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プラムの部屋♪

長い長い休暇中デス。(*_ _) ゴメンナサイ。

シャロット姫~第二部からラスト

2005-11-03 00:38:53 | 詩と音楽♪

 テニスンの幻想的で神秘的な「愛と死の物語」詩。。

第二部から一気にストーリーと詩の断片をご紹介しちゃいます。

どうか思う存分・・・テニスンの世界に酔って下さいマセ

 

              第二部

 

キャメロットを見下ろすお城に住むシャロット姫は、「影の世界」の住人です。

部屋につるした鏡に映る外界の様々な様子を、何の関心も無くただ眺め、

その情景を織物にして過ごしています。

「影の世界」から「現実の世界」に出ようとしない限り、その身は安全。

ところがもし、鏡を通さずに直接キャメロットを見下ろすような事があったら最後

恐ろしい呪いがシャロット姫の身に襲い掛かるといわれています。

そしてある時、最近結ばれたばかりの恋人達の姿を鏡の中に見て

下界に無関心だったシャロット姫の心境は一変してしまうのです。。

 

  ――――――――

  姫には誠実を誓う真の騎士はいない、

     シャロット姫には。

 

  ――――――――

  結ばれたばかりの若い恋人ふたりがやってきた。

  「わたしは半ば影の世界が嫌になったわ」と言った、

     シャロットの姫君は。

 

              第三部

 

そこへ颯爽と登場のラーンスロット卿

この光景はも~眩いのなんの。。でも全部書くのは控えます~

 

  姫の部屋のひさしから矢の届くほどのところを

  大麦の束の間を縫ってかの人が駆けてきた。

  太陽は木の葉越しに目も眩むばかりの輝きを放ち、

  真鍮の脛当てに燃えていた、

     雄々しいラーンスロット卿の脛当てに。

  ――――――――――――

 

  宝石を鏤めた馬ろくの何という絢爛豪華、

  さながら天空の星座群が

  黄金色の天の川にかかって輝くよう。

  馬ろくの鈴はたのしげに鳴り響き

     卿はキャメロット目指し駆けてゆく。

  ――――――――――――

 

  雲ひとつない晴れ渡った青空に

  宝石を鏤めた鞍の皮が光った、

  兜も兜の羽飾りも

  さながら燃える焔のように輝いていた、

     卿がキャメロットに馬を進めたとき。

  それはまた、紫色の夜空をしばしば、

  燦然と輝く星辰の下、

  光芒を引きながら彗星が

     静かなシャロット上空に流れるさまに似ていた。

 

思わずシャロット姫は見ちゃうんですね~、直接。。

飛び散る織物、ひび割れる鏡・・・。ゾゾ~~ッ

 

               第四部

 

多塔のお城に激しく吹きすさぶ雨と風・・・。

シャロット姫は、恋人同士の仲睦ましい姿を見た時から「影の世界」が嫌になり、

呪いの起こる事を承知の上で、あえて死の舟旅に出ていこうと決心したのです。

そう。。ラーンスロット卿に恋してしまったからです。

う~ん。。女は恋に弱い

 

  ―――――――――――

  姫は小舟の鎖を解き、身を横たえると、

  幅広き流れにのってはるばると運ばれる、

     シャロットの姫君は。

 

  雪のごとき純白の衣装をまとい横たわると

  ひらひらと右や左に舞う衣――

  木の葉も姫の上に軽やかに降りかかり――

  夜の喧騒をかきわけて

     姫はキャメロットに流れ着く。

  くねくねと曲がり流れる小舟のへさきは

  柳青める小山のそばや畑の間を進みゆき、

  人々は姫のうたう臨終の歌を耳にした、

     シャロットの姫君の。

 

  ―――――――――

  流れに身を任せて漂う姫君が

  水路ぎわの初めての家に着くその前に

  姫は己が歌をうたいつつ息絶えた、

     シャロットの姫君は。

 

キャロット中の騎士たちが集まってきて「一体何が起こったのか?」と驚く中

彼のラーンスロット卿は「何という美しさ」とシャロット姫を見つめるのです。。

恋を知らず、一生を虚しく過ごすより、恋を知り、恋に死ぬ道を選んだシャロット姫。

この時のシャロット姫の美しさはラーンスロット卿の心を強く打ったことでしょうね。。

 

