野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

白い花がオミナエシのように散房花序で咲く「ツルカノコソウ」(春の花シリーズ 23-44)

2023年04月16日 12時24分48秒 | 

白い花がオミナエシのように散房花序で咲く「ツルカノコソウ」。そのためハルオミナエシとも呼ばれる。カノコソウと似た花だが、こちらは蔓で伸びる。

(2023年春 高尾山)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)
「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)
「オカメ桜」(春の花シリーズ 23-41)
「馬酔木」(春の花シリーズ 23-42)
「ヒメウズ」(春の花シリーズ 23-43)

 

「ツルカノコソウ」

ツルカノコソウ(蔓鹿子草)
多年草
本州〜九州の山地の木陰にふつうにある。茎は軟弱で高さ20〜40cm、花後に細長い走出枝をいちじるしく伸ばす。葉は羽裂し、裂片に波状の鈍鋸歯がある。花は散房花序につく。苞は線形。花冠は漏斗状、長さ2mm内外、白色、ときに紅色をおびる。そう果は広披針形、長さ2〜2.5mm、羽状の白色冠毛がある。花期は4〜5月。(広島の山野草)
学名は、Valeriana flaccidissima
スイカズラ科カノコソウ属

 


可憐な小さな花をつける「ヒメウズ」(春の花シリーズ 23-43)

2023年04月15日 10時10分37秒 | 

可憐な小さな花をつける「ヒメウズ」。うっかりすると見過ごすような小ささだが、とてもしとやかな印象を与える花なので、みつけるとうれしくなる。

(2023年春 高尾山)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)
「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)
「オカメ桜」(春の花シリーズ 23-41)
「馬酔木」(春の花シリーズ 23-42)

ヒメウズ
Semiaquilegia_adoxoides_himeuzu01.jpg
ヒメウズ
分類
界 : 植物界 Plantae
門 : 被子植物門 Magnoliophyta
綱 : 双子葉植物綱 Magnoliopsida
目 : キンポウゲ目 Ranunculales
科 : キンポウゲ科 Ranunculaceae
属 : ヒメウズ属 Semiaquilegia
種 : ヒメウズ S. adoxoides
学名
Semiaquilegia adoxoides (DC.) Makino
和名
ヒメウズ
特徴


塊茎
塊茎
繊細な多年草で、地下に塊状の地下茎(塊茎)を作る。塊茎は楕円っぽい不定形でその先端から根出葉と花茎を出す。よく育つと枝分かれして増える。

地上の植物体は草丈が10-30cm、花茎が根出葉より高く伸びる。根出葉は1回3出複葉、長い葉柄は表面に細かな毛があり、基部は寝ても次第に立って先端の葉身は水平に近く開く。小葉はそれぞれ2-3に裂け、よく育つとそれぞれが更に裂けるので、2-3回3出複葉になりかけているように見える。葉身全体としてはほぼ円形。葉はつやがなく、柔らかい。また紫色を帯びることが多く、特に裏側は紫っぽくなる。葉の表、小葉の基部近くに白い斑紋が出ることもよくある。

花茎は途中に茎葉をつける。茎葉は基本的には根出葉に似ているが、その基部が茎を抱き、柄が斜めに出る。また上に行くにしたがって小さく、幅狭く、葉柄が短くなる。花茎にも葉柄と同じく細かい毛が密生している。

先端に向けてまばらに枝を出し、花をつける。花は3-5月頃、ややうつむいて咲き、長さ5-6mm、白くて時にやや赤みを差す。花の外から見えるのは、花弁に見えるが実は萼片で、楕円形で五枚、下向きに抱えるように開く。その内側には長さ2.5mmの花弁があり、やや黄色みを帯び、筒状に並ぶ。それらの基部には短いながら距があって萼片の間から上に出る。このような構造はほぼオダマキ属と共通である。

雄しべは9-15、雌蘂は離生して2-5個、棒状。果実は熟すると上を向き、それぞれが内側に向いた真ん中から左右に割れて開き、種子が顔を出す(袋果)。種子は卵形で長さ1mm、黒くて横皺がある。


壺型の白い花が房になってたわわに咲く「馬酔木」(春の花シリーズ 23-42)

2023年04月14日 06時02分25秒 | 

壺型の白い花が房になってたわわに咲く「馬酔木」。昔、伊豆の天城山で馬酔木の樹林の中を歩いた記憶がある。「伊豆の旅誰か馬酔木の花折りて 細見綾子」。

(2023年春 南高尾)

 

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)
「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)
「オカメ桜」(春の花シリーズ 23-41)

「馬酔木」

【アセビとは】
・本州(山形~宮城以西)、四国及び九州に分布するツツジの仲間。日本特産の常緑低木で、やや乾燥した林地や砂礫地、山の尾根などに群生することが多い。木全体に毒性があって他の動植物を寄せ付けないため、アセビだらけの景色を作り、奈良の春日大社、奈良公園、箱根、天城山などは名所として知られる。
・万葉集にもその名が登場するほど古くから親しまれ、春に咲くスズランのような小花を観賞するため、庭木や盆栽としても普及している。日本庭園において灯篭や庭石の傍に植えるのが最も似合うが、花も葉も明るめであり、洋風の庭にも違和感なく植栽できる。
・呼び名はアセビ、アセボ、アシビ、アシミ、アシブ、アセブ・・・と人によって地方によって様々で、何が正しいのかしばしば混乱を招く。英語名に含まれるアンドロメダは欧米に咲く別の花のことだが、日本固有の本種がアンドロメダに似ているため英名として用いられる。
・アセビの開花は2月~4月で、ドウダンツツジに似た壺型の花が、枝先から多数垂れ下がるように咲く。花の直径は6~8ミリほどで口のところは浅く五つに裂け、内部には10個の雄しべと1個の雌しべがある。花の集りである花序の長さは10~15センチほど。
・自生するアセビの花色は白が基本だが稀に薄紅色のものがあり、園芸用としてはより人気が高い。また、花びらの付け根にある「萼」は個体によって薄紅色になったり黄緑色になったりと面白い。
・花の後にできるアセビの果実は直径5ミリほど。ぶら下がっているように見えるが、9~10月頃、褐色に熟すと上向きに五つに裂け、風に揺れると中から種子がこぼれ落ちる。果実が熟す頃には翌春に向けた蕾ができており、見慣れない場合、果実と蕾を見分けるのが難しくなる。
・若葉は赤みを帯び、紅葉しているかのように美しい。葉は枝先に集まっているように見えるが、実際は互い違いに生じている。長さ3~7センチ、幅2~3センチほどで両面とも毛はなく、ツルツルした感じになり、よく見ると葉先の縁には浅いギザギザがある。
・アセビの落ち葉には他の植物の成長を抑制する物質が含まれており、アセビの下では他の植物が育ちにくい。また葉が持つ有毒性を活用し、葉を浸した桶の水や煎じた葉をトイレや畑に撒き、害虫駆除や家畜の皮膚病に用いた。
・幹は株立ち状になるのが普通で、樹齢を重ねるとネジキのように捩れた感じになる。樹皮は赤みを帯び、縦に筋が入る。自然状態での樹高は3m程度。材は稀に床柱や薪に利用する。
・漢字名のとおり、馬がアセビの枝葉を食べると呼吸中枢が侵され、酔ったように脚が不自由になることから「アシビ(足痺れ)」の別名があるという。アセビという名前も「悪し実(あしみ)」から転じたとする説があり、こうした名の由来はシキミに似る。
・アセビの葉、花、枝に呼吸中枢神経を麻痺させる毒性(アセボトキシン/アセボチン/アセボクエルシトリン)があり、アセビの葉を誤食すると嘔吐や痙攣といった症状が起き、花で作った蜂蜜で中毒を起こした例もある。なお、同じツツジ科のレンゲツツジやホツツジにも同様に毒性がある。  

