陳 満咲杜の「為替の真実」

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鷲の目で見る英ポンド/ドル

2007年12月28日 17時32分26秒 | 市況の真実
相場に臨む場合、虫の目と鷲の目の両方で見るべきだと言われている。

虫の目とは些細の値動きも逃せず、克明に相場の動向を追っていくアプローチを指し、鷲の目とは大きな流れとトレンドを掴むスタンスである。今回は鷲の目で英ポンド/ドル相場を俯瞰しよう。

上のチャートは同通貨ペアの日足である。赤、紫、緑色の線は順次200日、100日、50日移動平均線を表し、RSI(14)を添付されている。虫の目で見る場合、言うまでもないが、Cラインを割れた時点で下値リスクを警戒せざるを得なくなり、200日割れた際、ロングポジションの総撤退を検討しなければいけなかったし、短期スパンであれば、ショートポジションもその都度客観性を以って建てられる。

一方、やや長期的なスパン及びストラテジーで臨む場合、より大きなピクチャーを俯瞰する視点、即ち鷲の目が必要である。図示のように、2006年4月安値から引かれ、この間の安値(25日)と連結するライン(A)がBラインと整合性をもってほぼ2年間の上昇チャンネルを維持しているといった可能性が浮上しよう。鷲の目なしではなかなか解けないかもしれない。

もちろん、このような上昇チャンネルがこれからも維持され、破壊されずにいられるという断然たる保証はない。が、経験則から当方が得た教訓は以下であったことも注意してほしい。即ち、1.本当に強いトレンドが周期、値幅ともに大きく、一般の市場参加者の想定より遙かに長い、或いは大きいのである。2.チャンネルの幅が拡大されることもある。3.長い上昇相場を経た後、初めての200日線割れが短期的には「押し目買い」に繋がり、中長期的にはトレンドの転換というサインにはならないことも多い。

経験則だから、当方も昔よくミスを犯したもの。言い換えれば、一般の投資者らがよく犯したもっとも根本的なミスとは、長期トレンドの転換を性急に判断することである。

このような過ちを犯す心理的な要素としては、やはり「天井売り、底買いをしたい」という「幻想」に尽きる。「俺はドル/円の100円割れを待って、一発で仕込んでやる」、このような最近よく耳にする「ストラテジー」もこのような心理要素が働いているに違いない。

ちなみに、RSIというツールはシンプルでありながら、実に奥深い。25日の安値と対照するRSIの位置が2005年最安値の対応点(a)との同レベルにいることは単に「押し目買いのチャンス」と示唆しただけではなく、週足と整合的に見れば、今後上昇転じた場合、最大の目標値を計算できる基準も提供してくれている。あくまで計算例だが、今後英ポンド/ドルの最大上昇目標は2.0900台となっている。

ただ、この目標値が終値ペースで1.9600割れとなれば消滅するという前提条件も合わせて申し上げる。

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