emporio-argani.com

expwy,trip,HARRIER,etc....

名古屋高速4号東海線 開通レビュー

2013-11-24 15:40:14 | 名古屋高速
 名古屋高速において、最も渋滞が多いのは3号大高線で、その理由としては都心環状線以南の放射線が大高線しかなかったからです。三河、知多、湾岸から名古屋都心部への唯一の路線であり、
渋滞が頻発していたのは当然のことと考えられます。名二環の開通後、若干交通量、渋滞とも減りましたが、時期によっては都心環状線を先頭に大高まで渋滞することも多々ありました。
 逆に言えば、名古屋高速の中で本線の渋滞が発生するのは大高線だけであり、これに並行する放射線が開通すれば大高線の渋滞もほぼ解消するだろう、ということは多くの方たちも考えていたと
思われます。

 
 このように、多くの路線と接続する大高線が渋滞するのは、予想できる状況と言えます。

 この状況を解消する為に建設が進められてきたのが、4号東海線です。
東海線は都心環状線山王JCTと、伊勢湾岸道東海JCTを結ぶ路線で、上記の大高線と並行する初めての路線となります。
 東海JCTでは、伊勢湾岸道の他に、自動車専用道路である西知多産業道路に直結し、一般道でセントレアを結ぶ、
セントレアライン(知多半島道路、知多横断道路)のサブルートとしても利用が期待されます。

 
 東海JCTから都心環状線までは約12km、街路の上を通る区間が多い名古屋高速の中で、
一部河川や生活道路を拡幅したルートとなっている為、ややカーブが多い路線となっています。

 今回、東海道新幹線を跨ぐ六番北~木場出入り口間の開通により、全通となりました。
全通前は、東海~木場間…六番北~都心環状方面を一般道で経由する形態となっていましたが、
この中間部の開通により、東海~都心環状間が東海線のみで結ばれることになりました。

 時系列でみると、
 2010年秋 山王JCT~六番北間開通
 2011年秋 木場~東海JCT間開通(伊勢湾岸道と直結)
 となっており、新幹線オーバーパス区間の工事の遅れにより、ようやく全通することになりました。

 では、産業道路から東海線上りを進みます。

 
 西知多産業道路北行き東海インター付近。産業道路は自専道で制限速度は70kmとなっている。

 
 東海インターを直進すると、名四へ。名四四日市方面へは左折が距離的には短いが、大工場が多く渋滞が多い。

 東海インターから四日市方面への最短ルートはここから湾岸を利用するルートになるが、今でも名四を使う利用者は多い。
また、名古屋都心部へは様々なルートがあるが、一般的なコースは、東海インターを直進し、名和北交差点で左折してR247
を利用するものである。但し、時間帯によってはかなり時間がかかることもある。

 
 東海インター交差点はR302のみ信号交差点がある。ちなみに、湾岸四日市方面へはここで左折する必要がある。

 
 左に小さく「都心環状へは直接行けません」という看板が設置されているが、これは開通直後通った為。すぐに撤去されるだろう。

 
 ここから東海線となります。

 大高線の大高付近も分岐が多く、名四からのランプは「名四連絡路」、知多半島道路からは「知多道連絡路」という名称があるが、
産業道路からの入口には特に名称はないようである。

 
 東海線上り東海料金所。右側は産業道路からの利用者用で、ここで名古屋高速の料金を支払う。左側は湾岸からの利用者用でネクスコと名古屋高速との合併収受となっている。

 
 続いて右から東海新宝入口となる。R302からの利用者はここから流入する。

 
 4号東海線。首都高型の看板になるかと期待していたのだが。

 
 開通直後なのでそれなりに利用者はいるが、今まではかなり閑散としていた。

 
 ランプウェイの形状が綺麗な船見出入り口。都心環状方面のみのハーフインター。

 
 名古屋高速は基本的に右からの流入が多いので、左からの流入地点では注意が必要。

 先ほど東海線は珍しくカーブの多い路線と書いたが、この付近は大工場の中を一直線に進みます。名古屋港にかなり近い場所ですが、
海は見えません。

 
 
