箱根湿性花園の池のほとりに咲いていたサギソウ。名前通りに、鳥が羽ばたいた形の花で、色が白いので、シラサギを連想したことはよく分かる。いかにも日本の昔話にでてきそうな花だが、意外にもラン科の植物で、多くの種が熱帯性らしい。
(2019-09 神奈川県 箱根町)
サギソウ
サギソウは、日本各地の日当たりのよい低地の湿地に生える球根性のランです。親株から走出枝(そうしゅつし、ランナー)を伸ばして、その先端に翌年の球根をつくります。3~5枚の細長い葉を根元近くにつけ、中心からまっすぐに茎を伸ばして、先端に1~5輪の花を咲かせます。花は純白で唇弁(しんべん)の先端が3つに割れ、その左右の裂片には多数の深い切れ込みがあって、その形は白鷺を思わせます。冬は球根だけになって冬越しします。
ダイサギソウ(Habenaria dentata)は湿った草地に生える近縁種で、千葉県以西の太平洋側に分布します。草丈は40~100cmになり、3cmほどの花を10数輪咲かせます。形はサギソウに似ていますが唇弁の切れ込みは浅いので、まったく雰囲気は違います。サギソウと違って寒さに弱く、冬は室内に取り込んで10℃を保つ必要があります。また球根ではあまりふえず、タネでふやさないと株を維持できないので栽培が難しい種です。
このほかのサギソウの仲間も美しい種が多いのですが、同じ理由で長期間の維持すら困難です。また美麗な種の多くは熱帯性で、冬越し温度が15~20℃以上必要です。
基本データ
園芸分類 ラン,球根,山野草
形態 多年草 原産地 日本
草丈/樹高 20~40cm 開花期 7月~9月
花色 白
耐寒性 普通 耐暑性 強い
特性・用途 落葉性,盆栽向き,初心者でも育てやすい
ペンステモン・スモーリーはシソ科のような花をつけるが、珍しくオオバコ科の花である。花弁の外側の紫色と内側の白の対比はカラミンサとも共通するものだ。秋には葉が紅葉するという。庭に植えておくと長く楽しめるが、丈が少し大きくなりすぎるところが難か。
(2019-10 東京都 神代植物公園)
■ ゴマノハグサ科(オオバコ科) 宿根草(耐寒性多年草)
■ 学 名 : Penstemon smallii
■ 別 名 : ペンステモン パープルライラック など
■ 花 期 : 初夏
■ 草 丈 : 60cm前後(生育後の高さで花丈も含む)
■ 耐寒性 : 強
■ 耐暑性 : 強
■ 日 照 : 日向~やや半日陰
■ 原産地 : 北アメリカ(原種の主な自生地)
■ お届けの規格 9~10.5cmポット苗
花の外側がパープルライラック、内側が白のツートンカラー 花立ちよく真っ直ぐ伸びる花茎をたくさん立ち上げ、花期はとても見事
特に丈夫なペンステモンです。大きく育つと無数の花を立ち上げ群生しますので、花壇の背景にもおすすめです。小さめのやさしい色の花がたくさん咲くタイプで、他草花とよく調和し混植もきれいです。
常緑で葉は冬に紅葉しブロンズに変化し初夏頃に緑色に変わります。
開花させる為に早め(初夏頃)にタネを蒔いて、夏越しさせています。ほとんどの株は開花見込みです。