もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

街の縁取り20~符号

2006-07-22 13:15:43 | 街の縁取り
 金曜日の午前中、仕事で東上線に乗ろうとして歩いていくと雰囲気がおかしい。
 改札口に人がたむろしている。
 後で、北池袋の「開かずの踏み切り」で母娘が電車に轢かれたことを知った。

 その日の夜、山手線でふと見上げた車内の電光掲示板で、東北新幹線、山形新幹線、秋田新幹線が人身事故で遅延しているとの表示を見かけた。

 池袋の事故は、辛抱し切れず踏切内に立ち入った母娘が、傘で電車が見えなかった可能性もあるとTVが伝えていた。東日本の各新幹線もそうした天候が関係しているのだろうか。

 毎日、全国で世界で人が事故に巻き込まれている。少なくない地域で、それは戦争だったり、弾圧だったり、飢餓だったりもする。
 もし、身近な場所に、「きょうの世界の被害者数」のようなカウンターがあったらどうだろうか。その人のバッググラウンドもそこに流れるとしたら。

 とてもとても、憂鬱になるだろう。

 東京の片隅で、たまたま自分が見かけた「情報」としての複数の事故や被害は符号なんかではなく、互いに脈絡がないままに同時多発している現実でもある。
   



  



 

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