25時間目  日々を哲学する

著者 本木周一 小説、詩、音楽 映画、ドラマ、経済、日々を哲学する

株価上昇、異次元緩和継続

2018年01月24日 | 社会・経済・政治
 おいおい、いいのかよ、と思うこと2つ。
 株が上がっていくこと。これには下げを抑え、上げを期待させる日本独特の株操作がある。日銀ETF(上場投資信託)とGPIF(年金積み立て金管理運用独立行政法人)が買い支えしていることだ。円高になれば買い支えをする。ところがこれにつぎ込んだ資金は大きすぎて、手を引いてしまえば大暴落となることから、プロはその気配をしっかりみているし、強気の投資家は公的機関がもっているのだからいいだろう、と株高を期待する。
 日銀ETFもGPIFも、現金に換えたわけではないから、この運用で儲かっただの言えない。(安倍はその成績のよいことを自慢している)つまり実際の年金額が増えたわけではない。もう引くに引けない状態に来ているのである。

 次いで、昨日日銀は「異次元の金融緩和を維持する」とアナウンスした。これも出口戦略が見つからず、先延ばしするしかなく、着地点も見いだせないまま、お金が日銀準備当座預金に積まれて、市中では貸す法人や人がいなくて、物価が上がる程度に賃金は上がらないものだから実質賃金は目減りする一方である。春闘で3%の賃金値上げを、と経団連までもが言っているが、連合は全労働者の5%ほどに過ぎない。5%の労働者まで目減りしているというのに、他の95%は一層目減りしている。

 円安だから輸出業はいいだろうと思っていると大間違いで、彼らは輸出量は増やさず、これまでの値で商品を売り、企業成績がよいというのは為替のマジックである。要するに生産をして実質経済が成長して設けたのではない。為替差益をもらっただけである。

 安倍政権以前の民主党政権の時の方が経済は良好だった。安倍晋三、彼を支えるブレイン、群がる人々は一体何を考えているのだろうと訝しく思っていたが、昨日の「維持」発表で、「これはオリンピックまで、まあ次に任期切れ」まで引っ張って、金持ちだけをより金持ちにさせて「逃げる気だな」と思ったのだった。

 株価は毎日発表するので、数字だけ見ていれば景気が上向きのように見えるが本当は「ウソ」である。もう打つ手がなく、「憲法」「北朝鮮の脅威」などと言って国民の不景気感から目をそらそうとしている。北朝鮮のどこが脅威なのか、そんなことは数年前から日本に向かってミサイルは設置されていた。それは核をもつ国はどこもである。

 真正保守を自認する元ブント、元全学連委員長で、のちに保守に転向した西部邁が自殺した。ほぼ小林よしのりと考え方が一致している。彼は経済学者であったが、経済について述べることはなくなり、大衆というものの馬鹿らしさを言い、天皇は男系でなくてもよい、と言い、核をもて、アメリカへの追従はやめろ、と言っていた。西尾幹二とよく似たようなところがあった。日本独自の伝統や文化をよりよくしながら守っていこうと言うのが保守の基本的な考え方である。「朝まで生テレビ」に西部が出ると、好んで彼の主張を聞いた。ぼくとは考え方を異にするが、彼の意見を聞くのは価するものであった。意見は意見として論理的であり、鋭かった。元生長の家原理主義者たちとも一線を画し、いわば孤立無援の思想家であった。病もあった、という。第二次安倍政権が始まって、安倍首相と会食する日があり、安倍のアホさに嘆いていたという。大衆にもさらに幻滅し、政権にも幻滅し、身体的にも幻滅したのだろうか。
 安倍昭恵と安倍首相でこの国はどうなっていくのだろう、と昨日は「株価上昇」「異次元緩和の維持」でまた思ったのだった。ちゃんと経済のことを説明してみろよ、と言いたい。
 年金がパーになったらあなたは責任とれるのですか、と。