まだ監視員の仕事も数日の経験ですが、やっと少し慣れて来たようです。
そんな中、先日、心に残るお客様がいらっしゃいました。
白髪まじりの年配の女性が一人でユトリロの絵を一点一点、ゆっくりとご覧になっていました。
それだけなら別に普通の行為です。
ふとその女性を見ると、片手に何か持っていらっしゃいます。
右手にカードケースを一回り大きくしたような二つ折りになっている物を、胸のあたりに持ちながら、絵を鑑賞していらっしゃるのです。
「何をずっと持っていらっしゃるのだろう?」と気になって、失礼だとは思いながら少し注意深く見てしまいました。
よ~く見ると、その二つ折りになったカードケースのような物を開き、開いた面を絵に向けている格好です。
チラリと見えたそのケースの開いた面にあったのは、写真でした。
よく確認はできませんでしたが、少し年配の男性の姿が見えました。
そうです。
その女性は、写真の男性にユトリロの絵を見せていたのです。
・・・・少なくとも、私にはそう見えました。
ゆっくり、ゆっくり、写真にもよく見えるように静かに鑑賞されている姿は、とても印象的でした。
その写真の男性はどなたでしょうか?
そして、どうして一緒に見に来られなかったのでしょう?
私が想像するには、その男性はその女性のご主人(そうでなくてもとても大切な人でしょう)で、ユトリロが大好きな方だったのでしょう。
それが、何らかの理由で、一緒に見に来ることができなかった・・・・。
多分、亡くなってしまったのかもしれませんね。
それか、重病で外出することができないか。
その年配の女性の優しいまなざしと、写真を持つ姿が忘れられません。
一人で色んなことを想像して、不覚にも胸にこみ上げるものがありました。
「その男性はどうなさったんですか?」なんて、お声がけしたくなるのをグッとこらえた私です。
変な監視員ですね。
でも、こんな関係ってほんとにあるんですね。
そんな中、先日、心に残るお客様がいらっしゃいました。
白髪まじりの年配の女性が一人でユトリロの絵を一点一点、ゆっくりとご覧になっていました。
それだけなら別に普通の行為です。
ふとその女性を見ると、片手に何か持っていらっしゃいます。
右手にカードケースを一回り大きくしたような二つ折りになっている物を、胸のあたりに持ちながら、絵を鑑賞していらっしゃるのです。
「何をずっと持っていらっしゃるのだろう?」と気になって、失礼だとは思いながら少し注意深く見てしまいました。
よ~く見ると、その二つ折りになったカードケースのような物を開き、開いた面を絵に向けている格好です。
チラリと見えたそのケースの開いた面にあったのは、写真でした。
よく確認はできませんでしたが、少し年配の男性の姿が見えました。
そうです。
その女性は、写真の男性にユトリロの絵を見せていたのです。
・・・・少なくとも、私にはそう見えました。
ゆっくり、ゆっくり、写真にもよく見えるように静かに鑑賞されている姿は、とても印象的でした。
その写真の男性はどなたでしょうか?
そして、どうして一緒に見に来られなかったのでしょう?
私が想像するには、その男性はその女性のご主人(そうでなくてもとても大切な人でしょう)で、ユトリロが大好きな方だったのでしょう。
それが、何らかの理由で、一緒に見に来ることができなかった・・・・。
多分、亡くなってしまったのかもしれませんね。
それか、重病で外出することができないか。
その年配の女性の優しいまなざしと、写真を持つ姿が忘れられません。
一人で色んなことを想像して、不覚にも胸にこみ上げるものがありました。
「その男性はどうなさったんですか?」なんて、お声がけしたくなるのをグッとこらえた私です。
変な監視員ですね。
でも、こんな関係ってほんとにあるんですね。
大切な人と心のなかで語らいながら観賞されていたのでしょうね。
その場には来れない人に見せてあげたい、
心情がわかるような気がします。
言葉は無くても感覚で通じるものって
心に残りますよね。
写真の男性もきっと喜んでいらっしゃるでしょうね。
何より他人に判らないように控えめに写真を絵に向けて・・・これがいいですね~。
知って知らぬ振り、思ってあからさまにせず・・・
この監視員さんのつつましい態度も脚本の価値を上げていますね!
駐車場で妻の遺影を助手席に置いて話かけている男性を見た事がありました。
ふと、窓を覗いた際、ギクッってしました。
笑顔が印象的な、老女の写真だった。
なんか、それをおもいだしました。