もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

街の縁取り82~台湾行その2・ジャイアント布袋尊

2007-05-14 17:52:48 | 街の縁取り
 布袋尊は七福神のメンバーとして知っている。そしてその太鼓腹、笑顔がいかにも幸福をもたらしてくれるイメージ。

 自分の知識はそれだけだ。

 今回台湾に行ってみて、やたら布袋の姿を見かけた。木製、大理石製、翡翠製、金製など様々な材料による造形が溢れていた。ツアーの土産物屋然り。
 ネットで検索すると、中国に実在した放浪僧だったようだが、中国本土で、これほど布袋を意識することはなかった。 

 象徴的だったのが、写真にある台中市の宝覚寺のジャイアント布袋様。
 大きさを強調するために、寺院の屋根などを前景に入れてみたが、これは大きい。30㍍を超えるらしい。鎌倉大仏の倍以上の高さがあることになるが、台湾では布袋像としては2番目の大きさという。1番目はどこか、それは調べていない。

 日本で、繁盛や福を招く偶像としては、招き猫や福助、仙台太郎(東北など東日本だけか?)が有名。店に布袋様を飾ってあるのをあまり見かけたことがないが、その柔和な表情、貧窮とは無縁の太鼓腹にご利益がありそうな心性には共通の素地がある。
 台湾では、圧倒的シェアを占めているようだが、こうした日常風景は台湾でいつから生まれたものか。
 布袋様でなくても日本で、招き猫などの像が飾られるようになったのはいつか。
 世界にも、国や宗教を超えて、こうした福を招く縁起のいい偶像はあるはずだが、どんなものが?
 
 こうした研究は必ず誰かがしていることだろう。
 日常風景が成立している原理と歴史について無知であることがどれほど多いことか?
 福を分けて貰いたいというミーハー心理と、そこに覗く探究の糸口に思いを馳せる。
 馳せて、とりあえず終わるのだが。
 


 

   
 





  





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