せかいのうらがわ

君と巡り合えた事を人はキセキと呼ぶのだろう
それでも僕らのこの恋は「運命」と呼ばせてくれよ

我が名はタナトス

2007-10-12 23:44:35 | その他
かつかつと、まるで背中を押されているような速さで床を踏む。ローファーの底に仕込まれた鉄が床を傷つけないよう、細心の注意を払いながら、それでも早足に歩いていく。けれど決して、走りはしない。
自分は一度死んだのに、と考えつつ、扉を叩いた。

「入ります」
「・・・」

無言、それでもいつものことだ、と思い、特に気にする風もなく扉を開けた。その直後、頬を掠ってナイフが壁に刺さる。それを緩く受け流しつつ、にこり、と笑う。

「パウア・ディ・モーテ。テメェ、"向こう側"に居たそうだな」
「前から申し上げている通り、"私は見方じゃない。けれど敵ではない。貴方のものでは、決してない"と…何度言えば伝わりますでしょうか、ローレライ」

彼女の名前は記憶の彼方、どこかに捨ててきてしまった。それは彼なりの皮肉であり、そして彼女の真実でもあるのだ。けれどそこに存在する彼女は、虚実。存在こそが真実を紛らわす擦りガラスのようなものだ。
あからさまに顔を歪めて、彼女の言う"ローレライ"は口を開く。

「ふざけるな」
「いいえ。私を"死の恐怖"とお呼びになるのですから」
「・・・、」

舌打ちをして、結局ローレライが降りた。彼女くらいだろう、ローレライを言いくるめられるのは。
そもそも、彼女はローレライが居るからこそ存在しているのであり。彼女が居るからこそ、"ローレライ"でありうるのだ。けれど彼女は、"決して貴方のものではない"という。

「私はこれから"向こう側"に参ります。そのご報告に参りました」
「訳は」
「訳?・・訳などございません」

半ば嘲笑うようにして、パウアは呟く。

「"全ては運命(さだめ)の思惑通り"、全ては私の気まぐれ」


―――
(我が名はタナトス)(絶望に打ちひしがれよ)

「全ては運命の~」っていうのは、昔作った歌詞です。
「全ては運命の思惑通り」「人は運命の遊び道具」
「全ては運命の思惑通り」「人は舞台の出演者」
っていう。・・・暗!(殴

ちなみにこの話で言うところのパウア。
紅です。(どーん)
死の恐怖は・・.hack//のハセヲですな。ふは(何
ローレライにとってパウアの死は恐ろしいのです。
だから生き返らせた。皮肉にも死の恐怖と名付けて。
紅も一度死んでるんですよ( 爆 弾 発 言 !

ローレライ?・・・グッb(笑顔)(何!
まあ、口調でわかると思いますが。