 

馬酔木の花 補遺

あしびきのやまのひとつがやま火かな 加藤秋邨
あしびの花ゆれてもかなし大試験 山口青邨
あしび咲き机の上の夕景色 岡井省二 有時
あしび花房長し短し大試験 山口青邨
こころみに足袋ぬぎし日や花あしび 林翔 和紙
こそ~と鹿の目こぼるあせぼ原 土芳
このあたり鹿さへまれにちるあしび 百合山羽公 春園
この句碑のあしび蕾をそろへたり 山口青邨
さばかるる女難の顔のあせぼかな 飯田蛇笏 山廬集
たくましく婢の愁ひあるあせぼかな 飯田蛇笏 山廬集
とぼしらにあせびの花や瑠璃光院 星野麥丘人
ひと房にこゝだ馬酔木の花の壺 日野草城
まつりたる鼓緒忌の花の馬酔木かな 飯田蛇笏 霊芝
みさゝぎの馬酔木の花のありそめぬ 日野草城
むつびても黙してもふたり馬酔木咲く 及川貞 夕焼
よき庭や岩上馬酔木花皚々 山口青邨
わが袖に君が袖にと馬酔木ゆれ 阿波野青畝
万亭のあしび花咲く大石忌 高野素十
万燈を待つ間手ぐさに房馬酔木(奈良、春日神社万燈籠) 細見綾子
人遠し馬酔木の下のくぐり水 細見綾子
伊豆の旅誰か馬酔木の花折りて 細見綾子
函根路やあしびの花の珠と鳴り 山口青邨
別れ来てほつりと白し花あしび 楠本憲吉 隠花植物
利休忌に馬酔木みじかき花盛 平畑静塔
利休忌の馬酔木の花の一閃を 山口青邨
咲くよりは垂るるこころに馬酔木咲く 林翔
四時ある国の氷雨にあしび咲き 下村槐太 天涯
夕雲の馬酔木に居りて夜も去らず 水原秋櫻子 玄魚
夜に消える馬酔木鏡の奥黒猫 金子兜太
天井を馬酔木咲く野に低く吊る 下村槐太 天涯
奈良の夜は女人の匂ひ花あしび 飴山實 花浴び
奈良幽か朝のあしびに鐘わたる 阿波野青畝
奈良眠し馬酔木の花の落ち溜り 右城暮石 虻峠
妻活けし馬酔木の花や西行忌 山口青邨
小馬酔木咲けり我が家も奈良市域 右城暮石 句集外 昭和三十四年
山々の花馬酔木とも狎るる眠り 飯島晴子
左丹塗の春日明神花馬酔木 阿波野青畝
左千夫の墓花ごしらへの馬酔木垂れ 山口青邨
年酒酌み見立てし馬酔木六酒仙 水原秋櫻子 蘆雁
幼けなき祖師の御像花馬酔木 清崎敏郎
庭の中渓流ひびき馬酔木咲き 山口青邨
或る門のくづれて居るに馬酔木かな 水原秋櫻子 葛飾
折りとりて蚋おふ山の馬酔木かな 西島麦南 人音
新墓に馬酔木の花の咲きそめし 相馬遷子 山河
日当つて来し花馬酔木京は冷ゆ 山口青邨
日月のみ名のみ仏馬酔木咲く 野見山朱鳥 天馬
明るさや馬酔木夏芽の揃ひ立ち 高浜年尾
春の月馬酔木の花を照らしけり 山口青邨
春日野や夕づけるみな花馬酔木 日野草城
春隣り一位馬酔木にかしづかれ 飯田龍太
月に照る花おそければ馬酔木のみ 及川貞 榧の實
月よりもくらきともしび花馬酔木 山口青邨
月光の木陰の馬酔木君知るや 山口青邨
月光佛嫩芽の馬酔木供へある 水原秋櫻子 秋苑
末世の吾が手の馬酔木伎藝天(秋篠寺) 細見綾子
本丸の古道うづむあせぼかな 井原西鶴
来しかたや馬酔木咲く野の日のひかり 水原秋櫻子 葛飾
林なす花の馬酔木野巫女来ぬる 阿波野青畝
林泉に岩座の注連馬酔木咲く 右城暮石 句集外 昭和四十八年
樒かとまがふ山路の馬酔木かな 河東碧梧桐
水ひびくところ馬酔木の花用意 山口青邨
水温む奈良はあせぼの花盛 原石鼎 花影
渓澗にあしびの花のいくたりも 山口青邨
渓澗のおもむき馬酔木房短く 山口青邨
湖に帰る馬酔木群落を見てきて 金子兜太
湖畔あしび冬を花芽のかなしさよ 及川貞 夕焼
湯の香立つ山荘木藤垂れ馬酔木垂れ 山口青邨
献木のよくつき馬酔木花を垂れ 高野素十
珊珊と馬酔木の珠の鳴る日かな 上田五千石『琥珀』補遺
石楠花に馬酔木に蜂のつく日かな 原石鼎 花影
秋の雨さぞや馬酔木の雨雫 日野草城
紅梅に馬酔木も咲きて神の域 山口誓子
紫香楽の宮趾ひと本花馬酔木 松崎鉄之介
縁に立つ馬酔木の花はゆれやすし 山口青邨
腹落ちし鹿淋しさやあせぼ咲く 河東碧梧桐
花あしびかづきて鹿の子くぐり出づ 阿波野青畝
花あしび朝の薬に命継ぐ 角川源義
花あしび語りて神護寺さま若き 能村登四郎
花馬酔木ひねもすこぼれ彌山口 古舘曹人 砂の音
花馬酔木供へ隠るる行者像 右城暮石 句集外 昭和四十五年
花馬酔木大佛殿見ゆ白毫寺 森澄雄
花馬酔木軒にとどけるやどりかな 山口青邨
花馬酔木雨はうつぼ柱に鳴れる 山口誓子
花馬酔木魁けなれど春遅々と 清崎敏郎
草庵の塵掃き落す馬酔木かな 山口青邨
野鳥の嘴に馬酔木花房妻籠めに 金子兜太
関守に託す句碑なり花馬酔木 角川源義
雌鹿の瞳 もとより潤む 馬酔木咲く 伊丹三樹彦
雨降りて雨のごとしや花馬酔木 山口青邨
雨雫あしび花房長うせり 山口青邨
雪の歩廊が夢につづけり馬酔木花期 金子兜太
風吹て馬酔木花散る門も哉 政岡子規 馬酔木
馥郁と房垂れ馬酔木咲かむとす 林翔
馬酔木あり鹿の背摺りに鈴さわぐ 阿波野青畝
馬酔木咲き歳月戻す雨の中 古舘曹人 能登の蛙
馬酔木咲き金魚売り発つ風の村 金子兜太
馬酔木咲き黒人Kのさらなる嘆き 金子兜太
馬酔木咲く向うで欠伸夢の僧 金子兜太
馬酔木咲く夜明けの門にある喪章 有馬朗人 母国
馬酔木咲く奥より奈良の清掃車 右城暮石 句集外 昭和三十三年
馬酔木咲く村の祭にまぎれけり 岡井省二 鹿野
馬酔木咲く林道ふかし醫療地区 及川貞 夕焼
馬酔木咲く見れば遠きへ来つるごと 右城暮石 句集外 昭和十八年
馬酔木純林臭し静脈蒼きこと 渡邊水巴 富士
馬酔木野に人らよろこぶ声すなり 岡井省二 有時
馬酔木野の斑雪いくさを想はざる 石橋秀野
馬酔木野やかしこ法相ここ華厳 阿波野青畝
鹿寄せの少年馬酔木咲くなべに 伊丹三樹彦


