骨董と偶像

好きなもの&気になるものリスト

佐原ミズ「マイガール」

2007-06-30 11:38:26 | 
生き別れたまま死んだ恋人には、遺された娘がひとり。父親は自分。その娘をひきとって育てるという、父娘の日常を描いた長編マンガ。
『ほしのこえ』のほうが面白かったが、こっちも続きに期待。娘の相手だった男にかわいい孫をまかせっきりの祖母も非現実的だし、作中の女の子や男の子がときどき見せる5歳にはふさわしからぬ言動。

幼稚園に連れて行く初日に、「髪の毛、三つ編みにしてください」はよかったけどね(笑)。

マイガール 1
佐原 ミズ新潮社 (2007.4)ISBN : 4107713253価格 : ?560



ほしのこえ
佐原 ミズ / 新海 誠講談社 (2005.2)ISBN : 4063349845価格 : ?680

『夜は短し歩けよ乙女』

2006-12-29 14:24:32 | 
おじさんが読むには、少々恥かしい恋愛小説。古書好きの方にもおすすめ。

「黒髪の乙女」に片想いしてしまった「先輩」。ふたりを待ち受けるのは、奇々怪々なる面々が起こす珍事件の数々、そして運命の大転回だった…。キュートで奇抜な恋愛小説in京都。『野性時代』掲載を単行本化。

夜は短し歩けよ乙女
森見 登美彦著
角川書店 (2006.11)
ISBN : 4048737449
価格 : \1,575


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『夜は短し歩けよ乙女』

ぜんまいざむらい

2006-10-10 00:32:05 | 
最近、こどもが夢中なのがNHK教育の5分アニメ『ぜんまいざむらい』。
ストーリーを反芻しながらひとりでブツブツ言ったり、紙をまるめて自作のぜんまいをつくったりしている。
中でも「なぞのてんがいおとこ」は隠れた人気者らしい。物語のラストで「ぜんまいざむらい、今日も善をほどこしたり」と巻物にかきつけている天蓋をかぶった男である。
先日、こどもを連れて書店に入ったところ、みつけてしまったのがコレ。奇声をあげて、立ち読みにはげむこども。もちろん、お持ち帰りすることになりました。





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『のだめカンタービレ』ドラマ&アニメ化

2006-08-10 23:33:27 | 
女優の上野樹里(20)と俳優、玉木宏(26)が10月16日スタートのフジテレビ系月9ドラマ「のだめカンタービレ」にW主演することが9日、分かった。

上野と玉木W主演、フジ月9で奏でる「のだめカンタービレ」


そして、07年1月からはアニメ化も。



のだめカンタービレ




農村萌えと漁村萌え

2006-08-03 10:34:17 | 
プルーストを読破したら―というのは畢生の大作『失われた時を求めて』を読破したらということだ。―名刺にその旨を刷りこんでもいい、という評がある。
それほど読書人の前に屹立する高峰なのだが、けっこうつまみ読みでも楽しめる。
語り手であるところの話者は虚弱な少年時代を過ごし、内気で引きこもり気味。そんな中で、「ひとりの農家の娘が急に目の前にあらわれて、その両腕で抱きしめられ」ることを夢想する。夢想しすぎたあまり、自慰にふけってしまうのだ。病弱の少年にはそれが罪悪感とからだにはよくないという誤った自覚をともなって、「死」をイメージさせるものになっている。(撃ち過ぎて死ぬというのも笑えるが)

先日、発行された『月刊池脇千鶴』のキャッチコピーは「漁村にて」!
思わず手にとり、「ゆるさ」に笑った。けだるいポーズをとる池脇が演じる「おつむがゆるそうな女」「下のほうもゆるそうな女」。
漁船の中や港での写真があるが、バックに地元のおっさんが写っていたりすると、なんか妄想をかきたてられる。

そこで、先のプルーストのエピソードを思い出したのだ。これは「農村萌え」ならぬ「漁村萌え」か!?

『失われた時を求めて〈1〉第一篇 スワン家の方へ〈1〉』

『月刊 池脇千鶴』

サンプル画像がこちらで見られます(miss-actress on Web)

『となり町戦争』

2006-03-25 21:52:08 | 
正直、出だしはオッと思った。辞令交付にいたる場面もいい。あとは時にユーモラスですらあるこのリアリティのない状況の中に、いかに死者を出すほどの戦場の生々しいシーンを融合させ得るのか、というのが関心事となった。

リアリティのない戦争というのは、湾岸戦争という直近のサンプルがあるために共通理解を得やすい状況ではある。

「僕」=北原修路と香西さんの性交場面は、短い場面だがかなり印象に残った。描写はあっけないのだが、それ以上に香西さん(結果的に「僕」も)が無言で行為をする点に、違和感をおぼえた読者も多いようだ。

お互い口を一切きかずにSEXすることは・・・ある(キッパリ)。
だけど、この場合は香西さんが他の業務を淡々と説明するような具合に「というわけで、北原さんさえ異存がなければ週一回、わたしが性欲の処理を担当させていただきますが?」としたほうが面白かったのではないだろうか。


となり町戦争
三崎 亜記著集英社 (2005.1)ISBN : 4087747409価格 : 1,470


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花魁と仲よくなる順序

2006-02-18 19:19:07 | 

(1回目)
1.茶屋を通すか、じかに郭に出かけて花魁を見立てる。
2.郭の二階にあるお座敷で花魁を待つ。
3.花魁が現れたら、花魁は上座、お客は下座に座ります。結婚式ごっこのように、杯を交わしたりします。
4.芸者を呼んで遊びます。花魁自身は口もきかないことがありますが、客は「これから馴染み客になりたいのですが」という意思を伝えてことになります。
  今回はここまでよ~♪

(2回目)
5.2回目にやってくることを「裏を返す」と言います。1回目と同じように芸者を呼んで遊びます。

(3回目)
6.3回目で「馴染み」になります。ご祝儀として「馴染み金」を払います。
7.馴染みになると専用のお膳とお箸が用意されます。
8.馴染みになった酒宴のあと、ようやく「床入り」です。野暮な客だと床入りできない場合もありました。
9.これ以後、お客はほかの花魁とのおつきあいはできません。

役に立たないというか、自分に役に立つ日が来れば大したもんだと自分で自分をほめてやりたくなるだろうな。
「これ以後、お客はほかの花魁とのおつきあいはできません」は、いいんだか悪いんだかわからないが、普通の「おつきあい」にも通じるところがありそう!?


