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親学推進議員連盟 の方々は 大阪維新の会の失敗を知らなかったのか?

2012-06-12 20:42:48 | おかしな人たち
先月のことになるが、大阪府と大阪市で猛威を奮っている政党こと 大阪維新の会大阪市議団が、「家庭教育支援条例」という条例案を作成していた。
その中には、「日本における伝統的子育てによって発達障害は予防、防止できる」なんて文言が盛り込まれていた。
結局、この条例案はナシになったけど・・・。
この辺は以下参照(手抜き)
・大阪市「育て方が悪いから発達障害になる」条例案について(2012年5月2日 lessorの日記)
・大阪維新の会:家庭教育支援条例案を白紙撤回 抗議受け(2012年5月7日 毎日jp)

だが、この騒動から数週間たった先月26日、超党派の議員からなる「親学推進議員連盟」という集団が 大阪維新の会がぶち上げた条例案の宣伝まがいの勉強会を行っていた模様。
・親学議連:「発達障害、予防は可能」…抗議殺到し陳謝(2012年6月12日 毎日jp)

色んな意味で呆れるしかないこの話。
以下、2012年6月12日分 毎日jp『親学議連:「発達障害、予防は可能」~』から前半部分を(略

---- 以下引用 ----
超党派の国会議員でつくる「親学推進議員連盟」が5月末「発達障害を予防する伝統的子育て」をテーマに勉強会を開いたことが分かった。
配布資料には発達障害児の育児環境を「(子どもへの)声かけが少ない」とした表や「発達障害児は笑わない」「予防は可能」などの記述もあった。
発達障害は子育ての問題だと受け取られかねない内容に、関係者の抗議が殺到、議連側は最終的に陳謝した。

◇勉強会内容をブログで報告

 発達障害を巡っては、大阪市の「大阪維新の会」市議団が5月に市議会への提案を目指した家庭教育支援条例案に「伝統的子育てで発達障害は予防できる」などの文言が盛り込まれ、批判を受け白紙撤回したばかり。
政治の理解不足が改めて浮き彫りになった。

 親学推進議連は4月、民主、自民など衆参両院の81議員で発足した。
安倍 晋三元首相(自民)を会長、鳩山 由紀夫元首相(民主)を顧問とし、町村 信孝元文部科学相(自民)らいわゆる「文教族」議員が多く名を連ねる。

 勉強会は5月25日、衆院第2議員会館で開かれ、出席者によると、民間団体「さいたま市教育相談センター」の金子 保所長と高橋 史朗・明星大教授が資料をもとに講演した。
(以下略)
---- 引用以上 ----

金子所長と高橋教授は色んな意味で悪名高い人達らしいが・・・(後述)。

先月26日における勉強会について、議連に名を連ねる議員である 下村 博文氏は自身の blog で自信たっぷりに内容を書き連ねていた。
・発達障害を予防する伝統的子育てとは(2012年5月26日 hakubun.jp)

正直読んでて頭が痛くなった上の記事。
以下、2012年5月26日分 hakubun.jp『発達障害を予防する~』を全文(略
読む前に、ショッピングサイトの買い物かごの中身確認を忘れないように!(謎)

---- 以下引用 ----
第4回親学推進議連があり、さいたま市教育相談センター所長の金子 保先生より「発達障害を予防する伝統的子育て」というテーマでお話があった。

 伝統的子育てとは、育児について「言葉掛け」や「あやし」をすることだと言う。
昔は、乳幼児に対しなにをするにしても言葉掛けをしたり、目が合うだけで「あやし」たりしていたが、例えば70歳以上の人99%は赤ちゃんを見ると反射的にあやすが、若い人は殆どあやさないという。

 発達障害とは、感情交流や共感性が未発達で、こだわりが強く特異興味を持つなどの特徴があり、*自閉症様であることを指す。
現在通常学級でも10%~15%ぐらいいるそうで、大人でも総合判断力が無く、他人の目で自分が見られない人は該当する。(*じへいしょうよう)

 発達障害は治せるものと治せないものがあるそうだが、2歳児までなら治療効果が高いという。
そもそも発達障害にならないためには、赤ちゃんの時からテレビを見せ続けないことや、これまでの伝統的育児をすることだが、今の若い親はそういう方法を知らないし教えられていない。