ピンクがあでやかな「オカメ桜」(春の花シリーズ 23-41)

2023年04月13日 05時51分32秒 | 

ピンクがあでやかな「オカメ桜」。イギリスで交配によってつくられたというから驚く。ソメイヨシノはそろそろ寿命だというから、これからはこうした派手な桜も歓迎されるかも。

(2023年春 南高尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)
「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)

「オカメ桜」

【オカメザクラとは】 
・早咲きのサクラの一つで、1947年にカンヒザクラとマメザクラ(富士桜)をイギリスで交配して作ったものが逆輸入された。花色が濃くて華やかでありながらも、樹高が大きくならないことから、人通りの多い場所の街路樹や狭い庭のシンボルツリーとして使われる。
・原種となるサクラは日本のものだが、これを作出したのはイギリスの園芸界で「チェリー・イングラム」として知られるコリングウッド・イングラム氏。彼は日本の桜に惚れ込む一方、関東大震災後に近代化が進む日本を憂い、多様な日本のサクラをイギリスの自宅で保存しようと活動した。
・オカメザクラの開花時期は普通、3月中旬~下旬だが地域や天候によっては2月下旬から4月上旬になる。カンザクラより1ヶ月ほど遅く、ソメイヨシノより2週間ほど早い。名所としては神奈川県小田原市の根府川、京都の長徳寺、大阪の鶴見緑地、東京日本橋のあじさい通りなどがある。
・同じ時期に咲くピンクのサクラにはカワヅザクラ、カンヒザクラ、オオカンザクラなどがあるが、花はそれらよりも遥かに小さく、直径は1~1.5センチほど。本種を見慣ない人が、「モモかな?ウメかな?アンズかな?」というほど、サクラには見えない。花の小ささを生かして盆栽にすることもある。・花は一重で花弁は5枚。花色はやや紫がかった濃いめのピンク色で下向きにつき、花弁が完全に開ききらないのが特徴。花の基部の「萼」と呼ばれる部分はカンヒザクラと同様に紅色が濃い。花の後には稀にサクランボができるが、繁殖はほぼ接ぎ木による。
・オカメザクラの新芽は赤く、花が終わると開き始める。葉も長さ3~5㎝、幅1~3㎝ほどと小さめで、先端が尖り、マメザクラのそれに近い。

 

 


淡い緑の花弁の内側に編み笠のような模様がある「バイモ」(春の花シリーズ 23-40)

2023年04月12日 05時51分17秒 | 

淡い緑の花弁の内側に編み笠のような模様がある「バイモ」。アミガサユリという別名はよくできている。江戸時代に中国から薬用植物として渡来した。干した鱗茎が貝殻のように見えるので貝母と名付けられ、それを音読みしてバイモと名付けられたらしい。花が揃って風に揺られているところは雰囲気がある。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)
「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)

 

「バイモ」

バイモ(アミガサユリ)
学名…Fritillaria thunbergii
和名…バイモ(貝母)
別名…アミガサユリ(編笠百合)、テンガユリ(天蓋百合)、バイモユリ(貝母百合)
科名…ユリ科
属名…バイモ属(フリチラリア属)
原産国…中国
花色…淡緑色
草丈…30㎝~60㎝
日照…日なた~半日蔭

