野の花 庭の花

野の花や山の花は心を慰めてくれます。庭園に咲き誇る花は心をはなやかにしてくれます。

今はすっかり園芸品種のようになってきた「ホタルブクロ」(初夏の花 2022-15)

2022年06月16日 06時38分55秒 | 

今はすっかり園芸品種のようになってきた「ホタルブクロ」。子供の頃からなじみの野草だ。俳句の世界でも不思議な立ち位置でうたわれている。「ほたるぶくろ重たき光ひとつづつ 山田みづえ 木語」。

(2022年初夏 川崎市)

初夏の花シリーズ(2022年初夏)

「キンシバイ」(初夏の花 2022-01)
「どくだみ」(初夏の花 2022-02)
「アマリリス・アップルブロッサム」(初夏の花 2022-03)
「カラー・ピカソ」(初夏の花 2022-04)
「ペンステモン・ハスカーレッド」(初夏の花 2022-05)
「オルレア」(初夏の花 2022-06)
「 サルビア・ミクロフィラ・ホットリップス」(初夏の花 2022-07)
「アスチルベ」(初夏の花 2022-08)
「ゴデチア」(初夏の花 2022-09)
「ルリマツリ」(初夏の花 2022-10)
「アネモネ・ヴィルジニア」(初夏の花 2022-11)
「ハタザオキキョウ」(初夏の花 2022-12)
「サフィニア」(初夏の花 2022-13)
「エケベリア "七福神"」(初夏の花 2022-14)

 

 

「ホタルブクロ」

ホタルブクロの基本情報
学名:Campanula punctata var. punctata
和名:ホタルブクロ(蛍袋)  その他の名前:チョウチンバナ、トッカンバナ
科名 / 属名:キキョウ科 / ホタルブクロ属

特徴
ホタルブクロは、各地の平地から山地に広く分布する多年草です。日当たりのよい草原や、林縁などで多く見られます。初夏から夏の前半にかけて釣り鐘形の花を茎に多数咲かせます。細い地下茎を伸ばしてふえ、開花した株はタネと多数の子株を残して枯れます。子株は1~2年で親株になります。丈夫で、あまり手のかからない植物です。
朝鮮半島に分布し、似たような姿で毛が少なく光沢のある厚い葉と鋭い鋸歯(きょし)が特徴のカンパヌラ・タケシマナ(Campanula takesimana)や、紫色の花をつけ「紫ホタルブクロ」や「青花ホタルブクロ」の名で流通している‘サラストロ’(C. ‘Sarastro’)や‘ケント・ベル’(C. ‘Kent Belle’)も同様に扱えます。

基本データ
園芸分類 草花,山野草
形態 多年草 原産地 東北アジアと朝鮮半島、日本
草丈/樹高 30~80cm 開花期 5月下旬~7月
花色 白,紫,ピンク 栽培難易度(1~5) 
耐寒性 強い 耐暑性 普通
特性・用途 落葉性,耐寒性が強い,初心者でも育てやすい,日陰でも育つ,盆栽向き

 

蛍袋 の例句 

おさなくて螢袋のなかに栖む 野澤節子 鳳蝶
ぐづついていちにち蛍袋かな 古舘曹人 樹下石上
ちゝはゝの指をわづらふほたるぶくろ 飯島晴子
どどどどと蛍袋に蟻騒ぐぞ 金子兜太
ながあめの晴間ほたるぶくろは袋干す 山口青邨
ほたるぶくろは小さい小さいふぐりかな 金子兜太
ほたるぶくろ水の速さの充満す 草間時彦 櫻山
ほたるぶくろ重たき光ひとつづつ 山田みづえ 木語
もごもごと虻ゐるほたるぶくろかな 飯島晴子
わが門の螢袋を誰もいふ 野澤節子 八朶集以後
われの見し螢袋はなかりけり 平井照敏 猫町
マンホール蛍袋が置かれあり 加藤秋邨
一とむらの雨の雫の螢袋(横渓三渓園にて) 細見綾子
一路遠し螢袋は耳伏せて 中村草田男
四五本のほたるぶくろが村境 藤田湘子 てんてん
土砂降りのほたるぶくろや墳の土 古舘曹人 樹下石上
夏草やほたるぶくろの花浮かめ 山口青邨
夏薊ほたるぶくろと山の蝶 水原秋櫻子 磐梯
大き蜂螢袋を出兼ねたり 阿波野青畝
妻植ゑてありしよ螢袋咲く 右城暮石 句集外 昭和五十三年
宵月を蛍袋の花で指す 中村草田男
山の湖へほたるぶくろの露ぐむ径 古沢太穂 古沢太穂句集
山墓や螢袋の戻り径 星野麥丘人
山筋の鳥怖れあふほたるぶくろ 飯島晴子
彦山がらがら鳴らすに螢袋咲く 岡井省二 前後
日の暮るる螢袋も魚屋道 森澄雄
清水湧く螢袋をもて汲まん 山口青邨
瀧の音釣鐘草に遠ざかる 橋閒石 雪
熱き手が蛍袋を萎れさす 能村登四郎
父の日のほたるぶくろが咲きにけり 安住敦
眠くならぬこのごろ螢袋かな 岡井省二 鹿野
聞いてはゐるほたるぶくろをへこませて 飯島晴子
蛍袋はよべのすだまの忘れもの 佐藤鬼房
蛍袋は愁ひの花か上向かず 鈴木真砂女 居待月
蛍袋仰向けにして埓もなし 能村登四郎
蛍袋何に触れむと指入れし 能村登四郎
螢袋うなだれ咲きの雨を呼ぶ 能村登四郎
螢袋に山野の雨の匂ひかな 細見綾子
螢袋に指入れて人悼みけり 能村登四郎
螢袋のなかの明るさほどの知慧 飯島晴子
螢袋の中のおふくろぼたるかな 平井照敏 猫町
螢袋の咲いてゐる姉朝の墓 平井照敏 猫町
螢袋を分けて精霊螢とぶ 平井照敏 猫町
螢袋下山とあれば声弾む 角川源義
螢袋十薬畳拭きて咲く 山口青邨
蟻のより釣鐘草のうつぶせに 加舎白雄
貧しさはほたるぶくろの白さほど 岡本眸
躁鬱のほたるぶくろをいちめんに 飯島晴子
邂逅は山路の蛍袋より 稲畑汀子
釣鐘草まつしろの鐘雨に揺れ 福田蓼汀 山火
釣鐘草後に付たる名なるべし 越人
釣鐘草降りぬかれたるさまにかな 清崎敏郎
雨落ちんとす釣鐘草はうなだれたり 種田山頭火 自画像 層雲集
風吹くや釣鐘動く花の形 正岡子規 釣鐘草



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