紅葉を科学してみました。 ～秋の葉が赤や黄色に色付くのはなぜ？～

紅葉を科学してみました。　～秋の葉が赤や黄色に色付くのはなぜ？～

by ｜2016-12-08 09:23:22｜

皆様おはようございます。
本日も加登（公式ホームページはこちら）の広報スタッフブログ「カトカト日記」をご覧いただきありがとうございます。

この秋も幾度となく紅葉狩りに出掛けたわが家。
まだご紹介できていないスポットも残っているのですが、毎秋楽しませてもらっている紅葉のことをもっと知りたいと思い、そのメカニズムを調べてみようかと形而上学的に（？）考えてみた次第であります。

紅葉する木としない木

基本的に、紅葉するのは落葉樹だけです。
落葉樹は冬の間に栄養を蓄えるために葉を落とすのですが、葉の色が変わるのにもそのメカニズムが影響しています。

木の葉が緑色である理由

木の葉には光合成をするために「葉緑体」という細胞が含まれています。
葉緑体にはクロロフィルという色素が含まれていて、光を吸収して光合成を行います。
光には波長があり、クロロフィルは緑色の波だけ光合成に使わずそのまま反射します。
そのため、木の葉は緑色に見えるのだそうです。

落葉樹が寒くなると葉を落とす理由

夏が終わり気温が下がってくると、光合成の効率が下がり、葉が生産する養分量が減少します。
葉自体も生きるのに養分を必要とするわけですから、木全体から見れば生産力の落ちた葉を残しておくよりも、いっそ落としてしまった方が良いのです。

紅葉は落葉の準備過程

秋になると、落葉樹は落葉の準備に入ります。
前述したクロロフィルは分解と再生産を繰り返していますが、秋になると木は再生産を止めてしまいます。
分解だけを繰り返し、葉に含まれていたクロロフィルはやがてなくなってしまうのです。

「黄葉（おうよう）」の仕組み

木の葉には、クロロフィルの他に、カロテノイドという黄色の色素も含まれています。
クロロフィルがなくなると、このカロテノイドの黄色が目に付くようになります。
この現象を「黄葉（おうよう）」と呼ぶこともあるようです。
私は面倒なのでいっしょくたに「紅葉」と呼んでいますが。

紅葉の仕組み

クロロフィルの再生産が停止する頃、葉の根元と枝との間に「離層」という物質が作られ、枝と葉の間の養分の行き来を妨げるようになります。
すると、葉が生産するブドウ糖が枝へと流れる量が減少し、葉の中に蓄積されていきます。
蓄積されたブドウ糖は日光（主に紫外線）が当たると分解されるのですが、分解の結果「アントシアン」という赤色の色素が生成されるのです。
これが「紅葉」です。

紅葉の当たり年、外れ年

紅葉って、年によって当たり外れがありますよね？
昨年は大外れの年だったと記憶しています。

今年観た中で一番きれいだと思った紅葉。緑色や黄色が若干残り、グラデーションを描いているのが個人的にツボです。

これには理由があります。

前述のように、日中の紫外線によってブドウ糖が分解されると赤色の「アントシアン」が生成され、夜間の冷え込みで緑色の「クロロフィル」が分解されます。
昼夜の寒暖差が激しいと、アントシアンの生成とクロロフィルの分解ペースが一気に上がるため、美しく紅葉するのだとか。