一昨日は地域の年度総会があり、これで2年間務めた地域の評議委員も終わりとなりました。議事録の書記を頼まれましたので、昨日は新たに購入したボイスレコーダを聞き取りながら、新区長が詳細な議事録を希望していましたので、整理に奮闘の一日でした。
家の庭のシンボルツリー「ひとつばだこ(ナンジャモンジャの木)」の花が今年も咲き出しました。植栽したときは、対馬など国の天然記念物に指定されている日本の本種と思っていましたが、花弁の大きさや形からアメリカヒトツバタゴと思います。花を見た時には残念な思いで、奥様が対馬の友人に本種の苗木のお願いもしましたが、幸いなことに本種は大木になるのに対し、アメリカヒトツバタゴは小高木だそうで一安心です。
梅雨に咲く美しい花のアジサイですが、わたしは毒があるとも言われますが、葉脈のはっきりした卵形の形と、光沢のある淡緑色の葉も大好きです。我が家のアジサイたちも葉っぱの中に花芽が顔を出しました。
◆大崩山(おおくえやま)宮崎県 標高 1,644m 日本二百名山
大崩山に端を発する渓流として、五ヶ瀬川支流の鹿川(ししがわ)と祝子川(ほうりがわ)の2つがあります。宮崎在住のころ「九州ヤマメを守る会」の代表発起人でもあった故中村の爺様と、よく一緒に連れだって来ていました。この渓でのヤマメのポイントはもちろん、爺様自身渓流釣りのガイドをしていたこともあり、著名な釣り人との思い出をよく語ってくれました。写真は16年前の祝子川でのキャンプです。わたしのヤマメ釣りの師匠宮崎のあんちゃんたちに囲まれて、尺越えのヤマメに感動の新名君です。
◆傾山(かたむきやま)大分県 標高 1,605m 日本三百名山
この傾山の登山口に「かもしかの森キャンプ場」があります。見立渓谷のすぐ横にあるお気に入りのバンガローですが、これまで5-6回ほど訪れています。写真は2年前に訪れた時、この年なのにいつまででも可愛がってくれる、大好きな宮崎のあんちゃんたちとのスナップです。
ある時はカラフルな羽色、青色のくちばしを持った十数羽の美しいアオバトの群れが対岸の杉林に群れていたりしました。
写真は「日本野鳥の会」バードファンより https://www.birdfan.net/
一生忘れることのできないことが起こったのは、1994年9月です。この日も宮崎のあんちゃんたちとヤマメ釣りを兼ねてキャンプに来ていました。
わたしは高千穂の川崎さんと二人、見立渓谷の上流部に入り釣りを始めました。この日は、たしか前日が小雨で絶好の釣り日和だったと思います。釣り登っていくとカヤの木の下、岩場の中のわずかな砂地に大きな獣の足跡がありました。
ここは大分の宇目との県境で、宇目には市川さんがヤマメの養殖を行っており、昨年の9月台風18号による甚大な大雨被害まで、元気で美しい魚体のヤマメの稚魚を譲ってもらって放流活動をしていたこともあり、見立と宇目の杉ヶ越峠を何回か通っていました。その峠に誰がたてたか「熊出没注意」の看板がありました。
即座にこれは熊の足跡に違いないと、車に置いてある数日前新調したニコンのカメラを大急ぎでとりに走ります。
これは大発見かもとフイルムを宮崎日日新聞に持ち込みました。担当記者の方にフイルムをお渡ししてロビーで待っていると、記者の方が慌てたように「宮崎の動物学者が住んでいる日向まで同行お願いします。」と日向へ向かいます。先生のご自宅で「このような大きな足跡の動物は何かわからないが、熊とは特定できかねる。後ろ足であれば人の足型に近い特徴で熊と断定はできるが・・・・」とのことでした。写真はフリー素材より
次の朝、宮崎日日新聞の一面に掲載され、その後全国紙の記者たち、各大学の研究室、自然活動(熊やニホンオオカミの存在を信じ活動)をしている団体が、私の自宅まで写真をもらいに来ていました。
宮崎放送(MRT)からも取材の申し入れがあり、夕方の情報番組に出演することになりました。放送は15分程度と思った以上に長い時間、インタビューと写真の映像が電波に乗りました。司会者の方からたしか(VHSテープには残っていますが)・・・・「このような体験してどのように思いますか。」にたいして、「・・・・謎の大きな獣がこの山に存在することはロマンです。」と答えたことが今でも恥ずかしい思いでいます。このTV出演もあり一躍宮崎では時の人となりました。
次の年にはツキノワグマに関する「祖母傾国定公園で捜索活動をおこなう。」と新聞記事が・・・・私の取った足跡の写真がきっかけとなったと思います。
さらに次の1996年、傾山へ登山に来ていた家族の遭難で、複数の捜索隊の方がツキノワグマの親子連れを見たとの記事が掲載されました。これにより私の写真は熊の足跡と確信しました。
50数年前に猟師が射止めたのを最後に、九州のツキノワグマは絶滅したとのですが、どうやらひっそりと生きていたようです。今でも「かもしかの森キャンプ場」からの傾山登山道には昔の巣穴が残っているのは有名な話です。また、この一帯の国有林を管理している方たちには熊の存在は承知の事実で、存在を認めることは仕事を失うことにつながるため、沈黙していると噂で聞いたこともあります。
あれから24年たち、当時わたしの写真を発端に生きていく環境がうるさくなったのかもしれませんが、息災に暮らしていることを心から祈っています。
◆祖母山(そぼさん)大分県・宮崎県 標高 1,756m 日本百名山
20数年前になると思いますが、北九州の梶屋さんに連れられ源流域へ釣りに出かけました。道がある訳でもなく、ひたすら岩だらけの渓流をさか登っていきます。およそ3時間ぐらい登ってきたでしょうか、渓以外は森林でおおわれて神秘な空気に包まれています。水の流れ込む大岩の淵に糸を投げ入れると、尺近いアマゴが飛び出し竿をひったくっていきます。ひと淵ひと淵でアマゴが釣れます。人が入っていないこともあり、警戒心のない無垢なアマゴたちです。尺以下の魚はやさしくリリース(魚を解き放つ)して、3匹だけありがたくキャッチしました。帰路の時間を考えて竿をたたみます。
帰りは大岩だらけの渓を下るのは大変危険なため、方向を確認しながら鹿の鳴き声がする大木の中や、タヌキの匂いのする藪を漕ぎながらひたすら道を探しながら進みます。あたりはすでに薄暗くなってきました。いつしか二人とも獣を意識してか大声になっています。どれくらい歩き続けたか不安がよぎりだしたころ、戦時中の木材伐採のためのトロッコ道を見つけてホッとしました。
ルートがわからず2度と行けない、魚を思うと2度と行きたくない渓ですが、まだこのような自然が残っているのにホッとしたことを思い出しています。
有史以前よりひっそりと種を生き永らえ、いまではほとんど見ることのできない天然のアマゴたちですが、いつまでもあの環境が維持されることを祈るばかりです。なお、貴重な3匹のアマゴたちの写真は現役時代ディスクのなかに大事にしまっていたのですが、どこへいったやら・・・・
九州で生息しているのはほとんどがヤマメですが、この祖母傾国定公園(そぼかたむきこくていこうえん)近辺はアマゴの生息域です。姿かたちはほぼ一緒ですが、わかりやすい点は朱点がアマゴにはついています。写真はフリー素材から
話が話だけに少し長くなりすぎました。本日はここまで・・・・、あと10座めぐるのですが、よかったら次の機会もお付き合いください。