lunas rotas

いつまでも、完成しないことばを紡いでいこう

介護分野の日本語に携わるということ

2012-02-27 09:26:32 | Weblog
 定住外国人の職業訓練のひとつとしてヘルパー2級講座の研修の日本語科目に携わった。こういう研修での日本語教師というのは立ち位置が難しい。たまに頭を「もしかして不要?」「日本語教師じゃなくてもいいのでは?」とよぎる。しかし、2つのことをここで考える。
 一つは、学習者の習得内容について。学習者はある程度の生活日本語は身につけているので、基礎的な日本語ではなく、介護分野の日本語を学ぶためのテキスト類を使って介護に特化した日本語を学ぶ。しかし、人への思いやりの気持ちや人とのコミュニケーションが重要な介護分野にも「正解」はない。テキストは「正解」ではなく、あくまで参照するものとして浮かび上がる。つまり習得内容は実践的経験的に構築される。テキストの中にはないということ。日本語の授業も、実践的経験的に編まれなければならないのだ。そのための日本語教師の専門性というのは求められるだろう。
 もう一つは、日本語教師という枠にとらわれた立ち位置に固執せず、日本語教師という肩書を捨てて、自分にできることや自分がしたいことは何かということにきちんと向き合わなければならないということ。ナンナラ日本語教師をやめてもいい。少なくとも日本語教師とだけ名乗るのはやめてもいいのかもしれない。

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