このラストに向けてのシーン。。

アンが小舟に横たわり、ゆらゆらと流れていくシーンと重なりますよね。

シャロット姫は後にエレーンとなって再登場する事を思えば

この詩を演じたように思えるのも頷けますよね

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


シャロット姫~第一部

2005-11-03 00:03:38 | 詩と音楽♪

 テニスンです。

 

「赤毛のアン」の中で、乙女達がロマンティックな詩に夢中になって

エレーンを劇のように演じた結果、アンが小船で本当に溺れそうになり、

宿敵ギルバートに助けられたあの事件の元となった詩・・・

では無いと思われますが、限りなく近い気がするので

四部からなる長い詩の中の第一部から・・・

気が向いたらそのうち全部を掲載してみようかな~と思ってます。

 

解説では、このシャロット姫は、『国王牧歌』でラーンスロットとの悲恋に

打ちひしがれるエレーンとして再登場する、と書かれていますが

おそらく全十二巻ある長い詩のどこかに、

アン達が演じたシーンが掲載されていると思われます。

でも残念ながら『国王牧歌』総てが掲載された本は手元にありませぬ

手元にあるのは「アーサーの死」のみ。。

これだけでも凄い迫力で、アン達が夢中になった気持ちが本当に良く分かります。

 

   第一部

 

 川の両岸に広がるは

 果てしなく続く大麦やライ麦の畑、

 それは広々とした平野となり、地平のかなたに続く。

 畑中を走る一筋の道の通ずるは

    多塔のお城キャメロット。

 人々はしげく行き交う、

 咲き開く睡蓮を見やりながら

 眼下なる島のまわりで、

    かのシャロットの島の。

 

 〔吹く風に〕柳は白み、ポプラは震える。

 そよ吹く風は川面にかげりを起こし、漣をたてる、

 川の流れはとこしえに

 川中の島をめぐりて

    キャメロットへと流れゆく。

 灰色の城壁は四方をめぐり、灰色の塔は四本聳え、

 見下ろすはただ一面の花畑、

 静かなる小島に住むは

    シャロットの姫君ぞ。

 

 柳青める川岸を

 積荷重たき平底船

 歩みののろい馬たちにひかれ、声もかけられず、

 白帆張る小舟が一艘すいすいと滑るがごとく

    キャメロット目指し下り過ぎゆく。

 だが、いったい何ぴとが姫の手を振るのを見たことか?

 また窓辺に佇む姫の姿を見たことか?

 国中に姫の名は知られているのか、

    シャロットの姫君は?

 

 ただ麦刈る人びとぞのみ朝まだき頃より精を出し、

 穂の出そろいし大麦畑にあって、

 川辺から楽しくこだまする歌声に聞き入る。

 その川は鮮やかにくねくねと曲がり、

    多塔のお城キャメロットへと流れゆく。

 そして月影のさす頃 刈り人は疲れ果て

 風わたる高地にて麦束を重ねつつ、

 耳をすませて、囁く声は「あれこそ妖精の

    シャロットの姫君よ」。

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


野の小バラ

2005-10-27 00:41:38 | 詩と音楽♪

 ゲーテの詩の中でも有名な作品ですね。

 

このお写真はYブログ「彷徨の軌跡」のtetu様からお借りした野ばらです。

荒野に健気に咲く可憐で清楚な野ばらのお写真を見て、思わず

ま、またしても「お借りしたいくらい・・・」とコメントしたら

「よろしかったらどーぞ」という、なんとも暖かいお言葉が・・・

早速お言葉に甘えてお借りしちゃいました

まだ知り合って間もないにも拘らず・・・

快く大事なお写真を提供して下さる素敵な方々によって、

この拙いブログが華やかに美しく彩られる事、

感謝の言葉も見つからないくらいです。

この「夢空間」に新たな風が舞い込んで下さいました

tetuさん、本当に有難うございます。

 

