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日本のベラ大図鑑!!

2012-09-17 12:56:31 | オタクな悩み




今月初め頃、友人が出版した「日本のベラ大図鑑」が届いた。そろそろ書店で買われたり、実際に手に取ってご覧になられた方も多いと思う。

一部のマニア・オタクガイドダイバーや一般のオタクダイバーの方には広く知られている著者が

自分が撮影した写真のみを使用し、日本で見られるであろう種を出来る限り網羅したベラ図鑑だ。






一ガイドダイバーである僕が、書評などとは烏滸がましいが、多分、撮影中や写真同定中(監修の木村先生が確認していくのではあるが、撮影しながら、この種のこの時の幼魚のステージがないなどは、著者自身の仕事なので)、

苦労されたであろう点を少しクローズアップしていきながら、この図鑑の素晴らしさを説明したいと思います。

まず、一般ダイバーにとって、ブダイなどと同様にあまりにも普通種的なベラは見過ごされやすいのだが、この普通種たるベラの地味な種から深場の種、逃げて逃げて撮影しづらい種、

浅場過ぎて、少しの波やうねりでもピンが合わせづらく撮影しづらい種まで、きちんと写真が流れずに動きを止める撮影方法で撮られた生態写真で構成されている点である。

僕も少しだけ撮影のお手伝いはしているが、著者は、多分、もっと真面目なガイドダイバーの所に足繁く通い、逃げるベラをガイドが上手く著者の撮りやすいように追い込み、著者がそれをきちんと決め撮る!!

これを繰り返し、繰り返しやってきた成果であろうと推察される。

もちろん、著者自身が、ベラの動きに精通し常日頃からその動きを観察しながら、一人の時にも、飽くなき精神で、常にシャッターチャンスを狙い続けた成果である事は言うまでもない。

写真の中には、かなり苦労して撮れた写真でも、次回チャンスがあれば、また狙い、より素晴らしい写真を撮ろうとする頑固なまでの意思も垣間見える。

かく言う、僕も、「あんなに苦労して撮ったあの種のあの時の写真は使ってないのか・・・・┓( ̄∇ ̄;)┏」・・・・・・っという驚きを感じながらページを開き進めたものです・・・・(^^;)。

ただ、そこにあるのは一点、より良いものを作ろうという著者の純粋な思い入れだけなので、却って痛快に見させて頂いた次第である。

幼魚も、よく観察して撮られ、圧巻なのは、一部のオタクなガイドダイバーや一般マニアダイバー、マニアアクアリストしか知りえないであろうキヌベラやリュウグウベラの幼魚が撮影されていた事である。

僕自身も経験があるのだが、この2種は、本当に悩まされた2種で、セナスジベラやコガシラベラ、オトメベラは勿論の事、幼魚のステージではよく似通っている近似種のハコベラ・ヤマブキベラ・ヤンセンニシキベラを

やっつけて、エリアによっては、ニシキベラの幼魚とも区別して、ようやく行き着く2種なのだが、更にこの2種の区別や各成長ステージ毎の変化が微妙で、解ってしまうまでは本当にやっかいな2種なのである。

各種のそれぞれの幼魚のステージとしては、研究者や一部のマニアなダイバーやアクアリストには、若干物足りないものもあるのは事実だが、現存する日本の図鑑の中で、これだけ充実したベラ図鑑はないであろう。

また、イトヒキベラ属のハイブリット(交雑種)も掲載されていて、この部分の写真は羨ましいかぎりである。思い起こせば、著者が初めて久米島に来てくれたのも、IOPニュースか何かに、瀬能先生と僕が

発表したニシキベラ属(ヤンセンニシキベラとハコベラ)の交雑種を見られて来られた事だった事が思いだす。生憎と、天候のかげんでその棲息エリアには行けずに、ここには掲載されていないが、著者の思い入れを

垣間見た時であったと思い起こされる。

一部、研究者の意見が分かれる種の掲載もあるが、一人の一般ダイバーが、これだけの情熱を持って長期に渡り撮影し、これだけの図鑑を作り上げた努力を称賛したい思う。


「おめでとう。そして、ご苦労様でした。」


出版社や編集長をご紹介した経緯もあるのだが、同封の著者のコメントが、ちょっと嬉しかったので、記念に図鑑に貼らせて頂いた・・・・(^^;)。








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オタクな悩みパート4(タイ・カオラック編)

