っているが、『夜のピクニック』の予告編として書いたもの。しかし、予告編という性格上、雑誌掲載にあたって没になった。たしかにこの作品は『夜のピクニック』を読んでこそ、親しまれる小品だ。
逆に『夜のピクニック』未読の方は、この「ピクニックの準備」から読むと、あの秘密を知っている「私」って誰だア~と、ミステリーのような興味をひくかもしれない。

図書室の海
恩田 陸 / 恩田 陸著
新潮社 (2005.7)
ISBN : 4101234167
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『図書室の海』



夜のピクニック

恩田 陸
新潮社 (2004.7)
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『夜のピクニック』

『市町村合併で「地名」を殺すな』

2005-06-22 08:04:47 | 
平成の大合併で各地に登場した珍市名に対する憤怒の書。著者の「こういう市名がいけない理由」については、珍市名に批判的な人々の間でもとらえかたが違っているので、あくまでひとつの見方であり、基準ではない。
したがって、著者の意見に賛成しかねる部分もあるのも確かである。
ただ、珍市名が誕生した実にくだらない経緯なども紹介され、けっこう楽しめる。
たとえば、全国的にも話題になった「伊豆の国市」(静岡県)。予備投票では伊豆北条市がトップだったが、決戦投票で静岡県から派遣されていた合併協議会メンバーが(予備投票まで参加していたにもかかわらず)棄権。その結果、逆転勝ちで「伊豆の国市」に決まってしまったという。

結局、落選したものの候補となった市名にも笑えるものが多い。太平洋市、南セントレア市、良寛町、ゴジラ市、合田保市・・・

合併協議会でのエゴむきだしの市名選びは言わずもがなだが、若年層、ことに小学生がからんでもろくでもない市名が出てくるようである。「民意」とか「多数決」というのも、そろそろあやしいものだということに気づいてもらいたいものだ。



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『市町村合併で「地名」を殺すな』

『ありえない日本語』

2005-06-17 08:26:50 | 
タメ語。→めちゃくちゃ使われてる、自分。こっちが使うと向こうも使ってくるという感じだ。反対に相手が丁寧な言葉づかいしてくるとそれにあわせてしまっている不思議。
「よろしかったでしょうか?」→北海道の方言という説も。たしかに彼の地でよく聞くが、フランチャイズチェーンなどの従業員教育の上で、文法にうとい経営コンサルタントが考えたと睨んでいる。
「うざい」→ボキャ貧な若者が多用する数少ない言葉。使用すること自体が「うざい」
「やばい」→何かの魅力にとりつかれそうになる時にかんりにんは使用する場合あり。

単純に、少女漫画やネット上での使用例をあげて、わかりづらい部分を少々解説加える程度でよいのかもしれない。そこに一定の法則をあてはめようとする作業にはらう労力?は認めるが、おそらく、「げっちゅー」とか「うざい!」とかをよく使用している人たちには「ふう~ん」という反応しかかえってこないだろう。大多数は「みんなが使っているから自分も使う」のであろうから。したがって、読むほうも少々退屈。

むしろ、少女たちの言葉に影響を与えたとする漫画の作者、あるいはネームを考える人(当人の場合ももちろんあるが)の意見も取り入れられていると面白かったのに。

こういう言葉を使う人が読むと楽しいという評もみられる(漫画ばかり読んで、新書は手にとらないんじゃないか!?)が、むしろ、80~90年代に少女漫画に夢中になった世代が、ちょっと昔の自分を懐かしく思い出しながら読むというスタンスがいちばん楽しめるのではないだろうか。

ありえない日本語
秋月 高太郎


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『ありえない日本語』

PLUTO

2005-05-31 21:59:00 | 
世界でもっとも優秀な七体のロボット。モンブラン、ゲジヒト、ノース1号、ブランド、ヘラクレス、イプシロン(本巻まで本格登場なし。女性型らしい)、そしてわれらがアトム。

第二巻では、いよいよ本格的にアトムが活躍しだし、妹のウランちゃんも初登場!

第一巻では、雨の中でのアトムとデンデンムシのシーン。それが第二巻では、やはり雨の中のウランと動物たちのシーン。リフレインかかってるね。
各巻ともラストは雨のシーン? ということは、第三巻は雨の中でプルートゥかイプシロン登場?