ことば探偵団シリーズ第3弾!お焼香の順番や料亭の席順、凸の書き順など常識として知っておきたい順序から、ミイラのつくり方など役に立ちそうにない順序までうんちくを交えて紹介!

知ってるようで知らないものの順序
ことば探偵団著
幻冬舎コミックス (2005.8)
ISBN : 4344805860
価格 : \1,050


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八犬伝のアレンジは失敗

2006-01-04 23:27:20 | 
『里見八犬伝』のドラマ化、小さい頃からのファンであるため、期待したがやっぱり凡作だった。
特に後編がよくなかった。ショッカーのような玉梓の手下どもや、管領軍との冗長な戦いのせいで原作のテイストが損なわれ、前編とのバランスも悪い。とってつけたようなセリフで、登場人物たちにテーマを説明させるよりも、原作のもつ勧善懲悪・因果応報という古臭いパターンにこだわったほうがよかったように思う。
八犬士それぞれのキャスティングまで文句をつけてもしようがないが、八人が勢ぞろいするシーンも格別感慨がない。あれだけの大長編なので、すれちがい、離合集散を繰り返した果ての勢ぞろいというストーリーはたかだか5時間程度のドラマの中におさめることは難しかったようだ。

目をひいたのは、菅野美穂の玉梓。これはよかった。処刑シーンは特に。かつて全国のこどもたちを恐れさせた人形劇の「玉梓が怨霊」以来だろう。スターウォーズがアナキン・スカイウォーカーの物語であったように、全体のつくりも玉梓の物語として受け取られよう。その分、軽くなってしまったのが伏姫の存在である。やはり、姫と犬(八房)との獣婚ははずしてほしくなかった。あれがないだけで、もはや「八犬伝」ではない。

ちょっと気になった原作との主な違い

牡丹の痣・・・原作では伏姫の愛犬八房のからだに散らされたブチ。ドラマでは里見家の紋章に。
浜路姫・・・原作では大塚村の浜路とは別人で里見家の五の姫。ドラマでは里見家の二の姫。
ぬい・・・小文吾の妹だが原作ではドラマ以上に重要な存在(なんせ、ある犬士の産みの親だから)
礼の玉・・・・原作ではもっと悲劇的な化け猫事件。礼の玉はドラマで赤岩一角の頭蓋骨から飛び出したが、原作では犬村大角の許婚者が玉を世に出すきっかけをつくる。
船虫・・・ドラマでは道節のもと家臣姥雪世四郎の娘で、怨霊の罠におちて悪女と化すが、原作では徹頭徹尾、犬士たちを苦しめる悪女。
籠山逸東太・・・珍しい武田鉄矢の悪役。ドラマ同様、原作でもけっこう動き回る。龍山免太夫(籠山・・・の一部を流用している)という名も持つ。

個人的にはずしてほしくなかった原作の場面は、

里見義実が八房に言い含めて安西景連を討つシーン
八房と伏姫の獣婚とその死
犬坂毛野が犬田小文吾を背負って対牛楼から綱渡りで脱出するシーン
犬村大角と雛衣の悲恋
犬江新兵衛の蟇田素藤退治
里見水軍と管領軍の船いくさ

活字で読むのであれば、岩波文庫などの原作本か、コレ。

『南総里見八犬伝』〈第1の物語〉妖刀村雨丸

『南総里見八犬伝』〈2〉五犬士走る

『南総里見八犬伝』〈3〉妖婦三人

『南総里見八犬伝』〈4〉八百比丘尼

原作本にも挑戦!
『南総里見八犬伝』 全10冊

『暴れん坊本屋さん』

2005-12-23 16:30:26 | 
本屋って、ストレスたまる仕事だと思うよ。本好きにとっては「本に囲まれて幸せ」的な気持ちとストレス、両方持ち合わせる絶妙のバランスになるだろうけど。
ストレスは、まあ、たいていはお客が与えるわけだよな。

ずっと前に、万引きした少年が書店員に追いかけられて、踏切で事故死した事件があり、結局、その書店は店を閉鎖。住民からはいわれない誹謗中傷も受けたそうだが、パトカーに追いかけられて事故死するパターンと同じで、追う側にその責任をおしつけたくない。悪いことして逃げるほうが基本的に悪い。

脱線した。このマンガ、絵柄はあまり好きではないのだが、面白い。
特にすきなのが、ボーイズ○ブ小説の過激な口絵の話、万引きの話、九面平積みの話・・・いや、みんな面白い。

思わず、手持ちの村上春樹『アフターダーク』を発掘して、バーコードを確認してしまった方、トラックバック、かもん!

『暴れん坊本屋さん』(1)

作中で、編集さんが「雑誌の名前、ウンポコに決まったから」と連絡するシーンがあるが、その雑誌がこちら。

『ウンポコ』vol.3 (3)