2012-01-18 15:39:45 | オタクな悩み
皆さん、お久しぶりです。実は友人がいるタイのカオラックで潜って来ました。

友人であり、ガイド会のメンバーであるオーナーガイドの大村健君は、ガイドも上手く勉強熱心で人柄も素晴らしく、マネージャー的存在の気配りの利きまくる奥さんの菜穂美ちゃんと僕ら夫婦を温かく迎えてくれました。

海はと言うと、シミラン諸島やリチェリューロック、コ・タチャイ、コ・ボンなど、ポイントのバリエーションも多く、また、インド洋の固有種も多く、素晴らしい海で、

多少透明度が少し落ちる所もありましたが、魚影が濃く飽きさせない海でした。下の沈船ポイントなんかは、無節操に魚が多くて本当にびっくりしたぐらいです。







沈船ポイント、ジンベエザメ、コ・タチャイのダイナミックでもあり色鮮やかである景観、リチェリューロックの鮮やかな紫のトサカと魚影の濃さ・・・・・、上げればキリがないので、

追々何回かに分けてアップしたいと思っていますが、やはり、一番目は、オトメベラの産卵速報でしょう・・・・・・・

「やっぱ、そこー???」って、言う声が聞こえてきそうですが、知らんぷりして続けます・・・・・。・・・・・・解らない言葉が出たら、パート1・2・3をご覧下さい。

まず、驚いたのが個体の大きさと多さ!!

もちろん、ポイントにもよりますが、通常、僕が沖縄で見ている個体より、一回り大きいぐらいのサイズがごろごろいるのです。

「健、ここのオトメベラは大きいねぇえー!?」

「えっ、ここまで来といて、そこですか???・・・・・、でも、リチェリューロックに行ったら、もう一回り大きいのがごろごろいますよ!!」

「えっ・・・・って、・・・・・もう一回り・・・って、ごろごろ・・・・って・・・・・。」

その言葉を聞いた僕が、どれほど驚き、またどういう場面を想像したかと解りやすく解説すると・・・・・・、


「表に出たら当ショップの前を、SPなしで小さいサイズの野田総理がぐじゃぐじゃ、普通サイズの野田総理と一回りや二回りぐらい大きい野田総理がごろごろいるような場面を想像したと思って下さい。」

(別に野田総理が好きでも何でもないですが、老成魚の事もあるので、解りやすく表現する為に使うとすればです・・・・「却って、分かり辛いって!!」)



閑話休題・・・・・、だから、どんなに追っかけたり、いろいろやっても大きなIP体色の個体でさえ、沖縄で見るTP雄より大きな個体もいたのか(魚の迷惑になりますので、良い子は真似しないように)・・・・・、でも、しかし、BUT、それ以上とは・・・・・。

そして4日目、いよいよリチェリューロックに行った一本目の僕の驚きは、初めて「THE・オトメベラ老成魚」を見た心境でした。

「老成魚」って、いうぐらいですから、ともかくサイズがデカい!!正確ではないですが、長さは20cm(以上かも)、体高も4cm以上に見えました(水中で見てるから、もっとデカく、見えますよ)。

しかも二本目、その子達が、IP雌とペア産卵しているし、ハレムの雄が隣のハレムの雄とやりあっている間に一回り小さい興奮色が出せる雄(間男)が、その気になってる雌を素早く横取り産卵(こんな言葉はありませんが、まさにこれでした)!!

「これは、多分、いや絶対、少し離れた所では、群れ産卵しているかも!?」っと思い、探すと、まさにその瞬間が始まりました!!





しかも、TP雄がペア産卵でもないのにペア産卵の時のように興奮色のまんまで群れ産卵に参加しているのには、びっくりでした!!





