エテポンゲの独り言

残したい瑣末な話し

坊さんが屁を・・・

2007年10月30日 | 地域

世の中には他所者には解らない符丁や隠語が沢山あります。最近では亀田家だけで通用する表現が有名になりました。特に相場に関わる業界、証券会社や卸売市場などには一般人には???が非常に多いようです。

私の子供の頃にもそんな仲間内にしか通用しない言葉がやはりありました。その代表が数の数え方です。学校で教わるのは「1,2,3・・・10」で、これは全国共通の標準語でしたね。子供の世界ではこれが大変な変化をします。

鬼ごっこ缶蹴りという遊びには必ず鬼役がいます。そしてその役が当った子供は例外なく数を数えます。他の子供が隠れたり逃げたりする時間を与える為です。自分でカウントするわけですね。

カウントする数は年齢で変わったように記憶しますが、最初の頃は10くらいだったと思います。それが段々増えていき、最後には50以上くらいにもなっていった憶えがあります。実はその理由もあるのです。

当時の子供の間では簡単に沢山の数をカウント出来る方法があったのです。真面目にカウントすれば時間が掛るので子供流の略式方法を使います。

                  「坊さんが屁をこいた」

これで10文字です。この文言を唱えたら10をカウントしたことになりました。なんとも恐ろしい省略ですがこれが仲間内では公認されていました。

さあそうなると今度はカウントする数が増えていくことになります。あまりに簡単に数えられては直ぐに鬼に捕まります。カウント数が増えた理由はこれでした。しかし鬼も負けていません。従来の文言にアレンジを加えます。

            「坊さんが東京の真ん中で屁をこいた」

これで20文字になりました。これを三回唱えたら忽ちに60を数えた事になります。小学生も高学年になればかなり早口です。これはもうイタチゴッコですね。段々とカウント数が増えました。

私が子供の頃はこんな遊びをして、夕方も暗くなるまで子供達が大勢で時間を過していました。時分どきになれば各家の母親が家の前でそれぞれの子供の名前を大声で呼び遊びも終了します。実にのどかな情景です。ALWAYSの世界がそこにはあったのです。懐かしく思い出しますが、もうそこには絶対に戻れないのも知っています。