2,3センチぐらいグイっと刺す鍼って、血液循環の改善とか、刺した所の鎮痛作用の有効性はチャント確認されてはいるけど、その効果はとっても局所的。
抹消の血流が改善されるので当然のごとく全身の血流もよくなるわけだけど、元々その部位のみの治療を想定しているので、深く刺す鍼に全身治療の意味は皆無です。
なんだか深く刺した方が効果がありそうだけど、なぜ浅く刺した方が全身に効くのか。
例えば皮膚に炎症が起きると眠くなるって経験ありますよね(これ、私の周りだけかな^^;)。
日焼けの後とかに眠くなる。
不眠症の方でさえも「日焼けした後よく眠れた」ってことよくあります。
実は皮膚がダメージを受けると、細胞間の情報伝達においてとても重要な役割を担う分子である「サイトカイン」なる物質が多く生まれます。
このサイトカインは情動に影響するよ!ってな論文があるほどです。
だからこの分子にの発動が情動に作用し、結果不眠症に効果があった…という感じになるわけです。
話が浅い鍼から逸れちゃってますね^^;
つまりは皮膚が変化すればなんらかの物質が生まれて、その中には情動に作用するものもあるっていうこと。
あっ…サイトカインで思い出しました。
今度妊婦さんの治療のところで書こうと思っていた愛情ホルモン「オキシトシン」。
このオキシトシンは出産時に陣痛を起こすとか、乳汁を出しやすくするもの。
※このオキシトシン、気をつけてもらいたいのが妊娠中期20~23週の頃の妊婦さん。
産後を母乳でがんばりたいということで胸の手入れを始めたい時期ではありますが、乳首をさわると子宮を収縮させるオキシトシンが出るので流産の可能性も高くなるとのことです。
「触れ合う」事を勉強するときに真っ先に出てくるホルモンなので覚えておくといいですよ。
実はこのオキシトシン、視床下部でつくられるんです。
視床下部??
そう…昨日も書いた、あの視床下部です!!
触れることで多く分泌されるこのオキシトシン、最近注目されているのが自閉症とか対人関係の改善について。
なんでも…オキシトシンを身体に取り入れるための色んなグッズも出ているとか…
このオキシトシンの働きにより、他者への信頼等が生まれるんですって。
相手をいたわる思いやる、その気持ちが強くなって、子育てに邁進することになるようです。
この信頼関係構築って目に見えない事ですし、それって母性のなせる技じゃん!って言われたら、物質なんかにたどり着くことは無いかもしれませんが、種族保存のためにはとっても必要なシステムで、そこには何らかの物質が関わってておかしくはないわけで。
そこでいろんな実験検証から探り当てられたのがこのオキシトシン。
微量のオキシトシンで信頼関係が生まれるだなんて、なんだか不思議。
あの七面倒くさい子育てをチャンとやるように仕向ける工夫が、身体の中には随所に存在するのですね。
自閉症にもこのオキシトシンが注目されているよ!って書きましたが、はいそうなんです、このホルモンは母子関係にだけ存在するのではなくって(学校ではそう習いました…)、この効果は父子にもまた男女の恋愛や夫婦間の絆を深める効果もあるんですって!
だから対人関係がうまく行かない人や自閉症患者の治療に利用できないか、試されているとのこと…
…となると昨今増えている虐待やネグレクト、自閉症の子の増加とかもこのオキシトシンに異常があるのではないか…とは昨日の傅田先生の談。
異常ですからね、もはや触ることではその分泌がおっつかないわけで、それをどうにか外から入れてみて、その変化を見てみよう…治療に使えるか実験してみよう…という感じでしょうか?
以前書いたブログです。オキシトシンについて少し書いていました。
東京スキンタッチ会主催の山口創先生の講演会に参加しました
2010年02月12日 | 子育てについて
ここで話は本題に戻ります。
つまりは
接触鍼は表皮を通じて視床下部へ影響する↓↓↓↓
- オキシトシン等の分泌に作用すれば信頼感が生まれウツ的な症状が緩和する。
- 成長ホルモン等に作用すればお肌の調子が俄然よくなる。
- ホルモンバランスが良くなれば不定愁訴が解決する。
自分のやっていた経絡鍼灸治療は間違っていなかったんだとチョット実感!!!
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