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PLUTO

PLUTO(2)

恩田陸『夜のピクニック』

2005-05-12 07:41:29 | 
“好きという気持ちには、どうやって区切りをつければいいのだろう。どんな状態になれば成功したと言えるのか。どうすれば満足できるのか。告白したって、デートしたって、妊娠したって、どれも正解には思えない。だとすれば、下手に行動を起こして後悔するより、自分の中だけで大事に持っている方がよっぽどいい。”

これって、映像化されるかもね。映画でもドラマでもいいけど、青春群像って感じで。
文章も読みやすいが、登場人物たちもいい。実際にはこんな大人っぽい会話する高校生たちいるかな?って感じがするけど。また、登場人物たちがけっこう他人のことになると勘が鋭くなり、自分のことがみえていないというパターンが多いのがちょっと気になる。

毎年、全校生徒が80kmの行程を夜を徹して歩く(走る)「歩行祭」。一般的には修学旅行の夜などのハイな気分を想像すると、近いのかもしれない。自分だったら、こんなに会話してられないだろうなと思うけど。設定は、スティーブン・キングの『死のロング・ウォーク』や『スタンド・バイ・ミー』を思い出させてしまったが、やはり恩田作品。ミステリ手法とノスタルジックな味つけだ。

【北校:3年男子】
西脇融・・・・・・・テニス部。近寄りがたい存在だけど、ひそかにモテモテ。同じクラスに実は異母兄弟がいる。
戸田忍・・・・・・・好漢という言葉がぴったり。融の親友。融と貴子をくっつけたがっている。
芳岡祐一・・・・・甲田貴子の老成しているBF。分析好き。天文学者志望。
高見光一郎・・・ロック好き。昼間はゾンビのようだが、夜になるとテンション高くなる。
志賀清隆・・・・・スポーツ万能、勉強もトップクラス。美和子のBF。

【北校:3年女子】
甲田貴子・・・・・ひそかな賭けをおのれに課して歩行祭にのぞむ。自称軟派な文科系。
遊佐美和子・・・才色兼備、絶滅寸前の大和撫子だが進歩的な考えを持つ。家は和菓子屋。
後藤梨香・・・・・演出・脚本家志望の文学少女。毒舌家。
梶谷千秋・・・・・飄々としているが、秘めた思いを胸にしまっておく保守的タイプ。
古川悦子・・・・・従姉妹を妊娠させた犯人を捜している。弁護士志望。
榊杏奈・・・・・・・帰国子女。現在は渡米しており、作中では登場しないが、圧倒的な存在感。
内堀亮子・・・・・男殺しの「涼やかな目」を持つが、身勝手な性格。融に果敢なアタックをしかける。

【その他】
西校の女子生徒・・古川悦子の従姉妹で、評判の美少女。西校2年生。最近、堕胎。
男の子の幽霊・・・去年も現れた誰も知らない男子生徒。今年も現れるのか?


さすが、本屋さんがすすめる一冊だけのことはある。金を受け取って帯にあおり文句を連ねる作家や評論家よりも眼力は上だし、信頼が置ける。読んで損はない。
本屋さん推薦にもかかわらず、図書館で借りて読んだ。すまん。

夜のピクニック

恩田 陸
新潮社 (2004.7)
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『夜のピクニック』

舞城王太郎『阿修羅ガール』

2005-05-10 01:45:53 | 
巷で人気の覆面作家の作品を読んでみた。仕事関係では何冊も購入しているのだが、プライベートで購入し、読んだの今回の『阿修羅ガール』がはじめてで、理由は単に新潮文庫になったから。まだまだ「かんりにん」にとっては「単行本を買ってまで読もうとは思わない」作家なのだ。

文庫で読んだかぎりでは、その印象は変わっていない。

「圧倒的な文圧」とかいう、よくいわれる舞城評もわからんでもないが、それが舞城ならではの持ち味とも思えない。
グルグル魔人の描写は笑っちゃったけど。ウンコパ~ン、デッデレデ~ いそうだよな、こういうやつ(笑)。

もっとも、ネット上の書評などを読むと、どうやらこの作品は舞城王太郎の最良のものではなさそう。もちろん、いい!という声もあるのだが、評価が割れている。で、もう1、2作読んでみようかと思う。ど~れがいいのかな?
舞城王太郎の作品

舞城王太郎『阿修羅ガール』
好きでもないクラスメートの佐野明彦となぜか「やっちゃった」アイコは「自尊心」を傷つけられて、佐野の顔面に蹴りを入れ、ホテルから逃げ出す。翌日、佐野との一件で同級生たちにシメられそうになるアイコだが、逆に相手をボコって、佐野が失踪したことを知らされる。佐野の自宅には切断された指が送られてきたという。アイコは、思いを寄せる金田陽治とともに、佐野の行方を追うが…。

オンライン書店ビーケーワン:阿修羅ガール


作中でグルグル魔人が三つ子を殺害して阿修羅像を作ろうとしていたという言及があるけど、阿修羅といえば、やっぱり奈良興福寺の国宝阿修羅像だな。阿修羅は、梵語(古代インド語)のアスラ(Asura)の音写で、「生命(asu)を与える(ra)者」とされたり、また「非(a)天(sura)」にも解釈され、まったく性格の異なる神になる。


興福寺監修『阿修羅を究める』
仏教に敵対する神であった阿修羅が、天平時代に奈良・興福寺でなぜ、清楚な表情の少年像に造形されたのか? 隠された謎に多方面から光を当て、神秘の国宝・阿修羅像の真実を探求する。