バイモ(アミガサユリ)は、中国東部に分布するユリ科バイモ属の多年草です。
分布域は安徽省、江蘇省、浙江省の竹林にあり、標高600mまでの日陰のやや湿った場所に自生しています。
中国では700年前から薬用植物として栽培されている、歴史のある植物です。
乾燥させた鱗茎は「貝母(バイモ)」と呼ばれ、咳止めや痰切り、止血、催乳などに効果がある生薬として利用されます。
日本には約300年前(享保年間)に薬用植物として渡来し、現在では一部地域で栽培を逸出したものが野生化しています。

バイモの花期は3月~4月。
花期になると細く伸びた茎の葉の付け根に、花径3~4㎝程度の花を、下向きに咲かせます。
花は鐘状で6枚の花弁を持ち、淡い緑色をしています。
花弁の内側には独特の網目模様があり、この模様が「アミガサユリ」の名前の由来になっています。


枝から直接に黄色い花を咲かせる「ダンコウバイ」(春の花シリーズ 23-39)

2023年04月11日 06時46分45秒 | 

枝から直接に黄色い花を咲かせる「ダンコウバイ」。サンシュユに似た花で、ウコン色なのでウコンバナという名前でも呼ばれる。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)
「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)



 

ダンコウバイ(壇香梅)
落葉低木
関東地方・新潟県以西〜九州の山地の落葉樹林内や林縁に生える。高さ2〜6mになる。幹は叢生し、球形〜広卵形の樹形をつくる。樹皮は暗灰色。円形の皮目が多い。新枝は黄緑色または黄褐色、赤褐色で太く、まばらに枝分かれする。2年枝は灰褐色で皮目が多い。葉は互生。葉身は長さ5〜15cm、幅4〜13cmの広卵形。ふつう上部は3裂し、裂片は鈍頭。ふちは全縁で、質はやや厚く、基部は切り形または浅いハート形。切れ込みのない小形の葉もまじる。表面には初め黄褐色を帯びた軟毛があるが、後に無毛。裏面は白色を帯び、脈上に淡褐色の長毛が密生する。葉柄は長さ5〜30mm。雌雄別株。葉の展開前に黄色の小さな花が散形状にまとまってつく。花序は無柄。雄花序は雌花序よりも大きく、花の数も多い。花自体も雄花のほうが大きい。花柄は長さ1.2〜1.5cmで、淡褐色の毛が密生する。花被片は楕円形で6個、雄花では長さ約3.5mm、雌花では長さ約2.5mm、ともに花のあと脱落する。雄花の雄しべは9個、葯は2室。雌花には雌しべ1個と葯が退化した仮雄しべが9個ある。雄花の雄しべと雌花の仮雄しべは外側に6個、内側に3個並び、内側の花糸の両側に黄色の腺体がつく。果実は液果。直径約8mmの球形で、9〜10月に赤色から黒紫色に熟す。果柄は長さ1.5〜2cm、先端はやや太くなる。種子は球形で淡褐色〜褐色、基部はへそ状にやや突出する。花期は3〜4月。
葉芽は楕円形。花芽は直径4〜6mmの球形で、秋から目立つ。葉痕は半円形。維管束痕は1個または3個。(樹に咲く花)
シロモジの葉も3裂して似ているが、シロモジは切れ込みの基部が丸くなる。花序に短い柄がある。
学名は、Lindera obtusiloba
クスノキ科クロモジ属


#早春の花でもっともあでやかな「雪割草」(春の花シリーズ 23-38)

2023年04月10日 04時34分43秒 | 

早春の花でもっともあでやかな「雪割草」。花の色はとりどりで、花の形も同じ種の花かと疑うほどに多様でみごとだ。ミスミソウの名前でも知られる。「雪を割り雪を纏はず三角草 稲畑汀子」

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)
「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)

「雪割草」

ユキワリソウ(雪割草)
学名 Hepatica nobilis var.japonica
英名 Hepatica
和名 雪割草
科名 キンポウゲ科
属名 ミスミソウ属
原産地 日本

ユキワリソウ(雪割草)の特徴
雪割草はキンポウゲ科ミスミソウ属の多年草で日本には自生地が異なるミスミソウ、オオミスミソウ、スハマソウ、ケスハマソウの4種類がありこれらを総称して園芸的にユキワリソウと呼びます。温かい日光がさしたときだけ花を開き曇ったり寒いには花を開きません。落ち葉の間から他の花に先駆けて小さな花を咲かせ、春の訪れを告げるような姿から雪割草と名付けられています。花色は白、赤、黄、青、複色、絞り咲きなど変化が多いうえに花形も多様で葉の変化もあります。1株ごとに異なるといえるほど非常に多くの変異種があります。1株から次々と花を咲かせ環境が合えば丈夫な山野草です。

基本データ
園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 日本から南千島、サハリン南部
草丈/樹高 10cm前後(開花時) 開花期 2月~4月
花色 ピンク,紫,白
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性,耐寒性が強い,日陰でも育つ,盆栽向き

雪割草

あどけなき丈を束ねし雪割草 山田弘子 こぶし坂
しんしんと雪割草を恋ふるかな 青柳志解樹
ふるさとや雪割草のかすかなる 古澤千枝子
まだ萼に隠れし花や雪割草 石田波郷
みんな夢雪割草が咲いたのね 三橋鷹女(1899-1972)
ものの影まだ地になくて洲浜草 永方裕子
よきことはいつか来るもの雪割草 鈴木伊都子
一と鉢の雪割草の野を買ひぬ 蔦三郎
一鉢の雪割草の野を買ひぬ 蔦三郎
傘雫振るや雪割草の濃く 増田萌子
図書室のこの窓が好き雪割草 行方克巳
奥能登の蕎麦屋に売れる雪割草 坂部尚子
小屋に春呼んで雪割草ひと鉢 石川桂郎 高蘆
峡の日のまなこに痛き雪割草 宇咲冬男
思ひ出すことも供養の雪割草 気田妙子
息止め見る雪割草に雪降るを 加藤知世子 花寂び
指を組む闇に雪割草の花 堀越胡流
控へ目に雪割草は地をわりぬ 松浦ミヤ子
旅信ばかり呉るる友あり雪割草 石田波郷
日に飢ゑし雪割草と灯をわかち 軽部烏頭子
洲浜草鞍馬はけふも雪降ると 後藤比奈夫
異倭(ことやまと)の子らも育ちぬ雪割草 水野真由美
空腹に雪割草の花ふたつ 宮坂静生 春の鹿
義士まつり雪割草を照らし売る 大西八洲雄
花日記雪割草に始りし 秋葉美流子
花終へし雪割草を地にかへす 軽部烏頭子
起伏みな雪割草の占める岬 中村青峯
逆修の板碑しんしん雪割草 望月精光
雪を割り雪を纏はず三角草 稲畑汀子
雪を割る力は見えず雪割草 竹下陶子
雪割草に跼むや兄も妹も 山田みづえ
雪割草佐渡がもつとも純なとき 中嶋秀子
雪割草古き落葉のかげに咲く 山口青邨
雪割草咲き出て峡の日章旗 唐橋秀子
雪割草咲く墓山に忌を修す 青柳はじめ
雪割草垂水の滝は巌つたふ 山口草堂
雪割草氷河の水に根を濯ぐ 依田明倫
雪割草海無き国は父の国 成瀬櫻桃子
雪割草裟婆捨て峠越えてより 青木和枝
雪割草谷間の風にたじろがず 設楽隆夫
雪割草通りやんせとは怖き唄 鈴木伸一
雪割草雲千切れとぶ国上山 朝妻 力
雪割草風透き通るこの辺り 高澤良一 宿好