久米島で、通常はない突発的な(??)ハコベラの群れ産卵を見た時も、TP雄はIP体色に変化して群れ産卵に参加してたのも目撃してますし、コガシラベラもペア産卵も群れ産卵も普通に見られますが、

群れ産卵の時にはTP雄がIP体色に戻るし、純平のオトメベラの群れ産卵の写真を見せてもらった時も、IP体色ばかり群れ産卵だったのに・・・・。オトメベラの多いエリアの「もう一回、純平とか柏島アクオスの松野さんにも詳しく聞いてみねば!!」っと、思った次第です。

まったくの持論ですが、いかに同属の近い魚種であっても、生態や社会構造、配偶システムが変わってくる可能性もあるとは思いますが、もしかしたら、それぞれの種がそのエリアにおける生息数の変動や環境が近づくなどの諸々の条件さえ揃えば、

種の保存・子孫繁栄の為に、産卵形態や他の事情は、臨機応変にというか適当に対応していくものなのかもしれないません・・・・・・。





「番外編」・・・・って、こっちの方が本編のような気もするけど・・・・

こんな話や諸々の質問をしていると健が言った・・・・・・。

「普通はジンベエザメの話とかロウニンアジとか、そういう話なんですけど、川本さん、全然しませんね・・・・・。」

・・・・・。」


健、大丈夫!!いくら久米島で、十数回見ている僕でも、ジンベエザメは素敵だったし、感動したよ!特に眼の可愛さが!!







ありがとう。これも、体調がすぐれない中、当日潜ってくれた菜穂美ちゃんの強運のお蔭です・・・・・って、違う違う・・・・・。




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オタクな悩みパート3

2012-01-06 16:36:59 | オタクな悩み
皆さんからの沢山のリクエストにお応えして「オタクな悩みパート3」です・・・・・・、ご、ごめんなさい・・・・、リクエストもありませんし、「いらねぇ~よ」って声が聞こえてきそうですが・・・・





魚の雄と雌の体色の違いについて考えると、悩んでしまう事が多いです。特に、このコガシラベラなんかは、僕にとってはその最たるものかもしれません。

TP雄と思われる雄の体色が(言葉の意味が解らない方は、2011年12月11日の「オタクな悩みパート2」から見て頂けると理解しやすいと思いますので、ぜひ!!)、上の写真の雄だと思うのですが、

この状態から、体色がペア産卵時などの興奮色(婚姻色)に変化すると・・・・・・、





実際は体前半分から尾びれにかけての後半部が、もっと赤いと思うのですが、上の写真のような感じに変わります。





でも、いざ上の写真のような群れ産卵にTP体色の雄が参加しようとすると、上の写真のような体色に変わって群れ産卵に混ざっているのです。

そして、群れ産卵から外れ、TP体色に戻る時は、下の2点の写真のように徐々に変わっていきます。









「婚姻色」という言い方が妥当だとすると、どちらも「婚姻色」になりますから2つの産卵方法に合わせて装いを変えている訳です。


この2点のような体色の変化は、産卵さえ見ていればいつも見られる訳ではなく、産卵の盛り上がりの状態やタイミングの関係で観察出来る時と観察出来ない時があります。

そして、そのエリアの生息数などや(久米島では外海の方が個体数が多い)、内湾なのか外海なのかなどの生息環境の違いで(久米島では内湾の個体の方が雄は大きい)、産卵の状況が変わりますから、

例えば、ペア産卵しか行われないような環境があったとすると、群れ産卵時の体色より、TP体色からの興奮色(婚姻色)になる事の方が圧倒的に多いと思われますから、群れ産卵時からの体色変化は観察しづらいでしょう!?

更に厄介な事に、久米島の場合ですと、内湾での普段の雌相の体色は、一時雄も含めて下の写真のような体色が多く、





外海での普段の雌相は、一時雄も含めて下の写真のような体色です。





そして、内湾の雌相の個体の体色は、産卵時には外海のような体色に変わっていく事を考えると、雌の興奮色(婚姻色)もあると思われますから、それは久米島のダイビング水深で見ている限り他のベラや魚には、

あまり見られないような事なのです・・・・・・。

そして、とっても困った事に、雄も雌も節操もなくこうコロコロ体色を変えられたら、誰が誰って、どの魚がどれって、コガシラベラだけでブリーフィングが集中しちゃうじゃないですか・・・・・!?

・・・・・・・・「誰も聞きたくはないじゃないの~!?」って言う女房の声が聞こえますが・・・・・

また、考え事が増えてしまった・・・・・



今後、また、新しい観察確認事項がありましたらパート4を書きますが(だから、いらねぇ~って!!)、その際には、ぜひ、また、お付き合い下さい


では、ながながとお付き合い下さってありがとうございました。



四国沖ノ島に戻った純平への「独立おめでとうツアー」が決まった。個人的には純平と会うよりオトメベラの群れ産卵が見られるかもとワクワクしている僕がいます・・・・・


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