感性のままに。

平凡な主婦の独り言です。

木喰上人

2010-10-15 09:23:04 | 趣味
「木喰上人」をご存知ですか?

「木喰上人」とは、江戸時代後期の仏教行者・仏像彫刻家で、日本全国に多く残る「木喰仏」の作者です。

日本全国を旅し、訪れた先に一木造の仏像を刻んで奉納した物が残っています。
その数、1000体以上と言うことです。

皆さんも、一度はその仏像を目にしたことがあるのではなでしょうか?
写真拝借

~ウィキペディアより~
『木喰の作風は伝統的な仏像彫刻とは全く異なった様式を示し、ノミの跡も生々しい型破りなものであるが、無駄を省いた簡潔な造形の中に深い宗教的感情が表現されており、大胆なデフォルメには現代彫刻を思わせる斬新さがある。日本各地に仏像を残した遊行僧としては、木喰より1世紀ほど前の時代に活動した円空がよく知られるが、円空の荒削りで野性的な作風に比べると、木喰の仏像は微笑を浮かべた温和なものが多いのも特色である。』

先日、当美術館のギャラリーで「木喰仏展」が開催されました。

実は、新潟県には多くの木喰仏が残されており、今回はその一部を展示したのです。
開期が短いのと無料と言うこともあってか、平日などは「ポンペイ展」よりも観覧者数が多いこともあるなど、隠れた人気を博しました。

私も昼休みに覗きに行ってみました。

展示数は多くはなかったんですが、一つ一つが存在感があり親しみ安い風貌と微笑みが魅力的です。

一見荒削りのようですが、案外綺麗に丁寧に仕上げてあったのには驚きました。
これを、一ヶ月の間に30体以上も彫ったと言うことですから凄い人です。

気取ったところが全くなく、庶民に親しまれた仏像は、子供達が抱えて遊んだりしていたそうです。
中には、冬には子供達がソリにして遊んだために、造作がツルツルになってしまった仏像もありました。
それでも、何か仏像自体がそれを喜んでいるかのように見えました。

厳粛で気高い仏像もいいですが、この素朴な「微笑仏」は、見ていて心が暖かくなります。
こちらまでニッコリしてしまいますね。

常に側において眺めていたら、心癒されそうな仏像です。

そして、この仏像のような柔和な印象を与える人間になりたいです。

気取らなくていい、生かされていることへの喜びを素直に感じて、心に余裕のある生き方をしたいです。

嫌なこと、憂鬱なこと、悲しいこと、怒ってしまうこと、イライラすること…そんな気持ちになったときこそ、この木喰仏のように、口角を上げて微笑んでみましょう。

一呼吸置いて木喰仏を思い浮かべたら、きっと心が落ち着くでしょう。

そんな癒される仏像です。

この辺りでも沢山の木喰仏が残されていると言うことを知ったので、今回見られなかった仏像をいつか訪ねてみようと思います。