目立たないが、よく見ると美しい花を咲かせる「シュンラン」(春の花シリーズ 23-37)

2023年04月09日 06時17分35秒 | 

目立たないが、よく見ると美しい花を咲かせる「シュンラン」。かつては野山で普通にみられた日本原産の野生蘭だ。今では野原ではほとんど見かけなくなった。「春蘭の水の匂のほかはせず 後藤比奈夫 花びら柚子」。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)
「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)

 

「シュンラン」

シュンランの基本情報
学名:Cymbidium goeringii
和名:シュンラン(春蘭)  その他の名前:ジジババ、ホクロ
科名 / 属名:ラン科 / シュンラン属(シンビジウム属)

特徴
シュンランは、北海道から九州に広く分布し、日本を代表する野生ランです。シンビジウムの仲間で、主に里山や人里に近い山地の雑木林などに自生し、古くより季節の花や祝いの花として親しまれてきました。
葉は細く、縁には細かいぎざぎざ(鋸歯)があります。地下には数個のバルブが連なり、太い根がたくさん伸びています。春に緑色の花を1茎に1花、まれに数花を咲かせます。花後には花茎が伸びて果実がつきます。堅い果肉の中には、粉のようなタネが無数に入っています。秋も深まるころには地下に翌年の花芽を抱き、そのまま寒い冬を落ち葉の中でじっと過ごし、春を待ちます。
この仲間は古くから東洋ランと呼ばれ、名花・秀花の選別も多く行われ、古典園芸植物としても親しまれています。丈夫な植物ですが、きれいにつくるには少しコツが必要です。

基本データ
園芸分類 山野草,ラン
形態 多年草 原産地 北海道~九州
草丈/樹高 10~30cm 開花期 3月下旬~4月
花色 緑,まれに褐色,朱金,黄
耐寒性 普通 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性,日陰でも育てられる

