本気で自分の限界を知った(ずどーん)
図書室から持ってきた伊坂幸太郎さんの重力ピエロ。
ミステリらしいんですが、凄いの一言に尽きますね。
それこそ、「『賞賛に値する』」というか。
…というよりも、凄すぎて私には理解できない…!
まあ、春が落ちて来たんだな、ってことぐらいしか。
最初に性的な事について言いたいだけだ、とか
泉水が言ってましたが、まさにその通りでしかなくて。
…語弊があるかもしれませんが、官能表現は無いです。
ただ性的犯罪に対する嫌悪を持つ人間のお話でした。
…いや、ほんと…この凄さは読んだ人にしか解らない。
ということでオススメします。ちなみに重力ピエロを
もっと楽しむために、オーデュボンの祈りも勧めます。
あらすじでも良いので知っておくと凄く楽しいですよ!
だんだんと解けていきながら、解けると次の問題が出る。
尽きることのない疑問が最後まで読ませてくれましたね。
あとは小ネタにも抜かりが無く、ちょっとした笑いも有。
キャラクターの人間性も魅力的で、どこもかしこも素敵。
これは、他の物語でも同じみたいですね。死神の精度の
千葉みたいな人が、かなり魅力的に映ってきます。
…自分には真似できない所業だと思いました。
ミステリは専門外ってのもあるかもですが、たぶん
その他の問題も山積み。ていうか、ここまで物語を
煮詰めること自体が私には全く出来ない。
どれだけ頑張っても足元にすら及びません、これは。
あ、でも、最初と最後を同じ文で終わらせる、という
方法は私も使う手法でした。「これで終わり」と言外に
仄めかすんですよね、…あくまで私はなんですが。
あとは自分への区切り。詩的な雰囲気も生まれるので好きです。
ただこんなに長い話でやるのは結構勇気が要るのではないかと。
だって最初の文を忘れるような人が読んだら台無しですし、ね!
…まあ、そういう人はたぶん本が好きではないと思うんですが。
小説家は諦めて、大人しく臨床心理士になります。
ナマ言ってごめんなさいでした。伊坂さん、有難う。