この詩ですが、ゲーテがゼーゼンハイムでフリーデリケ・ブリオンに

恋した頃の瑞々しい若さと純情に溢れていて

シューベルトが作曲した事でも知られている有名な作品です。

まさに私がゲーテに夢中になるきっかけとなった大好きな詩です



  わらべは見つけた、小バラの咲くを、

  野に咲く小バラ。

  若く目覚める美しさ、

  近く見ようとかけよって、

  心うれしくながめたり。

  小バラよ、小バラよ、あかい小バラよ、

  野に咲く小バラ。


 
  わらべは言った「お前を折るよ、

  野に咲く小バラ!」

  小バラは言った「私は刺します、

  いつも私を忘れぬように。

  めったに折られぬ私です」

  小バラよ、小バラよ、あかい小バラよ、

  野に咲く小バラ。



  けれども手折った手荒いわらべ、

  野に咲く小バラ。

  小バラは防ぎ刺したけれど、

  泣き声、ため息、かいもなく、

  折られてしまった、是非もなく。

  小バラよ、小バラよ、あかい小バラよ、

  野に咲く小バラ。


パッヘルベル「カノン」

2005-10-04 21:02:03 | 詩と音楽♪

 懐かしい昔。。音大生時代の思い出の曲です。

事実そのものを書くのは恥ずかしいので、ちょっと創作入ってます・・・

どこまでが事実でどこからが妄想か。。読む方の感性で決めて下さいマセ

 

 当時、我が家から学校まで、かなり遠い距離を通学しておりました。

帰る頃にはもう疲れ切って練習するのも億劫になってしまうので

ほとんど毎日学校の練習室を借りてレッスンに励んでました。

防音設備が整っているとはいえ、狭い空間にお部屋が

ずら~っと並んでる以上、音が漏れないわけがありません。

でも、一人きりの空間での練習はとても集中出来て、

終わるといつも、がんばったゾ~っていうなんとも清々しい気持ちで

帰途についたものでした。

 

そんなある日。。

いつものように一心不乱に(?)鍵盤と向き合っていると

コンコンって扉を叩く音が・・・。

あ。。決してオカルトじゃありませんヨ

見れば、知ってるような気がする男子が一人。。

「すみません。僕の伴奏者になってもらえませんか

「あ。。え~っと。。あ。。はい・・・。」

アハハプラムさんの心の動揺を言葉に表すとこんな感じ・・・

 

彼はヴァイオリン奏者でした。

ヴァイオリンって、沢山の楽器の中では最も人間の声に近い音を奏でる

と言われてますが、実際素敵な音ですよね~。。

「僕の伴奏者」と言ったって何も一生のパートナーになってって事じゃありませんが

でもやっぱそこはそれ・・・乙女心としては・・・くすぐられたわけですね。。

あ~なんだか書いてて恥ずかしい

そして、ある私的なリサイタルで、ヴァイオリン&ピアノヴァージョンで演奏したのが

この『パッヘルベルのカノン』だったのです。

他にも色々な曲を演奏しましたが、この曲に関しては

ちょっと特別な思い入れがあったので・・・

 

この曲はも~とにかく大好きです

私が今も大切に保存しているレコードの一つ、

カール・ミュンヒンガー指揮、シュトゥットガルト室内管弦楽団による

バロック小品集に収録されているバージョンが最も好き

でもこの曲は色々な楽器バージョンが楽しめますね。

 

弦楽と通奏低音のための「カノン」・・・。

この曲は「オルガンのためのカノンとジーグ」の前半から編曲されたものです。

最初に低音で示される主題が何回も繰り返される上に、

三声部のカノンが展開される・・・。

叙情性豊かで清楚な味わいのこの曲は、聴くたびに当時の

色々な想いが交錯し・・・深い郷愁にかられてしまうのです。。

 

素材提供:Pari’s Wind


エルガー「威風堂々」

2005-09-24 21:18:14 | 詩と音楽♪

 日頃お世話になってるブログ友達豆猫さんとリラさんと私の三人で

世界各国に冒険旅行に出て、様々な事件に遭遇する・・・という

とても楽しい妄想を展開しております。

 やはり古き良き時代が良い!という三人の見解の一致を見た事により^^

マリー・アントワネットも真っ青の縦ロールヘア~

フワ~ッと綺麗にふくらんだドレスに身を包み、移動は馬車かリムジン(

美術に詳しい豆猫さんの専門的な知識の元、 

レンブラントの有名な作品『ダナエ』にまつわる謎まで登場しちゃったり

ミステリーに詳しいリラさんの豊かな想像力により、

三者三様の冒険物語が展開されつつあり、一体この先どうなるの~

という勢いなのです

 