 木場出口。ここから新規開通区間となります。

 木場出口は距離的には名四に近い場所なのですが、何度か右左折する必要があり、名四竜宮インター手前に設置していれば、
どれだけ便利だったかと悔やまれる出口配置となっています。

 
 堀川を渡り一旦方向が西向きに変わります。

 
 ここから山王までは江川線の上を走ります。途中に港明入口があります。

 名四四日市方面からは港明入口が便利で、名四から名古屋都心部への最短ルートとなります。但し港明から都心環状までは5kmほど。

 
 港明入口。右からの流入と、この先の右への出口が近接しているので注意が必要です。

 
 
 六番南出口。国道1号に接続します。ここから新幹線を跨ぐ最大の難関となります。

 元々六番町交差点上部を走る東海道新幹線は、トラス橋で建設されていたため、それを超える高架道路の建設は非常に難しいことは予想されていました。
更に付近に出入り口を造ることから、高低差の問題もありました。
 名古屋高速といえども、相手は東海道新幹線ですので、工事は非常に慎重に行われました。毎日少しずつ高架を伸ばし、ようやく東海線は全通しました。
走ってみても確かに勾配は感じますが、地下にはすでに地下鉄路線もあり、高架で乗り越える工法しかありませんでした。

 
 東海道新幹線を跨ぐためここから登り勾配となります。
 
 新幹線を跨ぐとすぐに六番北入口となります。

 六番北入口は上述のように国道1号に接続しており、中川区や港区の利便性が大きく向上しました。
ここからは既存開通区間となります。

 
 
 尾頭橋出口は東海JCT方面のみのハーフインターとなっています。

 
 尾頭橋を過ぎると、都心環状線との接続になります。

 ネクスコの高速道路では近年公団ゴシックから変更される傾向になりますが(特に新東名の開通を契機に)、
なぜか名古屋高速は近年になって公団ゴシックを使うようになっています。この看板もそうですが、名古屋高速の情報に関しては
通常のゴナですが、接続するネクスコ管轄路線のフォントは公団ゴシックとなっています。

 実はこの開通で名古屋高速も首都高型の新型看板に変更されないかと期待していたのですが、全く変更されず、
逆に今後貴重になると思われる公団ゴシックが増えているのは、少し時代と逆行しているのかと感じました。

 
 山王JCTで都心環状線と接続、東海線の起点です。

 なお、都心環状線には6つの放射線が合流していますが、この東海線のみ、都心環状線の合流付近で本線の車線が1車線へと
減少されます。首都高ではこのような形態のJCTが多く、そもそも都心環状線が双方向型路線の為、JCT手前の車線減少ポイントを
先頭とした渋滞が多く発生しています。
 しかし、名古屋高速は一方通行の環状線であり、山王JCTとは言うものの、そのまま直進すると勝手に環状線に入るので、
わざわざ車線を減少させる必要はないはずです。

 その理由が、都心環状線側の山王JCTの3車線への拡幅です。以前、まだ東海線が開通する前、この山王JCT(当時は山王カーブ)
は直前で3車線から2車線へ減少されていたため、ここを先頭とした渋滞が大高線全線につながることが多く、
1車線増やしたという経緯があります。
 その為、都心環状線側が3車線、東海線側が1車線として都心環状線側をできるだけスムーズに流れるように配慮したと思われます。
 しかし、山王の先1kmに新洲崎JCTがあり、東海線の全通により今後この区間に織り込み交通による渋滞の発生が懸念されます。

 それでは都心環状線を一周して、今度は4号下りへ進みます。
 
 都心環状線東別院付近。開通に際して看板のシールが取れました。以前は「東海線 六番北」と表示してありました。
 
 
 山王JCTから4号下りへ進みます。下り線は画像を中心にまとめます。
 
 
 山王入口。上りの尾頭橋に対する東海JCT向きの入口です。
 
 
 
 堀川を渡る付近ではカーブが連続する。

 
 工業地帯の退屈な区間が続く。

 この画像を見て気づいたのだが、木場以南は出入り口付近等を除いて道路照明灯が設置されていない!
場所的にも夜はあまり明るくない区間であるが、名古屋線内で道路照明灯も設置しないとは。