春蘭の俳句

ひえびえと春蘭の土こぼれたる 下田稔
ほくり咲き秋田支藩の武家屋敷 高澤良一 宿好
ドア開ける度び春蘭の匂ひ立つ 稲畑汀子
交りや春蘭掘りてくれしより 高田つや女
山人に春蘭を掘る向きかえて 長谷川かな女 花 季
己が葉の影春蘭に濃かりけり 奈王
憂き日々にあり春蘭の薄埃 桂 信子
掘りきたる春蘭花をそむきあひ 立子
掘りささげたる春蘭のはげしき根 赤松[ケイ]子
春蘭と二月の雲のゆく下に 軽部烏帽子 [しどみ]の花
春蘭と蕨四五本とを得たる 岸風三楼 往来
春蘭にうづまく髪を臥せしかな 長谷川かな女 雨 月
春蘭にくちづけ去りぬ人居ぬま 杉田久女
春蘭にこころのぞかれゐたりけり 吉野義子
春蘭に佇ち紅梅にふり返る 岸風三樓
春蘭に尾根つたひくる日のひかり 斎藤梅子
春蘭に山廬先生莞爾たり 植村通草
春蘭に松の落葉の深々と 川端龍子
春蘭に添えば消えてゆく痛み 本田ひとみ
春蘭に狐のごとき花芽出づ 堀口星眠
春蘭に畳の埃とぶことも 吉井幸子
春蘭に首をかしげてゐる男 出羽 智香子
春蘭のあえかの花に片時雨 行方克巳
春蘭のひともと陶の埃棚 伊藤敬子
春蘭の一鉢かくれなかりけり 後藤夜半 底紅
春蘭の一鉢を先づ病床に 高濱年尾
春蘭の匂ふ胎内くぐりかな 小形さとる
春蘭の古葉剪らんと思ひつゝ 軽部烏帽子 [しどみ]の花
春蘭の咲きて使はぬ山の井戸 関戸靖子
春蘭の咲くをたしかむ山に入る 衣巻新風子
春蘭の固き蕾の解くる日を 田中冬二 麦ほこり
春蘭の幾株か減り雑木山 阿部みどり女 『陽炎』
春蘭の影濃くうすく昼しづか 桂 信子
春蘭の曾ての山の日を恋ひて 高浜虚子
春蘭の根を包みをる苔芽ぐむ 横光利一
春蘭の櫟の丘は伐られけり 和地清
春蘭の水の匂のほかはせず 後藤比奈夫 花びら柚子
春蘭の花さみどりに母恋ひし 中村しげ子
春蘭の花とりすつる雲の中 蛇笏
春蘭の花芽と信じ育てをり 水田ムツミ
春蘭の花芽をかぞえ癒えており 根岸たけを
春蘭の花芽伸び来し鉢を置く 長井伯樹
春蘭の花茎ゆらし軍靴くる 松浦敬親
春蘭の草に紛るる薄暮かな 隈加須奈
春蘭の葉のとどめたる牡丹雪 野沢節子 飛泉
春蘭の蕾もたぐる夕月夜 福田萬喜子
春蘭の裏庭にゐる媼かな 山本洋子
春蘭の風をいとひてひらきけり 敦
春蘭は山の消息お見舞に 志子田花舟
春蘭は日を吸ひ落葉日を返へし 上野 泰
春蘭やけんけん雉子も杉の奥 友二
春蘭やみだれあふ葉に花の数 高橋淡路女 梶の葉
春蘭やジャズの流るる異人館 中川 克子
春蘭や三十余年わが庭に 瀧井孝作
春蘭や僧の客間に良寛像 関森勝夫
春蘭や天城が降らす雲かぶり 青邨
春蘭や奈落をいそぐ水の音 松本美簾
春蘭や学問ほどの不確かに 鳥居美智子
春蘭や実生の松にかこまれて 星野立子
春蘭や尼に眉間の皺はなし 静塔
春蘭や山の音とは風の音 八染藍子
春蘭や度々の行幸の神武寺に 尾崎迷堂 孤輪
春蘭や徒食の爪はのびやすし 角川源義
春蘭や指を組みたる母の骨 栗林千津
春蘭や日かげ勝なる山の寺 四明句集 中川四明
春蘭や暗きに打てる紙砧 水原秋櫻子
春蘭や朝日集めてうすみどり 穂坂日出子
春蘭や杣とは違ふ足の音 和田祥子
春蘭や株ごとに持つ野の故郷 遠藤 はつ
春蘭や渡る他なき丸木橋 浦田 宏
春蘭や滝の芯のみよみがへり 黒坂紫陽子
春蘭や無名の筆の俗ならず 正岡子規
春蘭や男は不意に遺さるる 飯島晴子
春蘭や秩父も奥のどんづまり 江口千樹
春蘭や耳にかよふは竹の雨 草城
春蘭や記憶次第によみがへる 中村汀女
春蘭や野坂参三百歳に 柴野公子
春蘭や雨をふくみてうすみどり 杉田久女
春蘭や雨雲かむる桜島 秋櫻子
春蘭や雪崩の跡に土乾き 児玉 小秋
春蘭や雲の中にも殿の址 小澤満佐子
春蘭や香のかたちに香の灰 日野草城
春蘭を今朝の新聞紙に包む 内山忍冬
春蘭を得し素朴なる日を愛す 吉田草風
春蘭を得てかざしたる木の間の日 高濱年尾 年尾句集
春蘭を掘たる山を眺めをり 深川正一郎
春蘭を掘り提げもちて高嶺の日 高浜虚子
春蘭を掘り目隠をされてゐる 田中裕明 花間一壺
春蘭を掘る一株にとゞむべし 横田弥一
春蘭を移し植ゑたる庭の闇 加藤三七子
春蘭を穫て峡ふかき日を仰ぐ 塚原 夜潮
春蘭を置いてゆきたる見舞人 高濱年尾 年尾句集
春蘭を踏み大靴の悪霊たち 八木三日女 落葉期
春蘭を騒いで掘つて笹の山 岡井省二
春蘭活け吉川英治夫人の家 天野慶子
杣出の渓春蘭のふるへをり 石原八束
松売りや根に春蘭をくゝりける 妻木 松瀬青々
母の顔春蘭(ほくり)に重ね家郷恋ふ 原田孵子
淑気満つ春蘭の香を箸の尖き 安田鶴女
花一つ持ちて春蘭掘られけり 碧雲居句集 大谷碧雲居
花現れし春蘭いだき屋上より 軽部烏帽子 [しどみ]の花
若者の渇き春蘭水の辺に 細見綾子
葉の色に紛れ春蘭咲き初むる 下間ノリ
蔭の花春蘭の香に眼を見はる 臼田亞浪 定本亜浪句集
貧書斎春蘭花をあげにけり 富安風生
重湯飲めば春蘭の山河あり 相馬遷子 山河
雀ねらふ猫平然と春蘭嗅ぐ 長谷川かな女 花寂び
雲深くして春蘭の濡れゐたり 池上浩山人
風を着てさあ春蘭を掘りませう 栗林千津

 

 


淡い紫の花がかわいい「ショウジョウバカマ」(春の花シリーズ 23-36)

2023年04月08日 06時46分37秒 | 

淡い紫の花がかわいい「ショウジョウバカマ」。名前の由来は「花が赤いのを猩々(中国の伝説上の動物のこと)になぞらえ、根生葉の重なりが袴に似ていることから名付けられたとされる」という。むしろ昔の人の想像力に感心すべきだろうが。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)
「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)

「ショウジョウバカマ」

ショウジョウバカマの基本情報
学名:Helonias orientalis(Heloniopsis orientalis)
和名:ショウジョウバカマ  

科名 / 属名:シュロソウ科 / ショウジョウバカマ属

特徴
ショウジョウバカマは山地の湿った谷沿いの斜面や森林、ときに亜高山帯の万年雪の近くの湿った草原に見られる多年草です。
葉は細長くて光沢があり、根元から放射状に広がります。栄養状態のよい株では、葉の先端から新芽を出します。葉の中心には翌年の新芽があります。花は径1cm程度で、花茎の先端に径3~5cmほどの球状にまとまってつきます。花色はふつう赤紫色ですが、地域によってピンクや紫など変化があります。花茎は、開花時には10cm前後ですが、花後急激に伸びて30~50cmに達します。

※科名:ユリ科で分類される場合もあります。

基本データ
園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 日本から南千島、サハリン南部
草丈/樹高 10cm前後(開花時) 開花期 2月~4月
花色 ピンク,紫,白
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 常緑性,耐寒性が強い,日陰でも育つ,盆栽向き


早春に蜂の巣のような花を下向きに咲かせるミツマタの赤花の品種「紅ミツマタ」(春の花シリーズ 23-35)

2023年04月07日 07時34分20秒 | 

早春に蜂の巣のような花を下向きに咲かせるミツマタの赤花の品種「紅ミツマタ」。パッと明るくなるような華やかさだ。

(2023年春 南鷹尾)

 

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)
「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)


今でも高級な和紙の原料に使われている「ミツマタ」(春の花シリーズ 23-34)

2023年04月06日 13時47分04秒 | 

今でも高級な和紙の原料に使われている「ミツマタ」。早春に黄色な花を咲かせて目立つ。ミツマタの名前は、枝が三つに分岐するから。三枝、三又の呼び名もある。万葉集にもその名前が登場する。紙幣の重要な原料だという。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)
「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)

 

「ミツマタ」

ミツマタの基本情報
学名:Edgeworthia chrysantha(Edgeworthia papyrifera)
和名:ミツマタ(三又)  