前置きが長くなりました

ヨーロッパ各国を回り、現在は英国滞在中・・・という流れから

なんとなく「戴冠式」という言葉が脳裏をよぎったわけなのです

ちょっと無理やり                                             

            参考資料:ナポレオンの戴冠式

クラシック通の方以外で、エルガーと聞いてピンとくる方は

はっきり言ってあまりいないと思われますが、この曲は聴けば大抵分かるハズ。

本当に素晴らしい名曲だと思います。

英国の戴冠式にてエルガーの「威風堂々」が演奏された事もあり

第二の国歌として英国民に愛され続けているこの曲は

聴いていると、不思議な高揚感に満たされて、熱いものが込み上げてくるのです。

 

国に対する想い・・・という点では日本人の意識ってとても低いと思います。

でも様々な問題が勃発してきた昨今、改めて考え直したい問題ですよね。。

という事で、戴冠式に密かに参加中の三人組の一人のアヤシイ妄想でした

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」

2005-09-08 13:18:06 | 詩と音楽♪

 その昔・・・中学時代or高校時代(?)。。

当時親友でもあり、ライバルでもあった女性が二台ピアノによる演奏を

先生をパートナーに見事にやり遂げ、

私が完膚なきまでに打ちのめされた曲でございます。

 

ガーシュイン・・・。

確かこの曲は彼が初めて手がけたクラシックですね。

即興的な印象の独特な曲調がとても新鮮で大好きな曲です。

でも弾く人によってアドリブが加わったりで、印象が変わる曲でもありますね。

 

本当はオケ版の方が遥かに素敵です。

冒頭のクラリネット・・・。少々けだるげな音にかぶせて色々な楽器が加わっていく。

そしてシンバルが派手に登場!そしてピアノの独奏。

後半の美しい甘いメロディが最高に素敵ですねぇ。。

今書いてる内容とはまた別の人物ですが、私の友人が私的なリサイタルで

オケをバックに演奏した「ラプソディ・イン・ブルー」は最高でした

 

それはともかく。。

どちらかというとお堅い印象の彼女が、実に楽しげにキラキラと弾きこなし、

大人の男性を相手になんらひけをとらない。。

い、いつの間にあんなに上手になってたのかしら・・・

ま~そんないきさつがあって以来、必死にレッスンに励めた事を思えば

かえって有り難かったのですが・・・。

 

という事で私にとって、ほんの少し苦い気持ちが蘇る

青春の思い出の一曲だったりしているのです。

先日、どこかの番組でこの曲を聴き、なんだか懐かしいな~という

脳裏を蘇った想いをちょこっと書き綴ってみました。。

 

素材提供:Pari’s Wind


ローレライ

2005-08-25 15:01:11 | 詩と音楽♪

 ハインリヒ・ハイネの詩・・・ジルヒャー作曲の歌で有名な詩です。

ちなみに、片山敏彦氏訳の詩集を掲載させて頂いてます。

 

ハイネ・・・。ゲーテを強く意識していたものの、全く違う作風で

新しいロマン派の風を巻き起こした印象があります。

シューマンとは仲の良い友達だったそうで、

彼の作曲した「リーダークライス」あたりは有名ですね。

ロマンティックな物に対して目がない私にとって、やはりハイネは欠かせません^^

 

 

   わが心かく愁わしき

   その故をみずから知らず。

   いと古き世の物語、

   わが思うこと繁し。

 

   夕さりて風はすずしく

   静かなリライン河。

   沈む日の夕映えに

   山の端は照りはえつ。

 

   巌の上にすわれるは

   うるわしき乙女かな。

   こんじきに宝石はきらめき、

   こんじきの髪梳く乙女。

 

   金の櫛、髪を梳きつつ

   歌うたうその乙女、

   聞ゆるは、くすしく強き

   力もつその歌のふし。

 

   小舟やる舟びとは

   歌聞きて悲しさ迫り、

   思わずも仰ぎ眺めつ。

   乗り上ぐる岩も気づかず 。

 

   舟びとよ、心ゆるすな、

   河波に呑まれ果てなん。

   されどああ歌の強さよ、

   甲斐あらず舟は沈みぬ。

 

素材提供:ゆんフリー写真素材集


よくみるゆめ

2005-07-31 22:28:48 | 詩と音楽♪

 ポール・ヴェルレーヌの詩の上田敏訳です~。。

 