 
 
 船見出口。先ほども書いたが、ここのランプウェイの構造は綺麗である。

 なお、ここの「伊勢湾岸道」のフォントは公団ゴシックではない。どうも統一感に欠けている。

 
 
 東海新宝出口。この先の東海JCTが終点となる。
 
 
 
 
 東海JCT。国道247号ではなく、西知多産業道路とした方がわかりやすいのでは。

 
 続いて湾岸の分岐。湾岸上りは料金所を東海インターと共有している。

 さて、これで、全線開通である。4号東海線の全線開通で、名古屋高速道路の全路線が開通したのである。
今後名古屋高速道路公社は維持管理団体となり、建設はこの東海線が最後となる。

 名古屋高速は元々街路の広い名古屋市内に橋脚を立てて建設したため、最初の開通から全線開通までは早かった。特に
万博前後は開通ラッシュで、毎年少しずつ路線網は拡大していった。
 現在の名二環は元々名古屋高速の路線として都市計画決定されたが、結局道路公団→ネクスコ中が建設した。ネクスコの
路線の為通勤割引が使えるのは非常に便利だが、名古屋高速の路線として開通していれば、もっと有効なインフラとなっていたかもしれない
と思うと悔やまれる部分である。

 今後平日昼間3割引のネクスコ独自の割引がなくなると、少しは名古屋高速の利用者も増えるだろう。だが、東海線という路線として
考える場合の最大のライバルは名二環ではなく、3号大高線なのである。

 
 大高線の最大交通量は約9万台弱。渋滞する時間帯は限られているが、また最近渋滞の頻度はあがっている。

 大高線は伊勢湾岸、名二環、名四国道岡崎方面、知多半島道路と接続する。このうち、東海線開通後も流入が変わらないと
思われるのが、名四国道岡崎方面、知多半島道路からの交通である。
 名四国道四日市方面から名古屋中心部へは、大高線へのアクセスが悪く、一般道経由が主流だと考えられる。この交通の一部も
港明出入り口から東海線へ流せることができる。
 他に西知多産業道路からはある程度の流入が期待できるが、需要そのものが少ないと考えられる。

 問題は湾岸からどれだけ移行できるかである。いや、湾岸の東名方面からの交通をどれだけ持ってこれるかが大きい。

 
 日本一のJCTである名古屋南JCT。東海JCTとは通常時数分の距離である。

 今まで湾岸東名方面からはそのまま大高線を利用する以外選択肢がなかったが、今後は東海線を利用することもできる。
但しネクスコ管轄路線は対距離制の料金となっているので、東海まで行くと若干料金が高くなる。
 それでも、この交通を持ってこなければ、東海線の効果は弱くなってしまう。

 そこで、名古屋高速はしばらくの間、東海線の利用者に限り通常750円の通行料を半額程度にする施策を実施する。
東海線を試してみてよければ、今後は東海線を使ってください、というものであるが、
この施策は大高線からの移行を促進する上で最も意味のあることである。

 同額であれば、試しに1回くらいは使ってみようか、という心理はあるが、わざわざ遠回りのルートは使わないだろう。
半額程度であれば、多少迂回となっても使いたいと思う利用者は多いはずである。
 開通直後だからこそ、並行する路線に対しての何らかの施策はすべきであるし、効果は大きいと思う。問題はこの施策を
大々的に訴求することだろう。

 
 名古屋高速は全線開通し、今後も生産人口の減少などで大規模路線や都市高速道路のような用地に手間と予算がかかる路線の建設は
首都圏以外では減っていくだろう。だからこそ、今後は造ったインフラをどう社会へ役立てていくか、というところに目を向けるべき
時期にきていると思われます。
 まだまだ名古屋圏に関しても高速道路の渋滞ポイントは多くありますが、それらを解消させる事業が進んでいることは歓迎したい
と思っています。

 

 

 
 
 

 
 
 
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 環七通り内回りvol.2(総武陸... | トップ | 国道23号(三重県四日市市→... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

名古屋高速」カテゴリの最新記事