flagburner's blog(仮)

マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

首相補佐官の発言が「個人の見解」で済むわけないのに(危険)(Feb 19, 2014)

2014-02-19 21:28:20 | おかしな人たち
去年12月のことになるが、安倍 晋三(Shinzo ABE)日本国首相が靖国神社を参拝した。
これに対し、米国政府が「失望した」と述べた。

で、昨日になって、衛藤 晟一(Sei-ichi ETOH)首相補佐官(Special Advisor to the Prime Minister of Japan)が YouTube 上で米国政府を批判する動画を投稿していた。
・衛藤首相補佐官:動画サイトで米国批判 靖国問題で(2014年2月19日 mainichi.jp)

なんで自ら話を蒸し返すのか理解に苦しむこの話。
以下、2014年2月19日分 mainichi.jp『動画サイトで~』を全文(略

---- 以下引用 ----
衛藤 晟一首相補佐官が動画サイト「ユーチューブ」に投稿した国政報告で、昨年12月26日の安倍 晋三首相の靖国神社参拝に「失望」声明を発表した米政府を批判していることが18日、分かった。
衛藤氏は、米側には事前に説明していたとして「むしろ我々の方が『失望』だ。米国はちゃんと中国にものが言えないようになっている。中国に対する言い訳として(失望と)言ったに過ぎない」と指摘した。

 衛藤氏は投稿で、自身が昨年11月20日に訪米し、国務省のラッセル次官補やアーミテージ元国務副長官らと会談した際、「首相はいずれ参拝する。ぜひ理解をお願いしたい」と伝えたことを紹介。
12月初旬には在日米大使館にも出向いて「(参拝時には)できれば賛意を表明してほしいが、無理なら反対はしないでほしい」と要請したことを明らかにした。
いずれも米側からは慎重な対応を求められたという。

 そのうえで、中国による東シナ海上空の防空識別圏設定を挙げ、「(日本が)いくら抑制的に努力しても、中国の膨張政策はやむことはない。ぎりぎりの中での首相の決断があった」と強調。
「同盟関係の日本をなぜこんなに大事にしないのか」と米政府への不満を語った。

 衛藤氏は安倍政権発足以来、首相に参拝を促してきた。
【村尾 哲】
---- 引用以上 ----

米国が中国との関係を重視してる、と勝手に嫉妬してるだけじゃね~か(毒)。
しかも、衛藤首相補佐官の言い分だと、「安倍首相の意図を理解しなかった米国が悪い」ってことになるわけで・・・。
どこかの。

結局、衛藤首相補佐官は菅 義偉(Yoshihide SUGA)官房長官から注意を受けて問題の動画を削除した。
そして、菅 官房長官はこの件について妙なコメントを述べていた。
・衛藤補佐官の動画「政府見解ではない」(2014年2月19日 nhk.or.jp)

参考までに、2014年2月19日分 nhk.or.jp『衛藤補佐官の~』を全文(略

---- 以下引用 ----
菅官房長官は午前の記者会見で、安倍総理大臣の靖国神社参拝にアメリカ政府が「失望した」とする声明を発表したことに対し、衛藤総理大臣補佐官が「私たちのほうが失望した」などとする動画を公開したことについて、日本政府の見解ではないと強調しました。

衛藤総理大臣補佐官は、去年12月の安倍総理大臣の靖国神社参拝にアメリカ政府が「失望した」とする声明を発表したことに対し、「むしろ私たちのほうが失望した。同盟関係にある日本をなぜ大事にしないのか。アメリカがきちんと中国にものを言えないようになりつつある」などとする動画を自身のホームページで公開しました。
これについて菅官房長官は午前の記者会見で、「衛藤総理大臣補佐官の発言は、あくまで個人的な見解であって、日本政府の見解ではないことを明言したい。安倍総理大臣の靖国神社参拝の趣旨を、諸外国に対して、謙虚に礼儀正しく、誠意を持って説明し、理解を求めていく」と述べました。
そのうえで菅官房長官は、衛藤総理大臣補佐官に発言の趣旨をただす考えを示しました。
---- 引用以上 ----

衛藤首相補佐官の発言こそ、安倍首相の靖国神社参拝に関する日本政府の見解に近いんじゃね?
無論、日本政府はそれを認めるわけないけど・・・。


この一件に限らず、この所各方面で強硬姿勢を貫く日本政府の態度に関して、Bloomberg が意味深な論説を書いていた。
・A Rebuke to Japanese Nationalism(2014年2月17日 bloomberg.com)
・日本のナショナリスト的愚行、米国は強い語調で叱責を-社説(2014年2月19日 bloomberg.co.jp)

以下、2014年2月19日 bloomberg.co.jp『日本のナショナリスト的愚行~』から終盤部分を(略
ただし、英語版からも対応部分を(略

---- 以下引用 ----
[以下、英語版]
(中略)
Abe is not necessarily wrong to want to make Japan a more muscular nation -- to rejuvenate its economy, open up its society and normalize its self-defense forces.
A more robust Japanese military could play a bigger role in promoting global and regional stability -- whether through anti-piracy patrols or peacekeeping missions -- and come to the defense of its allies. Inflaming Chinese and Korean sensitivities helps achieve none of those goals.

All it does is raise the likelihood of conflict in the region.
That Abe's recent actions and comments may be less dangerous than China’s adventurism is beside the point.
He’s eroding the international goodwill that Japan has built up over decades as a responsible democracy -- all for no good reason.
If he can’t see that for himself, perhaps the U.S. -- and his own citizens -- can help him.

[以下、日本語版]
(中略)
経済を再生させて開かれた社会にし、自衛隊を通常の軍隊にして日本をもっと強い国にしようという安倍首相の方向は、必ずしも間違ってはいない。
軍事力を持った日本は、海賊行為防止のパトロールや平和維持活動、同盟国の防衛を通して世界と地域の安定にもっと貢献できるだろう。
中国と韓国の神経を逆なですることは、これらの目的を達成しようとする足を引っ張る。

それは域内で紛争が起きる可能性を高めるだけだ。
安倍首相の行動や発言が中国の冒険主義ほどは危険でないというのは、ここでの論点ではない。
日本が何十年もかけて築いてきた責任ある民主国家として受ける国際社会からの善意を、安倍首相は理由もなく損ないつつある。
首相が自分でそれに気づかないのなら、米国そして日本国民が分からせてあげられるだろう。
---- 引用以上 ----

安倍首相やその取り巻きは、「世界が日本の言うことを受け入れるのは当然」と思ってる気がしないでもないが・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。