美しい詩というのは韻を踏んでいて耳に心地いいですね。。

でも読み方を間違えるとリズムが狂っちゃいます。

例えば「女」・・・ひと、と読みます。「彼女」・・・かのひと、です。

 

そうそう。。私は決して唯美主義ではございませんが・・・

でもやはり美しいものには弱いです~^^

 

   常によく見る夢ながら、奇やし、懐かし、身にぞ染む。
                                       
   曾ても知らぬ女なれど、思はれ、思ふかの女よ。
                                        
   夢見る度のいつもいつも、同じと見れば、異りて、
                            
   また異らぬおもひびと、わが心根や悟りてし。
 

                         
   わが心根を悟りてしかの女の眼に胸のうち、
 
   噫、彼女にのみ内証の秘めたる事ぞなかりける。
                
   蒼ざめ顔のわが額、しとゞの汗を拭ひ去り、
             
   涼しくなさむ術あるは、玉の涙のかのひとよ。
 

                      
   栗色髪のひとなるか、赤髪のひとか、金髪か、
                             
   名をだに知らね、唯思ふ朗ら細音のうまし名は、
                                 
   うつせみの世を疾く去りし昔の人の呼名かと。
 

               
   つくづく見入る眼差は、匠が彫りし像の眼か、
                  
   澄みて、離れて、落居たる其 音声の清しさに、
  
   無言の声の懐かしき恋しき節の鳴り響く。

 

素材提供:Pari’s Wind


すみれ

2005-07-12 12:25:28 | 詩と音楽♪

 ゲーテの詩にモーツァルトを始め、多くの作曲家が挑んだ作品です。

有名なのはやっぱモーツァルトかな。。

可愛らしい柔らかい曲調はモーツァルトらしさに溢れています。

そしてあの独特の転調・・・。



それにしてもゲーテの作品は、偉大な音楽家達に愛されたのですね~。。

改めて才能豊かな作家さんなんだな~と思います。

ちょっと・・・俗物的ですが・・・




  野に咲くすみれ、
  うなだれて、草かげに。
  やさしきすみれ。
  うら若き羊飼いの女、
  心も空に足かろく、
  歌を歌いつ
  野を来れば。

  「ああ」と切ない思いのすみれそう。
  「ああ、ほんのしばしでも、
  野原で一番美しい花になれたなら、
  やさしい人に摘みとられ
  胸におしつけられたなら、
  ああ、ああ
  ほんのひと時でも」

  ああ、さあれ、ああ、娘は来たれど、
  すみれに心をとめずして
  あわれ、すみれはふみにじられ、
  倒れて息たえぬ。されど、すみれは喜ぶよう。
  「こうして死んでも、私は
  あの方の、あの方の
  足もとで死ぬの」

 

素材提供:Pari’s Wind


魔王

2005-07-12 11:51:48 | 詩と音楽♪

 ゲーテの詩・・・これまたシューベルト作曲で歌曲になってます。

 

「マイファーテルマイファーテル」って奴。。

おそらく・・・大抵の方は、音楽の授業で聴きましたよね~。

悲壮感溢れるこの作品。好きなんです~。悲しいけど。。


  あらしの夜半に馬を駆るはたれぞ?
  いとし子とその父なり。
  父は子を腕にかかえ
  あたたかくしかとかばえり。

  「わが子よ、何とておびえ、顔を隠すぞ?」―――
  「父上よ、かの魔王を見たまわずや?
  かむりを頂き、すそながく引けるを」―――
  「わが子よ、そは霧のたなびけるなり」

  「うまし児よ、来たれ、共に行かん!
  たのしき戯れ、共に遊ばん。
  岸べには色とりどりの花咲き、
  わが母は黄金の衣もてり」―――

  「父上よ父上よ、聞きたまわずや?
  魔王のささやき誘うを」―――
  「心しずめよ、心しずかに、わが子よ、
  枝葉に風のさわげるなり」

  「美しきわらべよ、共に行かん!
  わが娘ら楽しくそなたをもてなさん。
  わが娘ら夜の踊りを舞いめぐりて、
  そなたを揺すり踊り歌い眠らせん」―――

  「父上よ父上よ、かしこの気味悪き所に
  魔王の娘らを見たまわずや?」―――
  「わが子よわが子よ、さやかに見たり、
  そは古き柳の灰色に見ゆるなり」―――

  「愛らしくも心ひくそなたの美しき姿よ。
  進みて来ずば。力もて引き行かん」―――
  「父上よ父上よ、魔王はわれを捕えたり!
  魔王はわれをさいなめり!」―――

