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健康的食生活のための情報を発信です。
1980年以前の中学に家庭科、未必修の男性諸氏に医療従事者を含め必要かも。

[糖尿病食] 食生活について語ろう

2019年11月10日 | 食事療法
◎糖尿病の食事療法  Diabetes Mellitus diet therapy  とうにょうびょうのしょくじりょうほう
   今日では食糧過剰時代をむかえ、グルメ、飽食が現代の食生活です。又健康食品と呼ばれる栄養補助食品、特別用途食品も出回り健康志向についても考えられるようにもなりました。しかし、飽食の時代を反映してか糖尿病は、近年急速に増加しています。厚生労働省発表の糖尿病患者 初の1000万人、高齢化・肥満増で 糖尿病が強く疑われる患者が2016年に推計1千万人に上ったことが国民健康・栄養調査でわかっています。 2017年患者調査の概況で糖尿病患者数は、前回調査(2014年)から12万3,000人増えて、過去最多の328万9,000人です。
  糖尿病でビタミンA、B1、Cの不足が見られます。メタボリックシンドロームの原因のひとつになっている糖尿病と食事との関係は、密接なこととなっていることを考え食事療法を進めていただければと考えます。 
国際糖尿病連合はインスリンを発見したフレデリック・バンティングの誕生日である11月14日を世界糖尿病デーとすることを2006年12月20日の国連総会議において決めています。
 健康な人でホルモンの作用が正常であれば血糖値が140mg/dlを超えることはないのですが、血糖値の高い状態が続いて糖尿病を発症してくると血流の不良により手足のしびれ、こむら返りなどの神経障害、足の末端の壊死(糖尿病性壊疽:とうにょうびょうせいえそ)、さらに目の疾患の網膜症が、20年程度で腎障害が出現するといわれています。
血糖値を調節するホルモンのインスリンの分泌が低下し身体に必要なエネルギー源となる血糖を利用できなくなってくると身体に蓄えていた脂肪を分解してエネルギーにすることから体重の減少がみられ重症化していきます。
健康診断でのテステープ等による試験紙法での陰性は、30mg/dl以下で、正常な状態でも10~30mg/dlの糖が尿糖として排出します。
ステロイド剤、妊娠、疲労により一時的に尿糖となることがあります。ブドウ糖を体内でエネルギーとして消費、排泄できないと血糖値が高くても尿糖が陰性になることもあります。尿糖が陽性のときは信頼できる医療機関を受診してください。
 尿糖が陽性の時の可能性は、1)高血糖を伴う場合と、2)高血糖を伴わない場合があります。
血糖値の検査には、採血により血液中のブドウ糖、長期間の血糖を反映するヘモグロビンA1Cの測定を行い高血糖かどうかを判断します。他にも糖尿病に関係する血中インスリン値、グリコアルブミン、フルクトサミン、C-ペプチド(CPR)、ソマトスタチン、1.5-AGなどがあります。
 
1)高血糖を伴う尿糖が陽性では糖尿病の人の場合、血液中のブドウ糖が180mg/dlをこえる状態になると、腎機能が正常でも能力以上に尿細管ですべてのブドウ糖を吸収しきれなくなって尿に糖がでてきます。
2)高血糖を伴わない尿糖には、血糖値170mg/dl以下でも腎機能の低下により腎性糖尿、妊娠腎、新生児の場合があります。一時的な腎性糖尿は疲労などで起こることもあり特に心配はないとしていますが将来的に、約10%が糖尿病になる可能性があるといいます。
 糖尿病が悪化して動脈硬化症等により腎性糖尿病に陥ることもあります。

 高齢者では、反応がでにくく、血糖値170mg/dl以上の高血糖であっても尿糖が陰性になることもあります。腎機能に障害がでてくると170mg/dl以下の場合であっても尿糖が陽性となります。

