この世界で生きてゆくために

ありふれた毎日を繰り返し、時は過ぎていってしまう。
でも、どんな小さい事でも、優しい瞳で世界を見つめたい

2006年02月09日 00時41分30秒 | ひとりごと
自分で言うのもなんですが、私は子どもの頃から、とてもやさしい子どもでした。
背も低く(今でも165cmしかない)中1くらいまでは、髪の毛も長かったので、
女の子と間違われる事もありました。おまけに、泣き虫でした。
「やさしさ」それは、私の唯一の長所で、他には何も無い目立たない子どもでした。

その「やさしさ」を嫌った時期もあります。思春期です。
それまで意識しなかった異性に対し、「かっこよさ」や「男らしさ」を自分に求めると、
どうしても、「やさしさ」という母性的、女性的な性格を、嫌いになりました。
無理して背伸びして、いろいろ自分の性格を変えようと努力してみたものの、
やはり、自分は自分で、そう簡単に性格などを変えられるはずも無かったのですが。

今では、もう十分に大人になってしまたので、自分のやさしさを好きになれます。
ただ、思春期に無理した「反動」か、それとも元々自分にあった性格なのか、
もうひとりの自分に、非常に「攻撃的」な性格を持っている事に気づきました。
それを、自分の「影」と言ってしまって片付けるのは、ずるい事かもしれませんが。

私の「影」は、いつも私に、かならず付いて回ります。
ブログでは、やさしい自分を表現していますが、私は、非常に攻撃的な面も持ってます。
心のどこかで「お前はそんなんじゃないだろう。」という声が聞こえるのです。

私の好きなコミックに、津田雅美先生の「彼氏彼女の事情」があります。
主人公の宮沢雪野は、極度の「見栄っ張り」で「仮面優等生」が笑えます。
しかし、「彼女」の「彼氏」になる、有馬総一郎は、不幸な出生の秘密から、
宮沢と同じように「仮面優等生」を中学生まで、演じる事になります。
有馬は宮沢に会い、カレカノの間柄になりますが、一時彼女を拒絶します。
有馬は、今の自分が、もしかしたら努力で創り上げた「ニセモノ」ではないかと、
気づいてしまう。本当の自分が「最低の人間」だったらどうする?という苦悩で。
そんな有馬を宮沢は、見事に吹っ切らせてしまう。思いっきり殴って(笑)
「大丈夫。ありまは、いいやつよ」の一言で、二人の仲は戻るのですが。
それでも、有馬の心の中には、いつも「影」がつきまとう。そして・・・
この先は、白泉社の花と夢COMICS「彼氏彼女の事情」を買って読んでね。
このコミックス、一応少女漫画なんで、男の子が本屋で買うのは抵抗あるかも。
でも、とても良い漫画なんで、ぜひ読んでほしいです。心理描写がすごいから。

私は、漫画の有馬総一郎とは違い、優等生でもなんでも無かったのですが、
それでも、自分の「影」という点と、彼らの舞台が神奈川県という「共通」?
でなんか、のめり込んでしまいました。

性格の2面性は、誰でも持っていると思うので、気にする程の事では無いのかも。
人間と言うのは、古い脳と呼ばれる大脳基底核の「本能」と新しい脳と呼ばれる、
大脳新皮質の「理性」のせめぎ合いで、バランスを取っている。

ただ、私の「影」が本当に「本能」なのかは、いまだに謎です。
人間の文化が形成した社会は、人にやさしくあるべきだと、自分では思いますが、
心のなかでは、自分が一番になりたいとか、人より良い暮らしをしたいとか、
その為には、人を犠牲にしても良いという「影」が、いつもで私を悩ませます。
もちろん、その事に気づいていること事態が、素晴らしい事かもしれませんが、
そんなに簡単に片付けられる程、人の心は薄くは無い。深いのです。

今日もそんな自分に悩んだり、悩まなかったり。一日が過ぎてゆきます。
私は「善人」では無い。そう言ってしまうのも、ちょっとズルイ気がします。
まあ、そんなこと、ぜんぜん悩まずに、過ごしてしまう日の方が多いのですけど。