「青が散る」に続き読んだ本です。この本もとても古い本ですが、
競馬のサラブレッド「オラシオン」に絡む、とても深く切ない話でした。
競馬業界の内幕や馬を育てる苦労やその馬に期待する人々のひたむきさ。
上巻で登場人物の様々な夢が語られ、下巻でその夢や思いが破綻し、オラシオンに
求心されていくストーリー。
オラシオンの意味は「祈り」をあらわし、命名の経緯は胸をうつものがありました。
背筋に寒気が走るほどの感動ですw
会社員として毒々しいまでの権力闘争の日々の描写と厩舎のある北海道の大自然の対比。登場人物一人一人にドラマがあります。
上下巻のボリュームですが一気に読めました。ずいぶん昔に映画化もされているようですが映画は観てませんがこれだけの深い話を映画にまとめるのはちょっと無理かなと思います。
薫山(3872)