  父はおぞけ立ち、馬をせかしぬ。
  うめく子を腕にかかえ、
  からくも屋敷に着きけるが、
  腕の中のいとし子は死にてありき。

 

素材提供:Pari’s Wind


落葉

2005-07-09 12:49:13 | 詩と音楽♪

 ポール・ヴェルレエヌ・・・上田敏の翻訳詩集『海潮音』に掲載されてます。



この詩はあまりにも有名ですよね~。

ヴェルレーヌがまだ20歳の時に書いた作品だそうで・・・とても瑞々しいですね。

秋の哀愁・・・ヴァイオリンの美しい音色と共に味わいたい美しい作品です。。
   
 
    秋の日の

    ヴィオロンの

    ためいきの 

    身にしみて 

    ひたぶるに 

    うら悲し。 


 
    鐘のおとに 

    胸ふたぎ 

    色かへて 

    涙ぐむ 

    過ぎし日の 

    おもひでや。 


 
    げにわれは 

    うらぶれて 

    こゝかしこ 

    さだめなく 

    とび散らふ 

    落ち葉かな。

 

素材提供:Pari’s Wind


ファウスト~

2005-07-07 12:33:57 | 詩と音楽♪

 『ツーレの王』と同じくファウストの第一部でグレーチフェンが歌う切ない歌です。

誘惑されて堕落した女性として描かれているのですが・・・とても一途ですよね。。



   心の落ち着き失せて

   胸は重し。

   尋ぬとも、そは

   帰らず、ついに。


   君いまさねば

   いずこの墓場。

   世はあげて、

   この身ににがし。


   あわれ、わが頭

   狂えり。

   あわれ、わが心

   千々に砕けぬ。


   心の落着き失せて

   胸は重し。

   尋ぬとも、そは

   帰らず、ついに。


   窓より見るは

   ただ君が姿。

   家を出ずるも

   ただ君を求めて。


   君がおおしき歩み、

   気高き姿、

   口もとのほほえみ、

   まなざしの力。


   君がことばの

   妙なる流れ、

   わが手とりたもう御手、

   ああ、君が口づけよ!


   心の落着き失せて

   胸は重し。

   尋ぬとも、そは

   帰らず、ついに。


   わが胸は

   君を慕いこがれる。

   ああ、君を

   抱きとめ、


   心みつるまで

   口づけせばや。

   君が口づけに

   絶え入りぬとも!

 

素材提供:Pari’s Wind


ファウスト~『ツーレの王』

2005-07-07 12:31:40 | 詩と音楽♪

 ゲーテの大傑作ですね。

グノーの歌劇『ファウスト』の第一部でグレーチヒェンの歌う有名な曲にもなってます。

そしてシューベルトを始め、沢山の作曲家もこの詩に挑戦しています。


 この詩の背景ですが―――

若かりし頃、ゲーテは交際していた可憐な少女フリデリケ・ブリオンとの恋愛を

成就出来ず、彼女を傷つけ、捨ててしまいます。

ゲーテの芸術的天分がフリデリケ・ブリオンによって目覚めると同時に、

その天分が可憐な彼女を踏みにじった、とも言われているそうです。

一方、ゲーテがフリデリケ・ブリオンとの愛に安住していたら

後年のゲーテの素晴らしい作品の数々は生まれなかったであろうとも言われています。


 フリデリケ・ブリオンに対する謝罪の気持ちが以後のゲーテの作品の

大きなモチーフとなって、いろいろな場面で表現されているそうです。

そしてゲーテ生涯の大作『ファウスト』にグレートヒェンとして登場、

第1部ではこのグレートヒェンに「ツーレの王」と「心の落ちつきうせて」を

歌わせているのです。


ゲーテとフリデリケ・ブリオン。。

こんないきさつを知ると、二人の切ない想いをこの詩から感じ取れるような気がします。


   むかしツーレに王ありき。

   契りをかえぬこの王に

   妹は、黄金の杯を

   のこして、あわれみまかりぬ。


   こよなき宝とめでたまい、

   干しけり、うたげのたびごとに。

   この杯を干すたびに

   涙はひとみに溢れたり。


   王、死ぬる日の近づくや、

   国の町々数えては

   世つぎの御子に与えしが、

   杯のみは留めおきぬ。


   王はうたげに坐してけり

   武士、まわりに居ならびて。

   海のほとりの城の上、

   祖先をしのぶ大広間。


   老いにし王は飲みほしき、

   これを限りの命の火。

   いとも尊き杯を

   海にぞ王は投げてける。


   落ちて傾き、海ふかく

   沈み行くをば見送りぬ。

   王は眼を打伏せて

   飲まずなりにき、しずくだに。

 