 定期的に血糖値とヘモグロビンA1C(HbA1c)を測定してもらうようにしましょう。症状には血糖値が上昇してくると血液中の浸透圧が高くなり、水を引きよせ高浸透圧利尿といわれて尿量が増えて多尿、口渇、水をよく飲みたくなるなどの症状がでてきます。
糖尿病では、血糖値をコントロールしていくことが重要なことです。
 ◇血糖値Blood glucose levelは、人体では血液中に0.1%程度存在し空腹時および食後の値は60~160mg/dlの範囲に保たれるよう調節されています。食事によって血中のブドウ糖が高くなると膵臓からインスリンが分泌され、細胞へブドウ糖を取り込ませ、血糖を下げます。
空腹時などで低くなるとグルカゴンが同じく膵臓から分泌され、肝臓などに貯めたブドウ糖を血液中に放出させます。肥満により、ときにはインスリンを使い果たし、血糖値が上昇し糖をエネルギー源として利用できなくなってくると体脂肪、体蛋白を燃焼させることになります。特に脂肪を燃焼させるとケトン体が流出し、ケトン体を分解するのにもインシュリンが必要です。そのインシュリンがなくなり、体脂肪、体蛋白が使われ肥満から体重減少の状態に陥(おちい)り痩せてくると危険な状態となります。
そして血中は、高血糖、ケトン体が増加した状態をケトーシスといいケトン体は、有機酸であり上昇し血液は、酸性に傾きこのことを糖尿病性アシドーシスといいます。この状態が長く続き悪化するとついには意識障害、糖尿病性昏睡状態となって死に至ることもあるのです。
暴飲暴食、無理なダイエットにより起こることもあります。さらに、空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きく、血糖値が乱高下する状態では動脈硬化のリスクが非常に高まることも知られます。
糖質の吸収は、ブドウ糖からグリコーゲンとして肝臓に蓄えられエネルギー源として脳の活性化に重要な働きをしています。グルコースが代謝されるときには、リン酸化され変化していく解糖作用を受けピルビン酸、酸素の少ない時は乳酸になってTCAサイクル(循環経路)に入ってエネルギーを発生しながら二酸化炭素と水に分解されていきます。

◇ヘモグロビンA1c(HbA1c: [ glyco] Hemoglobin A1c )は、赤血球の寿命が120日程度であり血糖、尿糖が正常になるのより遅れることから糖尿病の1~3ヶ月長期コントロールの指標として利用されています。ヘモグロビンとブドウ糖が結合している割合を示し6%以下(4.6%~6.2%)を正常としています。
数値が8%を超えた状態が長く続くと、色々な合併症を起こすといわれています。肥満で糖尿病を誘発する危険性が大きいですから、食生活に気を付け標準体重を維持するように努めましょう。
他には
◇血中インスリン活性:血糖値の変動とよく似た動きをすることから濃度測定をします。空腹時の基準値5-20μU/mlですが空腹時が異常に低値の場合は、1型糖尿病(インスリン依存型糖尿病)が、空腹時が正常でブドウ糖負荷試験の2時間値が低い場合には、2型糖尿病(インスリン非依存型糖尿病)が考えられます。
◇グリコアルブミンGA:血液の中のアルブミンにブドウ糖が結合してできる糖化タンパク質です。タンパク質が破壊される寿命から過去1-2週間くらいの平均血糖値を示します。基準値12.3-16.5%です。
◇フルクトサミンFRA:基準値200~280μmol/l 血中のタンパク質にブドウ糖が結合した糖化タンパク質です。過去1~2週間の平均血糖値を反映し高血糖が続くと高値を示します。
◇C-ペプチド(CPR C-peptide immunoreactivity):膵臓でインスリンが作られる時に出来る物質で尿や血液中の量を測ることで膵臓から分泌されるインスリンの量を推測します。基準値は、血中で1.2-2.0ng/ml ・尿中で24-97μg/日 です。
◇ソマトスタチンSomatostatin:基準値血中1~12.0pg/ml、ランゲルハンス島からも分泌されインスリンやグルカゴンなどのホルモンの分泌の抑制に働きます。
◇1.5-AG (1.5-Anhydro-D-glucitol  1.5アンヒドログルシトール):1.5-AGは、ポリオールという物質のひとつで、ブドウ糖と構造がよく似ており、ブドウ糖に次いで多く含まれる糖で食物に含まれています。血糖が高くなれば、血液中の1.5AGは低くなり、血糖が下がれば1.5AGは血中で増加するので軽度な高血糖、悪化の状況がとらえられます。この量が一定量より増えると尿に排泄され軽症な糖尿病の過去1週間くらいの平均的な血糖値を示します。基準値は女性12-29μg/ml、男性15-45μg/mlです。
など指標として利用されています。
 
 尿定性法の試験紙は栄養ドリンクなどのビタミンCの影響を受けて、偽陰性となることがあります。尿糖は食事によっても、影響を受けますので、基本的には、早朝空腹時尿で調べるようにしましょう。日本糖尿病学会が2010年7月より新しい診断基準を示し空腹時血糖値126mg/dl、HbA1c:6.5%以上で糖尿病との診断をしています。
 
