日本だけではなく外国でも人気の高い「クレヨンしんちゃん」が中国では売れません。いや正確には本来の商標権を持つ日本の出版社の権利が中国では認められていないのです。中国の企業がいち早く商標権を取得してしまったらしい。彼の地の裁判所の判断です。
中国だけではなく韓国や台湾などのアジア諸国との間でこの手の問題は数多くあります。先日は自動車メーカーのホンダが自社のデザインの盗作で中国企業を訴えました。ともかくバイクから家電まであらゆる物に模倣がされています。韓国などではTV番組やアニメなどもキッチリパクっています。
「知的財産権」という言葉はこれらの国にはどうやら存在しないみたいですね。その親分みたいな国が北朝鮮でしょう。日本の煙草をそっくり真似て作り販売し利益を上げるのはまだ可愛い方で、偽ドル札を作られたアメリカの立場はとても笑ってられません。通貨の発行は国家の専権事項ですから。まさにパチモンの王様です。
しかし模倣品を恥ずかしげも無く作り販売するのはどうもアジアの国に多いようです。思うにこれは中国を源とする文化と思われます。漢字文化には手本を真似て技術を磨く事を旨とします。だから真似る事自体が恥ずかしいという意識はあまりありません。
売れていると言う事はその製品が優秀なんで言わばお手本なのです。その手本に如何に上手に似せるかが技術力と考えてるわけです。こんな考え方の国民たちといくら議論しても埒はあかないでしょう。
韓国のアニメが日本のネット界ではよく揶揄されます。まあ2ちゃんねるの住人たちにはアニメあたりが卑近だからでしょうが。しかしこの日本も当然ながら歴史的事実として中国の漢字文化の範疇に入ります。スッポリとね。
戦前からそうでしたが、戦後の日本経済を発展させてきたのはこの模倣技術なんです。欧米のレベルに追いつけ追い越せと頑張ってきた私等の父親の世代からズッとそうして来たんです。優秀な製品に出来るだけ近づけるかを日本企業は競ってきました。
工業製品のデザインやネーミングには後発企業がどんなに頑張っても近づけない壁があります。北欧の家具やイタリアのデザイン、イギリスの階級社会の伝統などは基礎文化の違う日本人には本当に越えがたい壁です。
今日でこそ世界一の声も掛るあのトヨタ自動車でさえヨーロッパの名車のデザインをよくパクっていました。いやそれどころか伝統あるクルマの名前さえ国内で商標登録し海外の本来の企業が使えなくしていました。今の「しんちゃん」と同じですわ・・・
周りと同じ行動をし同一性を心良しとした文化の中ではなかなか独創性は育ちません。今流行の?イジメにも繋がりますが、異なる異分子を仲間から追い出そうとする文化や伝統には明るい未来が期待できないのでしょう・・・
(写真はいずれも「げんれい工房」さんからです)