素材提供:Pari’s Wind


ミニヨンに

2005-07-06 14:38:07 | 詩と音楽♪

『ミニヨン』はゲーテの作品の中でもかなり人気が高いですよね。

とにかく可哀相で可哀相で・・・。

 

サーカス一座の少女ミニヨン。

座長に手酷く扱われている姿を不憫に思ったヴィルヘルムによって引き取られ、

いつしか恋心を抱きます。

しかしヴィルヘルムの周りには常に大人の女性が・・・。

ヴィルヘルムへの思慕と祖国イタリアへの激しい憧れから感情が不安定になり

いつしか身体にも影響が出始め、衰弱していきます。

そして遂に・・・。


更にミニヨンの死後、明らかになった出生の哀しい過去。。

昔はこういう事もよくあったのでしょうね。

(こういう事って詳しく知りたい方は是非『ミニヨン』を読んで下さい。^^)


 この作品は、「ヴィルヘルム・マイスター修行時代」には入ってません。

おそらく入れるつもりで書かれたものであろうという事ですが・・・。

とても切なくて、ミニヨンの雰囲気にぴったりなので、とても好きな作品です。



   谷を超え、川をわたって

   日の車はしずかに進む。

   ああ、絶え間なくめぐる日は

   朝ごとにのぼり来て、

   そなたの胸の奥深くと同じように

   私の胸の奥深く痛みをかき立てる。


   夜が来ても何のかいもない。

   夢さえも今はただ

   悲しい姿で来るものを。

   この痛みのひそかに

   幻を作りだす力を

   私は胸の奥深くに覚える。


   私は幼い時から年久しく

   谷間を行く舟を見ている。

   どの舟もめざす所に行くが、

   ああ、私の絶えぬ痛みは

   心の中に根を下ろして、

   流れと共に漂い去ろうとしない。   

   きょうはお祭り日なれば、

   美しい晴着を着て行かねば。

   晴着はタンスから出してあれど、

   私の胸のうちが、

   痛みのためむごく千々に

   引裂かれているのを知る人もない。


   心ひそかにいつも泣いてはおれど、

   うわべはにこやかに丈夫らしく

   赤いほおさえ見せている。

   この痛みが私の胸を

   滅ぼすほどであったなら、

   ああ、私はとくに死んでいたろうに。

 

素材提供:Pari’s Wind


ミニヨン(ただあこがれを知る人ぞ)

2005-07-06 14:20:46 | 詩と音楽♪

「ヴィルヘルム・マイスター修行時代」の中でヴィルヘルムが憧れる女性は

何人か登場しますが、

ここでヴィルヘルムが憧れる女性は二人います。

二人とも高貴な美しさを持ち、双子のように似ていました。


ひとりは伯爵夫人。

伯爵夫人と共に舞台に立たったヴィルヘルムは、舞台を通してお互いに惹かれ、

一度的に束の間の甘い時間を過ごすのでした。

 

もうひとりは、ヴィルヘルムが屋外で「ハムレット」の決闘シーンを稽古中、

何人かの騎士と共に白馬に乗って現れた謎の女性です。

この二人の女性がヴィルヘルムの心の中で入れ替わり立ち代り、

現れては消え、消えては現れる。。

ミニヨンが竪琴弾きと共に歌ったこの歌は、まるでヴィルヘルムの心中を思いやり

同情しているかのような、物悲しい旋律です。



   ただあこがれを知る人ぞ、

   わが悩みを知りこそすれ!

   ひとり、なべての

   よろこびより隔てられ、

   ながめこそすれ、

   青空のかなた。

   あわれ!この身を知り、いつくしみたもう人、

   今は遠きかなたにいます。

   眼はくるめき

   はらわたは燃ゆる。

   ただあこがれを知る人ぞ、

   わが悩みを知りこそすれ!

 

素材提供:Pari’s Wind