野の花 庭の花

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白の大きな仏炎苞がカラーのようにみえる「オランダカイウ」(夏の花 21-014)

2021年06月15日 08時20分31秒 | 

白の大きな仏炎苞がワイシャツのカラーのようにみえる「オランダカイウ」。サトイモ科の花である。水芭蕉に似ているせいか、そのあたりに咲いていてもあまり違和感のない花だ。江戸時代に到来した花だけあって、俳句の世界でも海芋として読まれている。「溝に咲き海芋は垣の内ならず 富安風生」。

(2021年初夏 川崎市)

■夏の花シリーズ

「アカンサス」(夏の花 21-001)
「タチアオイ」(夏の花 21-002)
「コバンソウ」(夏の花 21-003)
「エノテラ ‘アフリカンサン’」(夏の花 21-004)
「ヒメコバンソウ」(夏の花 21-005)
「ムシトリナデシコ」(夏の花 21-006)
「ゼニアオイ」(夏の花 21-007)
「ナンテン」(夏の花 21-008)
「ハクチョウソウ」(夏の花 21-009)
「セイヨウノコギリソウ」(夏の花 21-010)
「ノアザミ」(夏の花 21-011)
「マトリカリア」(夏の花 21-012)
「ホタルブクロ」(夏の花 21-013)

「オランダカイウ」

オランダカイウ(カラー) [オランダ海芋]
花の色 白
開花時期 3月 、 4月 、 5月 、 6月 、 7月
花の特徴 花のように見える白い部分は、サトイモ科特有の「仏炎苞」という部分である。 漏斗状に巻いている。 真ん中にある直立した黄色い部分が、小花の密生する肉穂花序(花軸が多肉化して花が表面に密生したもの)である。 黄色や桃色のものもあるが、中には品種が異なって畑地性のものもある。
葉の特徴 葉は大形の矢尻形で、長い柄がある。 葉は肉厚で艶があり、少し巻いている。
実の特徴 花の後にできる実は液果(果皮が肉質で液汁が多い実)である。
この花について 別名をカラー(Calla)ともいう。 これは以前の分類の名残である。 また、単に「海芋」としても流通している。 「海芋」は「海外の芋」といった意味合いである。 国交のあったオランダから伝わったのが和名の由来である。 俳句では「海芋」が夏の季語である。 属名の Zantedeschia は17世紀イタリアの植物学者「ザンテデスキ(Zantedeschi)さん」の名からきている。 種小名の aethiopica は「エチオピアの」という意味である。 エチオピアでは国花とされている。生育地 庭植え、鉢植え 湿地
植物のタイプ 多年草
大きさ・高さ 30~70センチ
分布 原産地は南アフリカ 日本へは江戸時代に渡来 野生化も進んでいる
分類 サトイモ科 オランダカイウ属
学名 Zantedeschia aethiopica

 

海芋 の例句
いちにちの向うが見えて海芋かな 雨滴集 星野麥丘人
よべ折りしビラが二束海芋咲く 古沢太穂 捲かるる鴎
万緑の墨のごとしや海芋咲き 山口青邨
五六人海芋のやうな女流欲し 雨滴集 星野麥丘人
人古りて海芋の叢に足濡らす 飯島晴子
山裾の冬の泉に海芋咲く 角川源義
松風の青浄土かな海芋咲く 角川源義
海芋咲くとも病家族慰まぬ 佐藤鬼房
溝に咲き海芋は垣の内ならず 富安風生
溝浚へ終って白き海芋生く 百合山羽公 寒雁
燕やこぶし解くごと海芋咲く 角川源義
牛かひの歌びと家や海芋咲く 角川源義
賓館に海芋咲かせて待てりけり 松崎鉄之介



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