科名 / 属名:ジンチョウゲ科 / ミツマタ属

特徴
ミツマタはなかなか趣に富んだ春の花木です。新葉が芽吹く前の枝先に花だけが開花する姿は、冬が終わり待ちわびた春がきたことを喜んでいるようにも見えます。うつむくように下を向いて咲く花には芳香があり、小さな花が集まって半球形をつくっています。この小さな花には花弁はなく、花弁のように見えるのは筒状の萼の先端が4つに裂けて反り返ったものです。枝は3つに分枝し、これが「ミツマタ」の名前の由来となっています。強い繊維質の樹皮は、強度の高い良質の紙の原料として有名で、紙幣などにも使われています。

基本データ
園芸分類 庭木・花木
形態 低木 原産地 中国
草丈/樹高 2m 開花期 3月~4月中旬
花色 黄,オレンジ  
耐寒性 普通 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,香りがある,日陰でも育つ


花の内側の編み笠模様が特徴的な「コシノコバイモ」(春の花シリーズ 23-33)

2023年04月05日 06時26分11秒 | 

花の内側の編み笠模様が特徴的な「コシノコバイモ」。これも日本原産だ。カタクリ属の花で、スプリング・エフェメラルの一つである。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)
「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)

「コシノコバイモ」

コシノコバイモ
学名:Fritillaria japonica var. koidzumiana  

コシノコバイモ(越の小貝母) ユリ科バイモ属
本州(中部地方)の山地の林内に生育する多年草。
丈は10-20cm。葉は披針形または広線形で、下部では対生、上部では3輪生する。茎の先に下向きに淡黄色で広い鐘形、長さ2cm程の花を付ける。花被片には暗紫色の斑紋があり、縁や内側の中脈に突起がある。
花期は4-5月。
果実は蒴果になる。

※ 分類上は、ミノコバイモ(美濃小貝母)の変種。
 似たものに、山梨県や東京都に分布するカイコバイモ、愛知県や岐阜県などに分布するミノコバイモ、四国に分布するトサコバイモなどがある。
 名は、「越後のコバイモ」の意味。
 春の時期だけ姿を見せる、春の妖精(スプリング・エフェメラル)の一つ。

生育地 山地の林の中
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 10~20センチ
分布 北海道から九州
名前の読み かたくり
分類 ユリ科 カタクリ属
学名 Erythronium japonicum


今や春の花の代表になったような「カタクリ」(春の花シリーズ 23-32)

2023年04月04日 05時58分23秒 | 

今や春の花の代表になったような「カタクリ」。反り返った紫の花弁が優雅だ。万葉の昔から「カタカゴ」の名前で日本人になじみになっている花だ。日本原産とされ、学名にもジャポニカとある。かつては根から片栗粉をとったが、今ではそんなもったいないことをする人はいないだろう。希少なスプリング・エフェメラルの花だ。「かたかごの花群りてあひ触れず 清崎敏郎」。

(2023年春 南鷹尾)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)
「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)

 

 

「カタクリ」

カタクリ [片栗]

花の色 紫
開花時期 3月 、 4月
誕生花3 月 24日花言葉謙遜 , 尊重される
花の特徴 茎先に1つずつ下向きに淡い紅紫色の花をつける。 花被片は6枚で、上に向かって強く反り返る。 ただし、反り返るのは日中の陽射しがあるときで、夕方には傘のように閉じる。 花被片のつけ根の部分にはW字形をした濃い紫色の斑が入る。 雄しべは6本、雌しべは1本である。
葉の特徴 根際から生える葉は2枚で、形は長い楕円形ないし卵形である。 葉は厚くて軟らかい。
実の特徴 花の後にできる実はさく果(熟すると下部が裂け、種子が散布される果実)である。
この花について 種子が地中に入ってから8年ほどの間は花をつけない片葉の状態が続き、それからやっと2枚の葉を出して開花する。 昔は片栗粉の原料とされたが、今はジャガイモ、サツマイモにとって代わられて、本物の片栗粉は薬局でしか手に入らない。 病後の滋養用に使われている。 俳句では「片栗の花」が春の季語である。 属名の Erythronium はギリシャ語の「erythros(赤)」からきている。紅紫色の花をつけるヨーロッパ種を念頭につけられた名である。 種小名の japonicum は「日本の」という意味である。

生育地 山地の林の中
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 10~20センチ
分布 北海道から九州
名前の読み かたくり
分類 ユリ科 カタクリ属
学名 Erythronium japonicum

 

片栗の花 の俳句

 
片栗の花 の俳句

片栗の花 の例句 (←ここをクリック)
http://fudemaka57.exblog.jp/23611691/


片栗の花 補遺

うとうととしてかたくりの花ふえて 石田勝彦 秋興
かたかごに杉皮を剥ぎ散らしたる 石田勝彦 百千
かたかごに銀の日の懸りをり 石田勝彦 百千
かたかごの咲くや万葉のおもかげを 山口青邨
かたかごの山の斜面の日ざしかな 細見綾子
かたかごの花に入江の汐騒ぐ 山口青邨
かたかごの花びらに風触れにけり 清崎敏郎
かたかごの花むらがりて残る井戸 鷹羽狩行
かたかごの花や越後にひとり客 森澄雄
かたかごの花群りてあひ触れず 清崎敏郎
かたかごの蕾ほとほと人遠し 深見けん二
かたかごはまだ一枚の葉の姿 細見綾子
かたかごを引つぱる風の吹きにけり 石田勝彦 雙杵
かたくりが咲いて祭の昼花火 石田勝彦 百千
かたくりにする山百合を掘るといふ 杉田久女
かたくりの花びらまくれあがりけり 清崎敏郎
かたくりの花やひつくりかへり穹 岡井省二 鯛の鯛
かたくりの花咲く雪のきのふ消え 山口青邨
かたくりの花踏み通ふ外厠 松崎鉄之介
かたくりはかなし二枚の葉花一つ 山口青邨
かたまつてちらばつてかたかごの花 鷹羽狩行
どの花となくかたかごの昃りたる 深見けん二
めつむれば深山幽谷かたくり咲く 山口青邨
別れゐし子に逢ふごとくかたかごに 林翔
喉佛けふ片栗の花の上 岡井省二 猩々
囁やかれいてかたくりの花凛と 楠本憲吉 方壺集
堅香子の花かたかごの句会かな 星野麥丘人 2003年
墓数基かたくり山に古りゐたり 細見綾子 天然の風
山の湖かたくりも花濃かりけり 星野麥丘人
山ふかく咲くかたくりの息きこゆ 能村登四郎
山窪に見しかたくりの湿り花 能村登四郎
山越しの水飲めといふ花かたくり 細見綾子
春の水かたくり山に音たてて 細見綾子
春蘭の花かたかごの花雪が降る 細見綾子
流離めく花片栗に影置けば 岡本眸
清明のわが庭かたかご莟上ぐ 山口青邨
片栗の一つの花の花盛り 高野素十
片栗の花いつも一つ棲みふりて 山口青邨
片栗の花に日が射す狂ひ節 三橋鷹女
片栗の花のてんぷら舌焦げむ 後藤比奈夫
片栗の花や藪みち踏み入れば 石塚友二 玉縄以後
片栗の花を見にゆく帯締めて 鈴木真砂女 紫木蓮
片栗の花見ることを強要す 細見綾子
片栗をかたかごといふ今もいふ 高野素十
片栗咲く遠景に狐ほのと 金子兜太
荷を降ろす 息継ぐ 坂の花片栗 伊丹三樹彦
菜園の雨のかたくり犬ふぐり 雨滴集 星野麥丘人
足のべて休む片栗の花あれば 細見綾子
風筋のかたくりは萎えやすき花 佐藤鬼房