 つまり、育児の方法が悪いのではなく、全く知らず教える人も本もない状態であり、幼児虐待にも関係しているという。

 昔は大家族であり、親だけでなく祖父母や兄弟や近所の人たちが乳幼児を見守っていたが、現在は孤立化した子育てで何も知らない母親が一人で苦しんでいる状況でもある。

 発達障害も現代の核家族やテレビ・携帯電話の発達の弊害による現象とも言える。
少しでも防ぐための情報を提供するシステムを構築したい。
---- 引用以上 ----

そもそも、伝統的育児で発達障害を防げる根拠がどこにあるのかと(略

・・・上の記事に対し、結構な数の批判コメントが寄せられたのは当然の流れだった。
これに対し、下村氏の返答は色んな意味で想像を超える代物だった。
・5月26日「発達障害を予防する伝統的子育てとは」のブログの​コメントに対して(2012年6月2日 hakubun.jp)

以下、2012年6月2日分 hakubun.jp『5月26日「発達障害を予防する伝統的子育てとは」~』から後半部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
発達障害の親の苦労がわかっているのかというご批判もあったが、私自身が発達障害の親であり、親の苦労は分かっているつもりだ。
息子はディスレクシア[学習障害:Dyslexia]であり、親としての心情は私の著書「下村 博文の教育立国論」に書いている。
私が教育をライフワークにしているのは、すべての子供たちが社会で幸せな人生を送るために、今の日本の教育を変えなければならないと思ったからだ。

金子氏の意見のみを断定して支持したつもりではないが、いろいろな方の貴重な意見は意見として、参考にすべきところもあると思い、それをブログに書いたが、そのことによって多くの方々に不愉快な思いにさせてしまい、また誤ったメッセージになってしまったことは事実であり、深くお詫び申し上げたい。
今後この問題は私自身の問題として一層取り組んで参り、発達障害児の父母の方々と共に行動していきたい。
---- 引用以上 ----

下村氏の家庭事情はともかく。
例の記事(2012年5月26日分)を平気で書くってのは、金子所長の見解について何の疑問を示してないと受け取られても仕方がないんじゃ?
というより、下村氏は自分の息子すら自説(親学推進)を補強するために使ってる節すらあるけど・・・。
一体何を考えてるんだ?


なお、高橋教授は、大阪維新の会が出した問題の条例案について、今月2日の 3K新聞で どうしようもない擁護を行っていた。
・明星大教授・高橋 史朗 家庭教育支援条例の混乱を正す(2012年6月2日 MSN産経ニュース)

上の論説で、高橋教授は日本発達障害福祉連盟が出した『発達障害白書2012年度版』も持ち出して、必死に問題の条例案を擁護していた。
それでも、最後に述べた理由は正直不可解なブツだった。
以下、2012年6月2日分 MSN産経ニュース『~家庭教育支援条例の混乱を正す』から最後のオチを(略

---- 以下引用 ----
(中略)
第3点は、子供は発達段階に応じて親から保護される権利があり、教育基本法第10条は、「父母その他の保護者は……心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする」と明記している。
そもそも家庭教育支援条例はこの教育基本法の趣旨を具体化するためのものであり、子供の「発達を保障」し、「親育ち」を支援するためのものであることを見落としてはならない。

何よりも大切なのは親の「心のゆとり」であり、そのための総合的な環境整備が必要なことは言うまでもない。
先天的な器質障害は「完治」できないが、社会に適応できる程度に症状を「改善」できる可能性はあるので、「発達凸凹」の早期発見、親支援、家族支援のシステムと人材育成を全国に広げる必要がある。
---- 引用以上 ----

そもそも、問題の条例案ってのは「育て方に問題があるから発達障害になり」「育て方を改善すれば発達障害は生じなくなる」云々って述べてるようなモンだが。
それを教育基本法の理念云々にすり替えるのは、およそ教育者のやることぢゃね~よ(呆)。


それにしても。
なんで「親学推進議員連盟」の方々は、大阪維新の会と同じ失敗を繰り返したんだろうか?


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