 糖尿病は初期には自覚症状がほとんどありません。血糖値、尿糖などの測定で異常値がみられたら、定期的に検診を受け、食事療法、運動療法、必要に応じて薬物療法を行います。
糖尿病の薬剤として経口血糖降下剤はインスリンの分泌をよくすることから一般に食前に服用します。低血糖の症状の冷や汗、脱力感などを起こすことがあります。その時には、氷砂糖を口に含むようにします。
糖吸収抑制(αグルコシダーゼ阻害)剤は食前に服用し低血糖になったら氷砂糖より吸収の早いブドウ糖(単糖類)液を飲むことがすすめられています。
インスリン注射は、インスリンの分泌が少ない主にⅠ型(インスリン依存型:Insulin-dependent diabetes mellitus・IDDM)の患者におこなわれています。
インシュリンInsulin は、すい臓のランゲルハンス島islets of Langerhans から分泌されるホルモンで血糖値を上げない作用があります。糖尿病では食事量に対するインシュリンの不足によって起こっています。
インシュリン注射によって、低血糖を起こし立ちくらみ、ショック症状を起こすこともあり取り扱いは慎重に行います。I型糖尿病は、主に若年での発症しHLA(自己免疫的因子)を持つ人に多く、インスリンを分泌している自らの膵臓を攻撃するためと考えられている自己免疫性の疾患ですが、まれに自己免疫反応の証拠のないI型糖尿病もあります。

  肥満、メタボリックシンドローム、遺伝によって引き起こされているII型のインスリン非依存性糖尿病Non-insulin dependent diabetes mellitus: NIDDMは、インスリンの作用、分泌不足によって起こることから、インスリンを節約できる対策が必要になるのです。
II型糖尿病の発症には、インスリン抵抗性が強く関与してインスリンの働きを受け付けなくなったり、受けつけにくくなり、細胞組織で正常に働かなくなることです。
栄養バランスの適正な配分の取れた食事が必要とされます。エネルギー比で糖質50~60%、タンパク質15~20%、脂質20~25%、ビタミン、ミネラルが推奨量を満たしていることが大切なことで基本です。糖質は、1日最低100g、ご飯315g(軽く茶わん2杯半)相当は取る必要があります。ブドウ糖の過度の不足によって脳のエネルギー不足によりアミノ酸(最初血液→筋肉→肝臓)より糖新生より各組織にダメージを与えます。糖質をコントロールする栄養を日常的に十分に摂りましょう。血糖値を正常に保つためには充分なタンパク質、ビタミンA・B1・E、ミネラルの亜鉛・セレン・クロム・マンガンの類が必要です。
でん粉質で糖質を多く含む食品、粒子の小さい粉食、消化吸収のよいものは、タンパク質、脂質、食物繊維などとの混合食とすると吸収が緩やかになるといわれます。最近では、GI値の低い食品なども考えられています。基本を守った上で最初の食事前に水分、食物繊維(野菜、こんにゃくなど)の摂取してみたりして加減することもいいでしょう。
  血液中にインスリンが過剰にある状態が続いてしまうと、インスリンの血糖を下げる機能が低下してきます。すい臓は大量のインスリンをどんどん分泌していくことによって生成機能にも限界がでてくるのです。
一般に食品交換表を用いた食事療法が進められます。
  • 栄養のバランスを考え糖質を制限した摂取エネルギー量(個々の症状・運動、仕事の軽、重によって異なる)を制限した食事になります。食べて悪い食品は、ありませんが食べられる量が制限されます。
  • 表1から表6までありますので、交換は、表の範囲内で行います。すべて交換表に示されている量は、80Kcalです。これを交換の1単位としています。必ず一度は計りで測ってから目安を覚えるようにして下さい。
      主な食品の1単位=80Kcal量(可食部)
表1(穀物等)米飯50g・25g・全粥110g・もち35g・食パン30g・茹麺80g・茹そば60g・生中華麺30g・里芋130g・ジャガイモ100g・西洋かぼちゃ110g
表2(フルーツ)りんご150g・バナナ100g・いちご250g・プリンスメロン200g・なし200g・かき150g・モモ200g・ぶどう150g・パインアップル150g・キゥイフルーツ150g・みかん200g・レモン200g
表3(タンパク質の多い食品)たら100g・しらうお100g・かれい80g・すずき80g・鯛80g・鯵60g・かつお60g・いわし40g・40g・40g・ブリ30g・あさり150g・カキ100g・イカ100g・タコ80g車海老80g・蟹100g・鯵開き60g・しらす干し40g・かまぼこ80g・牛モモ肉60g・牛ばら肉・40g豚ヒレ肉60g・とりささみ80g・皮なし鶏モモ肉60g・鶏挽肉40g・ロースハム40g・ウインナソーセージ30g・鶏卵
50g・フロセスチーズ25g・木綿豆腐100g・絹ごし豆腐140g・生揚げ50g・油揚げ20g・納豆40g
表4(乳・乳製品)牛乳120g・無糖ヨーグルト120g・スキムミルク20g
表5(油脂類) 植物油10g・マーガリン10g・マヨネーズ15g・生クリーム20g・ベーコン20g・胡麻15g・ポテトチップ15g・くるみ10g・アボガド40g
表6(野菜・きのこ類)緑黄色、淡色野菜を色々組み合わせ300g・きのこ・こんにゃく・海草
調味料ー味噌40g・味醂35g・砂糖20g・トマトケチャップ60g
食料構成 1200Kcal(エネルギー量1200Kcal.糖質155g.タンパク質62g.脂肪39g)g.
 