優しい色合いが目を和ませる「シデコブシ」(春の花シリーズ 23-31)

2023年04月03日 06時07分51秒 | 

優しい色合いが目を和ませる「シデコブシ」。絶滅危惧種のようだが、今では園芸種としてふつうにみかけるようだ。

(2023年春 川崎市)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)
「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)

 

「シデコブシ」

シデコブシはモクレン科モクレン属の落葉小高木で、日本固有種である。かつてはレッドリストにおいて絶滅危惧Ⅱ類(VU)に指定されていたが、2006-2007年発表のレッドリスト第2次見直しの結果、準絶滅危惧(NT)に指定されている。 分布は、東海三県の丘陵地に限られ、具体的には岐阜県の東濃・中濃地域、愛知県尾張・三河・渥美地域、三重県北勢地域で、特に愛知県渥美地域、三重県北勢地域の集団は隔離分布をしている。これらの地域には他にも多くの固有種、準固有種があり、これらの種は東海丘陵要素と呼ばれている(植田 1989)。シデコブシの生育する立地は、湧水のある山裾や小さい谷の湿った谷底(Ueda 1988)、丘腹斜面の小規模な水路(リル)(後藤 1992)、丘陵斜面の水路底(菊池 1994)である。

シデコブシの局所集団は通常小さく、湿地や小さな川沿いに断続的に出現し、局所集団は全体としてメタ個体群構造をとる。樹高は10m以上、胸高直径が20cm以上にまで及ぶ。根元から萌芽幹を出し、しばしば株立ちする。花は早春に、開葉に先立って咲き、雌性先熟の両性花を咲かせる(写真1)。1つ花の開花期間は約10日で、株全体では20日間程度開花する(Setsuko et al. 2008)。同じモクレン科のコブシやタムシバと比較して、花被弁が9-25枚と多いのが特徴である。花粉は主に甲虫によって媒介されるが、セイヨウミツバチやマルハナバチの訪花も観察されている(Yasukawa et al. 1992, Setsuko et al. 2007)。果実は8-9月に成熟し、最大で40個程度の種子を含む集合果をつける(写真2左)。種子はしばしば樹冠下に落下しているのが観察されるが、ヒヨドリ等の鳥類が散布に寄与していると考えられる(写真2右) 。


小さな薄青の花が可憐な「キュウリグサ」(春の花シリーズ 23-30)

2023年04月01日 06時09分15秒 | 

小さな薄青の花が可憐な「キュウリグサ」。よほどみつけるつもりでいないと、なかなか目に入らないほどに小さいが、春になってみつけるとなんかうれしくなる。

(2023年春 川崎市)

2023年春の花シリーズ

「ジャイアント・スノードロップ」(春の花シリーズ 23-01)
「セツブンソウ」(春の花シリーズ 23-02)
「ユキワリイチゲ」(春の花シリーズ 23-03)
「福寿草」(春の花シリーズ 23-04)
「ミチノクフクジュソウ」(春の花シリーズ 23-05)
「福寿海」(春の花シリーズ 23-06)
「ロウバイ」(春の花シリーズ 23-07)
「シナマンサク」(春の花シリーズ 23-08)
「八重寒紅」(春の花シリーズ 23-09)
「カラスノエンドウ」(春の花シリーズ 23-10)
「クモマグサ」(春の花シリーズ 23-11)
「スイセン」(春の花シリーズ 23-12)
「ペーパー ホワイト 」(春の花シリーズ 23-13)
「キズイセン」(春の花シリーズ 23-14)
「スイートアリッサム」(春の花シリーズ 23-15)
「ヒマラヤユキノシタ」(春の花シリーズ 23-16)
「クロッカス」(春の花シリーズ 23-17)
「ツルニチニチソウ」(春の花シリーズ 23-18)
「ムスカリ」(春の花シリーズ 23-19)
「キルタンサス」(春の花シリーズ 23-20)
「サクラソウ」(春の花シリーズ 23-21)
「ジャノメエリカ」(春の花シリーズ 23-22)
「芝桜」(春の花シリーズ 23-23)
「ネモフィラ」(春の花シリーズ 23-24)
「カレンデュラ」(春の花シリーズ 23-25)
「ヒアシンス」(春の花シリーズ 23-26)
「菜の花」(春の花シリーズ 23-27)
「バラ咲きジュリアン」(春の花シリーズ 23-28)
「沈丁花」(春の花シリーズ 23-29)

キュウリグサ(胡瓜草)
越年草
日本全土の道ばたや庭などに多い。高さ15〜30cm。下部の葉は長い柄があり、長さ1〜3cmの卵円形。上部の葉は無柄。茎の先にサソリ形花序をだし、直径約2mmの淡青紫色の花を次々に開く。花期は3〜5月。(野に咲く花)
学名は、Trigonotis peduncularis
ムラサキ科キュウリグサ属