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不可解な「自己肯定感」

2007-08-04 21:10:04 | おかしな人たち
自称法学者の八木秀次氏が座長となっている日本教育再生機構が一発かましてくれたわ。
↓は、機構の近況とかを伝えるブログらしい。
・教科書改善の会が発足(2007年8月1日 教科書改善の会)

この日の記事には、設立趣意書が(多分)全文掲載されている。
一応、俺なりに突っ込んでみるか。
まずは、第2段落の一部。

>(中略)これまでにも幾たびか教科書改善の道は模索されてきました。
>しかしながら、「旧教育基本法」が厚い壁となってそれを阻んできました。
>「旧教育基本法」は、自国への「愛」や「道徳心」を育み、「公共の精神」を重んじ、先人が培ってきた尊い「伝統」を受け継ぐという、どの時代、どの国であっても、およそ公教育には不可欠な理念が欠落しているものでした。
>その結果、「旧教育基本法」のもとでの教科書改善は、執筆にせよ、採択にせよ、どうしても限界をともなうものでした。 (以下略)

どの時代、どの国でも~というくだりは、機構の教育に関する歴史認識が割と適当であることを示してると言える。
そもそも、どの時代どの国でも~という仮定は、一元的な歴史認識(西洋の近代的観点?)の上に成り立ってるのではないかと。
つまり、どの時代、どの国でも、教育に不可欠な理念が含まれていたとでも言いたいのか?
俺にはにわかに信じがたい。

続いて、第3段落の最後の部分を引用。

>(中略)今、日本の子供たちにもっとも必要なのはこの自国への素直な愛と希望の光であり、そこから自然に生まれる「自己肯定感」です。
>子供たちに身につけて欲しい「生きる力」や「思いやりの心」、そして「国際理解」も、自国への素直な「愛と誇り」と「自己肯定感」から生まれるのではないでしょうか。

「自己肯定感」というのは、そんなに素晴らしいものか?
そもそも、「自己肯定感」って何よ?
つーか、「自国への愛と希望の光」から「自己肯定感」が自然に生まれてくるのか?
役員連中が本気でこう思っているのなら、精神科での診療を勧めるわ。

最後に引用するのは、最終段落の一部。

>(中略)「改正教育基本法」が求めているのは、最新の学問的研究成果にもとづき、現場の先生方の豊かな経験を生かした、子供たちの目が輝き出す教科書です。
>清らかで明るく、正しく直く、平易にして品格のある教科書を子供たちは待っているのです。
>そんな教科書が誕生し、多くの子供たちに読まれるために、私達はできる限りの活動を行って参ります。

清らかで明るく~の件なんか、目に飛び込んだ瞬間視界が真っ暗になってしまうくらいの迷文だ。
清らかで明るく?正しく直く?平易にして品格のある教科書?
自己肯定感もここまでくれば、見事である。


そんなに自分達の仕事ぶりに対し「自己肯定感」があるのなら、教科書改善の会にやって欲しいことがある。
それは、会が作った教科書の外国語による翻訳版を各国で出版することだ。
さぞかし、全世界で賞賛の嵐を受けるであろう。


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