もう1つの感性の本棚

書くことを仕事にしている者として、日常をどのような感性で掬い取るか。

街の縁取り44~時間超越型地震体験

2006-11-20 17:55:00 | 街の縁取り
 先日、東京に帰った際、北区の防災センターに行った。
 前から行ってみたいと思っていて、なかなか機会がなかったのだが、ここは模擬住宅(和室・台所)が設置され地震シュミレーション装置によって、全国各地で過去に起きた震度7までの揺れを体験出来る。

 阪神・淡路大震災、中越地震、新潟地震、そして関東大震災までがメニューに揃っている。

 実際に体験したことがあるのは、東京での震度5までだが、震度7は破壊力がかなり違うというのが実感だった。
 しかも中越地震などは最初にゆっくりと揺れて次に縦揺れと、地震によって揺れ方が異なる。
 新潟に来て、2年前の中越地震について地元の人に聞くと、「最初何が起きたのかわからなかった」らしい。身体感覚にある地震を超越していたようだ。
 確かに、立てないくらいの揺れが存在することが分かった。

 このところ、地震が起きる場所を微妙に縫うようにして動いているのだが、どこかで鉢合わせないかという不安がある。
 時折、「◎月■日に地震が来る」という噂が流れることがある。デマに乗る気はまったくないが、いつかどこかで巡り合わせる確率は、自分の動線を考えると高くなっているのかいないのか。

 巡り合わせとは怖いもので、阪神・淡路大震災と中越地震両方に居合わせた人もいると言う。
 
 実は自分には、違う不安もある。
 阪神・淡路大震災、サリン事件、パリ・ドゴール空港の搭乗ゲート陥落、中国上海空港での墜落事故、インドの列車事故――といった天災や事故とのニアミスがここ10数年来続いているのである。
 自分が通過したところで何かが起きる・・・。
 阪神・淡路大震災では、2週間前に神戸に泊まっていた。その三宮駅近くのホテルは、震災被害を免れ、地震後殺到したマスコミの寮と化した。
 偶然? そう偶然ではある。だけど、時間差は色々だが、自分が通過した後に何かが起きるという経験は、この阪神・淡路大震災から続いているのである。

 今だと、離れたと言えば東京が挙げられる。
 他人にこんなことを言ってもまともに受け取られないだろうが、自分の中ではちょっとした不安なのだ。

 今回、家人と何かがあった時の待ち合わせ場所を話し合った。