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「本当に美しい日本人の姿」を被災者に重ねるなと(略

2011-06-21 20:33:53 | おかしな人たち
巷で噂の自称元皇族の竹田 恒泰氏が、陳妙不可思議にして奇怪な日本人論をぶち上げていた。
・30万部を超えた大ベストセラー作家! 旧皇族 竹田 恒泰氏が語る 今だから伝えたい日本の価値の高め方(2011年6月20日 DIAMIND Online)

DIAMOND Online の記事って時点でネタ満載の予感がする上の記事。
しかし、上の記事ではそんな予感が色んな意味で的中していた。


冒頭、竹田氏は、今年リリースした『日本は世界でなぜ一番人気があるのか』に絡めて、妄想全開で独特の(多分追随できるのは幸福の科学くらい)日本人論をかましていた。
以下、2011年6月20日分 DIAMIND Online 『30万部を超えた~』から、序盤の一部を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
竹田 日本人は自分の事を良く言うことを恥ずかしがる。「僕はこんなにすごい」となかなか言えなかったり、何かプレゼントをする時も「つまらないものですが…」と言ったりするように、日本人が日本の事を絶賛する事ってあまりないですよね。
本屋に行けば日本の悪い点ばかりが強調されていますし、ここはあえて自画自賛しちゃえと、この本を書いたわけです。

小林 なるほど、確かにその通りですね。

竹田 自分の国が好きなのは世界の常識だと思うんですよ。
アメリカ人はアメリカを愛していますし、韓国人は韓国を愛しています。
BBCの世論調査でも統計的に出ていますが、ほとんどの国民が自国を愛している。
ところが日本だけは、たった4割程度の人しか自国の事を良く思っていないといいます。
他国と比べると異常な低さです。

 日本人の「ものづくり」にしても、「国民性」にしても、「美しい自然」にしても、特筆すべきものがあるにもかかわらず、日本人が自信を持てないのは不自然ですよね。
何故、日本人が自信を持てないのかを考えた時に突き当たったのが、戦後の自虐心から日本人が未だ抜け出せていない点だったのです。

 占領政策の下、二度と日本人が欧米に危害を与えないよう、財閥解体などにより力を分散させ、日本人の民族としての誇り、精神までも骨抜きにしてしまった。誇りをなくしてしまうと、経済的には繁栄しても、いざ戦争になると戦う力が出て来ない。これが、アメリカのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラムと言われる手法です。
日本が戦争を始めた事がいけない、またその歴史をはじめ、日本人の発想や価値観そのものが悪であり、日本人は酷い事をしたと潜在意識に植え付ける事で「自国を愛せない」「自信を持てない」日本人を造ってしまったと思うんです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(War Guild Information Program)については論外として・・・。

竹田氏の言い草ってのは、(悪いことに)今年3月に BBC と Globescan が公表した世論調査こと『世界各国好感度ランキング(正式名称 BBC/GlobeScan Country Influence Poll)』について、俺が記した「今回の調査結果を使って、「日本は世界各国から好かれてる」なんて喧伝する人が出てくる悪寒」という懸念をそのまま体現してるのよね。
2011年版 BBC と Globescan の世論調査に関する俺の感想は以下参照(手抜き)
・日本の実態を知らないが故?(Mar 6, 2011)(2011年3月7日 flagburner's blog(仮))

竹田氏が、この調査において、4割程度の人しか自国の事を良く思ってないことを「他国と比べると異常な低さです」と述べてるが、むしろどうとも言えないと答えた人達の割合が多いという結果にこそ注目するべきだったのでは?
もっとも、2011年版 BBC と Globescan の調査で、日本の回答者は各国の好き嫌いをはっきりさせない傾向が強かったけど・・・。


しかし、竹田氏の奇妙な日本人論はまだ続いていた。
上の引用文に続き、竹田氏は「日本の成り立ちを語れない日本人が(略)」と述べていた。
日本の成り立ちを語るとなれば、血の歴史が付きまとうのは必至なのだが・・・。

その上で、竹田氏は、今年3月の震災に絡んで見えてきた(どこが)日本の「良い面」を見ることによって、今後の日本人(・・・)のあり方を考える必要がある、と述べていた。
以下、DIAMIND Online 『30万部を超えた~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
3.11の震災後、東北の被災者の振る舞いが世界のメディアでも注目されましたよね。
あれだけ厳しい状況下で、とても冷静に礼節を守りながら助け合い、自分たちの力で立ち上がろうとする姿、まさに「本当に美しい日本人の姿」を見た訳です。
普通だったら暴動が起こりうる危機的な状況下、きちんと配給に並んでいる日本人の姿を見て、世界中の人達が驚きました。
日本人にとっては当たり前の事を、アメリカやヨーロッパのメディアが絶賛した事で、我々自身、日本人の特徴・気質は国際社会から賞賛されるものであることを悟り、ひとつ自信を持てましたよね。

協力し合いながら「感謝の連鎖」で仕事が出来ていくほうが、日本人本来の「あるべき姿」なんだと気付かせてくれた。
欧米のように、どんどん優秀な人を採って、使えない人はどんどん切り捨て、効率だけを追求する社会は、非常にギスギスしていますよね。
日本の社会は、出来る人は出来る人で好きなことをやればいいし、そうじゃない人はそうじゃなく、愛情に包まれて「やさしい社会」を作っていけば良いのですから。

 その点、震災前の日本人は何かが狂い始めていたと思うんですよ。
自分の事しか考えない、お金至上主義が横行して、一見日本人でも、心は日本人離れしてしまった、非常に利己的な社会に見えた訳ですけども
、この震災をきっかけに、はたと立ち返った気がしました。
(以下略)
---- 引用以上 ----

は?
「本当に美しい日本人の姿」?
そんなもん本当にあるのか?
実際の日本人なんて、「欧米のように、どんどん優秀な人を採って、使えない人はどんどん切り捨て、効率だけを追求する」のが関の山かもしれないのに・・・。

だいたい、竹田氏は「本当に美しい日本人の姿」を今年3月の震災前に観たことがあんのか?
仮にそうだとしたら、竹田氏は自らその手本を示すべきだったのではないだろうか?
まぁ、皇位継承に絡んで数々の妄言をかましていた竹田氏のことだから、「本当に美しい日本人の姿」なんて観てないんだろうが・・・。

というか、竹田氏の発言で問題なのは、震災の被災者に(おそらく自分の理想である)「本当に美しい日本人の姿」を重ね合わせたこと。
少なくても、被災者の方々は竹田氏のようなことを望んでないんじゃ?
とんだ迷惑だろうに・・・。


なお、この後、竹田氏は、自身の商売構想話を繰り広げていた。
構想は構想のままで終わった方がいい、というのが正直な感想。

つーか、竹田氏の日本人論は昔からこんな調子だったわけで・・・。
それこそ、『まるで成長していな(略』

まるで成長していない・・・


それにしても。
なんで『日本はなぜ世界で一番人気があるのか』が30万部以上も売れたんだろうか?
竹田氏の主張に共感する人は案外多いってことか・・・?


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