「おおしたさん」のブログです

2005年6月に始めたこのブログ、鍼灸院をやってた頃のことを含め、今も気ままに書いています。

冷湿布と温湿布の違いについて

2005年08月08日 | 健康

   

冷湿布と温湿布、どちらを使うか迷う方が多いのですが、皆さんはご存知ですか?

 

冷湿布を2~3週間使ったのだけれども治らないので当治療院に来る患者さんが多くいます。特に最近の湿布には非ステロイド抗炎症薬という、ステロイドの作用ほどではないけど、とてもよく炎症症状を抑えてくれる湿布が出回っています。湿布ではモーラステープなど、塗り薬ではバンテリンなどが有名ですね。外傷等の急性期(足をひねった直後などですね)によく効くお薬(湿布)です。だけどあまり長くこれらのお薬(湿布)を使い続けると逆に痛みが取れなくなることがあります。

 

スポーツの現場を考えてみると、打撲・捻挫はよくあることです。このときすぐにアイシングをします。アイシングとは文字通り患部を冷すこと。プロ野球の投手が投球の後などに肩を冷している光景を見られた方も多いと思いますが、あれはアイシングをしているところです。

 

では、なぜ冷やしたらよいのでしょうか。

 

アイシングは、血管を収縮して腫れを抑えるとともに、寒冷刺激による麻痺作用から痛みを軽減させりることを目的としています。また細胞の代謝を抑制し、細胞を一時的に冬眠状態にすることで損傷部の拡大を防ぐ効果を狙ったものです。 簡単に言えば、アイシングの代謝抑制作用より痛みの範囲が広がるのを防ぎ、麻痺作用によって初期の猛烈な痛みや腫れを軽くし治癒を早めます。

 

湿布にもこれに似た作用があり、患部の血液の流れを止めて痛みの範囲が広がるのを制限します。だけど3~4日の炎症の期間(負傷の度合いによっても時期的なものは変わります)が落ち着くと今度はプロスタグランジンなどの発痛物質や乳酸などの疲労物質を血管に乗せて心臓に返さないといけません。

 

この時期は血行を改善して患部に新鮮な血液が必要になっている時期なので、回復期に入っても湿布を使い続けると血液の流れが悪くなるためになかなか治りにくくなります。

 

鍼灸治療でも捻挫や打撲が早くよくなります。

 

これは急性期の麻痺作用と、回復期の血流促進作用があるからです。

 

最近感じることに温熱効果は温湿布や使い捨てカイロのような面で使うものよりも、お灸のように「点」で使うほうが効果が高いということです。このときツボの選別は当然必要ですが、例えば腫脹所見が見られる場合、その患部と健康部の堺目にとても小さい灸をぐるりとすると本当に早く腫れが引きます。

 

とりあえず負傷したらすぐに冷やして病院へ行きましょうね。

 

早くよくなりたいのであれば鍼灸院での治療もお勧めです(控えめに宣伝を…)。


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