食料構成 1440Kcal(エネルギー量1440Kcal.糖質209g.たんぱく質68g.脂肪39g)
 
食料構成 1640Kcal(エネルギー量1640Kcal.糖質227g.たんぱく質79g.脂肪48.5g)
 
食料構成 1800Kcal(エネルギー量1800Kcal.糖質263g.たんぱく質83g.脂肪48.5g)
 
 

料構成 1200Kcal(エネルギー量1200Kcal.糖質155g.たんぱく質62g.脂肪39g)

交換表    表1  表2           表3  表4   表5  表6   調味料
単位    6   1            4  1.5     1   1      0.6
食品別   米飯 りんご  魚   肉      卵   豆腐  牛乳   油脂 野菜類  味噌   砂糖
目安 茶碗軽く3杯 小1個 1切れ 薄切れ1枚 小1個 1/3丁 1パック 大匙軽く1杯 緑黄色野菜
100g
淡色野菜200g
小匙2杯 小匙2杯
数量  300g 150g  80g 60g     50g  100g   180g   10g 300g   12g   6g

                                           

 

食料構成 1440Kcal(エネルギー量1440Kcal.糖質209g.たんぱく質68g.脂肪39g)

交換表    表1  表2           表3  表4   表5  表6   調味料
単位    9   1            4  1.5     1   1      0.6
食品別   米飯 りんご  魚   肉      卵   豆腐  牛乳   油脂 野菜類  味噌   砂糖
目安 茶碗軽く
4.5杯
小1個 1切れ 薄切れ1枚 小1個 1/3丁 1パック 大匙軽く1杯 緑黄色野菜
100g
淡色野菜200g
小匙2杯 小匙2杯
数量  450g 150g  80g 60g     50g  100g   180g   10g 300g   12g   6g

                                                         



食料構成 1640Kcal(エネルギー量1640Kcal.糖質227g.たんぱく質79g.脂肪48.5g)

交換表    表1  表2           表3  表4   表5  表6   調味料
単位    10   1            5  1.5    1.5   1      0.6
食品別   米飯 りんご  魚   肉      卵   豆腐  牛乳   油脂 野菜類  味噌   砂糖
目安 茶碗軽く
5杯
小1個 2切れ 薄切れ1枚 小1個 1/3丁 1パック 大匙軽く
1.5杯
緑黄色野菜
100g
淡色野菜200g
小匙2杯 小匙2杯
数量   500g 150g 120g 60g     50g  100g   180g   15g 300g   12g   6g

                                                            



食料構成 1800Kcal(エネルギー量1800Kcal.糖質263g.たんぱく質83g.脂肪48.5g)

交換表    表1  表2           表3  表4   表5  表6   調味料
単位    12   1            5  1.5    1.5   1      0.6
食品別   米飯 りんご  魚   肉      卵   豆腐  牛乳   油脂 野菜類  味噌   砂糖
目安 茶碗軽く
6杯
小1個 2切れ 薄切れ1枚 小1個 1/3丁 1パック 大匙軽く
1.5杯
緑黄色野菜
100g
淡色野菜200g
小匙2杯 小匙2杯
数量   600g 150g 120g 60g     50g  100g   180g   15g 300g   12g   6g

                                              

 
 
 
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