FORTY THREE-SEVEN

43カーモデルとその他の事柄
その他の方がたぶん多い

20201215

2020-12-15 06:00:00 | 今日の一枚

ジョン・ル・カレ(John le Carré)氏がお亡くなりになりました。


面白い(と言ったら不謹慎だけど)のは
CIAが追悼のツイートをしていること




代表作には寒い国から帰って来たスパイ
をあげる人も多かろうと思います。
あれは、1965年の映画もね
007の全盛の時代にああいった作品が公開されたりして
評価が高いんですが
ワタシはスマイリーシリーズが好きです
スマイリーが出てくる作品は5(6)編あって
デビュー作からの主人公なのですが

これAmazonから拾って来たんですが
ワタシが持っていたやつはこんな緑じゃなくて
もっと青かったような気がします
黄色くなかったというべきか

寒い国から帰って来たスパイにも脇役で出てきます。
ソ連のスパイ組織をあぶりだし
その作戦の責任者の”カーラ”との対決を描いた3部作
ワタシはこれが好きです

原題はTinker, Tailor, Soldier, Spy
情報部チーフのコントロールは、過去の様々な作戦失敗や情報漏洩から、
幹部5人にまでその容疑者を絞りこみ、コードネームをつけた。
ティンカー(アレリン)、テイラー(ヘイドン)、ソルジャー(ブランド)、
プアマン(エスタヘイス)、ベガマン(スマイリー)
コントロールの信頼厚いはずの主人公
つかられたあだ名がベガマン(乞食)ひどいわぁ(笑)


スマイリーの面白さは、当人が優秀な人間であるにもかかわらず
出てくるたびに、引退したり、やめた状態で出てくることかな
この2部で、かれはチーフになるんだけど
ここで描かれる情報部は、すごく小さな組織で
彼がSIS(MI-6)の責任者なのか
それとも対外作戦を行う部門の責任者なのかがよくわからない
多分後者だとは思うんだけど
その割にはSISの長官とかは出てこないんだよなぁ
同じイギリスのフリーマントルのチャーリー・マフィンシリーズでも
受ける印象は、小さな組織
彼らが所属していたころはそんな感じだったのかしら
話が脱線するけどチャーリー・マフィンシリーズ
原語版を読んでいないんだけど
日本語の訳者は、どうも彼がSISの所属だと思っていたらいい
後のシリーズでSS(MI-5)ということになるんだけど
これは小説内部でフリーマントルが最初からSS所属のつもりで書いたのか
情報部とだけ書いていて、話が進むにつれて、そういう設定に
持っていたのかかよくわからない。
Wikipediaを見ると”British Intelligence”とだけ記載されている。
脇役で出てくることが多いスマイリーだけど
このスクールボーイ閣下も
主役ではあるんだけど、もう一人物語の主軸になる人物はもう一人別にいるんですね。
ル・カレは、スマイリーをおそらく自分の分身として描いているのだけれど
二重人格的というか、そうしながらちょっと冷ややかに
そうしている自分を見ているもうひとりの、自分がいるんじゃないかと
そう思いました。
この作品はそれが顕著で、主軸となる人物をもう一人据えることにより
作者自身を2人分割して、なおかつそれを俯瞰から見るという
そんな感じがします。

これが3部作の完結編
なんといいますか、終わってもちょっとペシミスティックというか
物悲しいというか
それは登場人物の中に悲劇的な死を迎える人がいるというからではなくて
それに至る物語が悲しいというか
まあ、ハリウッド映画みたいに誰が死んでも、ラスボス倒せば
最後はみんなで笑っておしまい
みたいなことにはなりませんわな
まあ、ハリウッド映画でもそんなのめったにないけど(殴
日本でも人気の作家さんなので
文庫も数種類バリエーションがあるみたいだから
集めてみるのも楽しいかも
映像作品はこれ

邦題は裏切りのサーカス
あのなぁ まあ冷戦時代を舞台にしているとはいえ
この情報部の部署が、ロンドンのケンブリッジ・サーカスにあるから
サーカスと呼ばれているのでありまして
そのまま『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』でいいじゃん
有名な小説だし と思うんですがね
ハニートラップという単語の発明者だそうです
Wikipediaをみると、彼が作ったという単語が列挙されています
ただScalphunters - 「首斬人(スカルプハンター)」(旧訳)、
「首狩り人(スカルプハンター)」(新訳)はどうなんでしょう
SCALPは頭皮の意味で、これを狩ってあつめるのは
インディアンなんですが
007のカジノロワイアルに、ボンドが
”自分たちがインディアンごっこをしている間に”
とあります。これ原語が不明なんですが
ここにScalphantとかそういう意味の言葉が入っていたんじゃないかと
じつは、カジノロワイアルを読んで、なんでいきなり”インディアンごっこ”
なんて言葉が出て切るのかわからなかったんですが
『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』でこの単語を見て
ああ、そういうことかと思いました。
それと、上司が失脚して失意のうちに亡くなったり
さえない風貌の中年というあたり
先にも話したフリーマントルのチャーリー・マフィン
この、スマイリーからかなり影響を受けていると思われます。

何はともあれR.I.P


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1 コメント

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Unknown (ヒビノ(岐阜の住人))
2020-12-18 23:03:05
コメントの時期を逸してはおりますが、ナニはともあれ
「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」
が一番説に一票です。
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