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赤い五弁の小さな花が集まって咲く「セイヨウノコギリソウ」(夏の花 21-010)

2021年06月11日 07時03分33秒 | 

赤い五弁の小さな花が集まって咲く「セイヨウノコギリソウ」。葉の形がノコギリを思わせることから名づけられた。根から出る分泌液が薬用になり、アキレウスが治療に使ったというのでアキリアという別名がある。ネアンデルタール人の墓から花粉がでるという有史以来の花である。

(2021年初夏 川崎市)

■夏の花シリーズ

「アカンサス」(夏の花 21-001)
「タチアオイ」(夏の花 21-002)
「コバンソウ」(夏の花 21-003)
「エノテラ ‘アフリカンサン’」(夏の花 21-004)
「ヒメコバンソウ」(夏の花 21-005)
「ムシトリナデシコ」(夏の花 21-006)
「ゼニアオイ」(夏の花 21-007)
「ナンテン」(夏の花 21-008)
「ハクチョウソウ」(夏の花 21-009)

「セイヨウノコギリソウ」

セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草、学名:Achillea millefolium L.)は、ヨーロッパ原産のキク科ノコギリソウ属に分類される多年草の1種。英名はヤロウ (yarrow) 。

特徴
ヨーロッパ原産。空地、道端、野原などに自生しているのが見かけられる。花期は7-9月頃で、灰色がかった白色、または薄ピンクの小さな花が固まって咲く。草丈は20cmから70cm程度。草は直立し木質のように硬い。葉は細かい羽状複葉で、ノコギリのように見える。そのためミルフォイル (millfoil)、サウザンド・ウィード(Thousand weed「たくさんのギザギザのある葉を持つ草」)の名前でも呼ばれることがある。株分けで容易に栽培でき、土質も選ばず根が広がるため、庭に生えると増えすぎて困るほどである。ヤローという英名は、アングロ・サクソン名"gearwe"、オランダ語"yerw"の訛りである。アメリカ、ニュージーランド、オーストラリアに帰化している。繁殖力が強く、本州と北海道の一部で野生化している。その生命力の強さは、堆肥用の生ゴミに一枚の葉を入れるだけで急速にゴミを分解していく。また、根から出る分泌液は、そばに生えている植物の病気を治し害虫から守る力があり、コンパニオンプランツのひとつといわれている。 紅色や深紅色の園芸品種があり、「アカバナセイヨウノコギリソウ」の名で流通している。また、同じ仲間で草丈1メートルに育ち、黄色の花をつけるイエローヤロウ(キバナノコギリソウ)、草丈20センチで黄色の花をつけるウーリーヤロウ(ヒメノコギリソウ)がある。

歴史
先史時代から薬草として知られていた。ネアンデルタール人の墓地のあるシャニダール洞窟からセイヨウノコギリソウの花粉が大量に発見されている。

「兵士の傷薬」という古い呼び名がある。属名であるアキレア(Achillea)は、古代ギリシャの英雄アキレスに由来し、アキレスがミュシア王テレフォスの傷を治すのに利用したという。

薬草学の父と呼ばれるペダニウス・ディオスコリデスも薬効を説いている。

イギリスではサクソン人が、5世紀頃から薬草として栽培していた。家で育てたものを乾燥させ、家族のために火傷や切り傷に効く軟膏を作っていた。古くはアイルランドのドルイドが、この草の茎を使って天候を占っていた。また、中世では、悪魔を遠ざける強い魔力があると信じられ、結婚式の花束に盛り込まれた。イギリスでは恋占いにも使われ、アメリカに渡った開拓者たちもこれを栽培し、外傷薬として用いた。19世紀には、乾燥させた葉をタバコの代用として用いていた。日本には1887年(明治20年)に渡来した。



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