益田森林・林業普及情報

島根県西部農林振興センター 益田事務所

えぇっ! こんなモンが食えるんですか?

2008年05月15日 | 森の恵み
 陽当たりの良い道路法面や伐採跡地には、
 必ず?生えているトゲトゲちゃんです。
 カラスザンショウ(写真1)は、裸地に真っ先に侵入する
 典型的な先駆性樹種(パイオニア種)です。


 写真1 芽吹きの時期のカラスザンショウ

 サンショウ(山椒)と比べて、全体が大きく、
 利用価値があまりないので、“カラス”と呼ぶとか、
 カラスが種子を食べるからという説もあるそうです。

 私は、「山椒より大きいから」という理由に賛成ですが、
 芽吹きが、枯れ枝に群れ飛ぶカラスに見えなくもありません(新説!)。

 さて、このカラスザンショウ、食べられるらしいのです。
 山菜好きの方でも、試した方は少ないのではないでしょうか?


 写真2 カラスザンショウの新芽・若葉

 遠藤ケイ氏の著書「裏の山にいます」
 次の文章がありました(益田市立図書館で借りられます)。

 食べ方は、さっと熱湯で茹でてから冷水に晒して
 軽くアクを抜き、醤油とマヨネーズをつけて食うか、
 天ぷらにする。
 強い香りと、口の中が痺れるようなエグ味がたまらない。
 野生の味だ。

「えぇっあんなモンが食える?嘘やろ?」
 衝撃を受けた私は、試食してみることにしました(写真3)。


 写真3 カラスザンショウの天ぷら(赤いのは人参、白いのはタケノコ)

 食べた感想ですが、
 やはり、アクが強かったですが、
“茹でて醤油マヨネーズ”は、
「臭いけど、食べられないことはない。
 慣れればくせになるかも?」
“天ぷら”は、
「結構いける。痺れる感じが悪くない。」
 ということで、まあまあでした。

 ですが、私の味覚ですから信用しないで下さい。
 今シーズン3度食べましたが、
 一応、健康被害はありませんでした(毒がある木ではありません)。

 また、遠藤ケイ氏は、野山の物は何でも食べるという
 自他共に認める悪食です。
 参考になりません(笑)。

 悪食の方は、試してみられればどうでしょうか。
 但し、最初は試食程度に。
 折れやすい木ですし、ヤマウルシの芽にもよく似ています。
 採取にあたっては、注意をして下さい。

 ということで、
 投稿記事「春の若葉観察会」で紹介した
 我が家の夕食の答えは、カラスザンショウでした。

 
 投稿者 島根県西部農林振興センター益田事務所林業普及グループ 
     主任林業普及員 大場寛文

 ~清流高津川、山の緑に映える柿色の瓦屋根の町並み~ 
  なつかしの国石見(いわみ)  

  


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