もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

街の縁取り80~六甲山麓の町

2007-04-18 00:11:21 | 街の縁取り
 まったく何の用もなく、途上の街角に佇む。
 そんな行為を昔から続けてきた。
 思いつきで駅を降りる、通りがかりのバス停でたまたま来たバスに乗り込む。

 見知らぬ街に自分を投擲してしまうわけではなく、結果的に刹那的なものなのだが、自分では放浪者の視線に近いものを自覚する。

 旅とは、そこで暮らす人々を見に行くことだ、という言葉に触れたことがある。
 写真は、六甲山麓の町で本項前回で少し記した。

 そこには生活がある。
 生まれ、食べ、働き、笑い、怒り、泣き、セックスをし、眠り、死んでいく時空間が横たわっている。
 何かとても憧れ、そして寂しい。

 自分にも帰る場所はあるが、儚さに回帰する彼我の往還。
 ちょっとしたきっかけで根無し草になる気もする自分。 
 
 いつか、どこかでひたすら安堵する日々が訪れるのを待ちながら、一生を終えるのだろうか。
  
  
 

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