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運命の出逢い・・・2013年序章。

2013-03-20 14:00:24 | 冬の風物詩






毎年の事だけど、ザトウクジラのホエールウォッチングを振り返ると、素晴らしい出会いの数々が思い出される。でも、今年は特に印象深い出逢いがあった。


夕方、帰港中での出産直前の雌クジラと出会いがその内の一つです・・・・。


実は、彼女とは数日前から出会っていた。随分と中途半端なブリーチングをするクジラだなと思っていたが、ゲストの写真を後から見るとお腹が大きいのが解ったので気に掛けていた。


海の仕事に従事し、ザトウクジラを愛する者としては、雌クジラの出産はガイドとして、また、生物の探究・生態行動をライフワークにしている僕としては、絶対に見届けたい名場面の一つです。


ただ、その行動に出る事によって、この雌クジラが感じるストレスを考えると、例え遠目から見るという行動に出たとしてもストレスがあるかもしれないし、また、僕の性格上、多分、それでは収まらなく、


「もっと側へ」っという欲望に駆られる事は、自分でもとてもよく解っていたので、この印象深い出逢いは深追いする事なく終わらせた・・・・。









今年の母子クジラへのアプローチが劇的に変化したのは、色んな巡り合わせの結果だと思う。

もともと、新艇クルーザーYou-goを入れた去年のウォッチング船から、それまでとは、かなり違ったクジラにより優しいアプローチに変化したのだが(退社し高知・沖ノ島で頑張っている元チーフの純平が、その変化に感動し、今までにない出会いに驚いていた)、

今年は、ある切っ掛けで、それまでの概念を一切捨て去った事が功を奏したのだと思う。


最初の切っ掛けは、水中写真家の越智隆治さんとの会話だった。

越智さんもトンガで数えきれないぐらいザトウクジラを撮影されており、多分、日本でも3本の指に入るようなザトウクジラへのアプローチの上手い人だと思う。

越智さんのいう方法は、「ともかく、焦らずに我慢してザトウクジラにダイバーという存在に、じっくりと慣れてもらう」という僕も始めた頃にやってみたアプローチ方法で、数度は成功(?)したけれども、

南半球のトンガでは解らないけれども、久米島では上手くいかない時は全然駄目だった方法で、そのうちに止めてしまった方法だった。

南半球と北半球のザトウクジラの性格は違うという本当か嘘か解らない事柄を勝手に信じ込み、今まで再度試そうとはしなかった動物に相対する時のもっとも基本的な、今までの経験値を全て捨て去るような方法だった。

もちろん、生息する水深や地形的な要因の違いはあると思う。ただ、人が犬とコミニュケーションを取る時に座って、「おいで!」を手を叩きながら誘うようなごくごく当たり前な最もシンプルな方法なのである。

それに、その方法を取る事によって、もしかしたら、その時に訪れていたかもしれない劇的な場面を見逃してしまう可能性もある。だから、なかなか決断がつかなかった。


そして、もう一つの切っ掛けは、数日後に見たお告げのような夢だった・・・・。

「こいつ、ちょっと頭がおかしいじゃないか」と思われるかもしれないが、実際に僕が体験した本当の事なので、ここに少しだけ記そうと思います。

記憶が定かでありませんが、自宅のテーブルを挟んで今年の一月二十五日亡くなった妻裕子と話してました。

その中で彼女は・・・・・・、

「貴方が初めて会った子供と話す時に、しゃがんで子供の目線に合わせて話掛けるでしょ。それと同じじゃない。クジラの方だって、知らない人に寄られたら怖いんだから、同じように考えてあげなきゃ・・・・。」

・・・・・・・っという言葉だった。

過去にやった事だけれども、その時に、自分では気付かないうちに前へ前への意識があったのではないか・・・?

知らず知らずに内にガツガツしてたのではないか・・・・・?

それを母子クジラは敏感に気が付いて、僕との距離を遠ざけたのではないか・・・・?

改めて、考えた朝だった・・・・・。



そして、数日後、その出逢いは訪れた・・・・・。


「失敗するかもしれませんが、やってみたい方法があるんです。誤解されるかもしれませんが、決して自分だけが美味しい目を見るつもりではなく、僕も我慢をしますから皆さんも我慢して待ってて下さい。」・・と、

ゲストに説明しやってみた。

僕一人でエントリーし、初めは母子クジラが見えるぐらいのところから、水深15mで止まっている母クジラと母乳を飲んだり母クジラにあまえたり遊んだりしている子クジラを観察した。








少しずつゆっくりと距離を縮め、2・3分おきの子クジラの浮上(息継ぎの為のブロー)の時には、決して近寄ろうとしてダッシュなどしない。

そんな事を繰り返していく度に、だんだん、子クジラの浮上場所が僕に近づいてくるようになった。

子クジラが近づいて来た時には、それまで以上に母クジラを観察し動きを見た。

どうやら、母クジラは子クジラの方から僕に近づいて行く事には寛容だが、僕が子クジラに近寄る事には嫌のようで敏感に反応し、ともすれば子クジラを連れ去るような行動にも出る。

観察しながら色んな事を想像し、そして、子クジラがぶつかってくるぐらいの距離感になってから、一度、ボートに上がり、ゲストに説明した。


「決して、子クジラが浮上して来ても追いかけないで下さい。そして、母子クジラが下にじっとしてても決して潜らないで下さい。」

「やっと慣れましたから、その行動一つで、もしかしたら、もう一度、初めからやり直しという事にも成りかねないし、やり直しが効かないかもしれませんから。」


小人数で、バシャバシャ泳いで音を立てない様にゆっくり近づき、ゲストを連れてのファーストアプローチは始まった・・・・・。


そして、それから夢のような日々が続いた・・・・・・・。









日に日に、僕らと母子クジラの距離は縮まった・・・・・。










今日はこれまでですが、また、後日、少し綴ろうと思います・・・・。










エスコートと雄クジラ達のヒートラン(バトル)に巻き込まれないように、逃げる母子クジラ・・・。

巻き込まれて離れ離れになる事もある・・・・・。




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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (mami)
2013-03-22 07:38:13
越智さんと裕子さんが 教えてくださったのですね…。

すごく 感動しました。
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Unknown (川本剛志)
2013-03-22 08:05:10
マミさん、ありがとうございます。この切っ掛けで、もう一度考え直し改善する事が出来たと思います。まだまだ、いろいろとあるでしょうけど、初心に戻って、じっくりと取り組んでみようと思います。
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