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[炭水化物] 食生活について語ろう

2019年10月23日 | 美容ダイエット
◎炭水化物Carbohydrate  たんすいかぶつ
  炭水化物は、主に植物中に貯蔵物質、またその骨格成分として多数、多量に存在し、動物のエネルギー源ともなる重要な化合物です。人体、動物の構成成分としての炭水化物は、極めて少なく体重の0.5%(250g/50kg)程度で脂肪蛋白質に比較し非常に少なくなっています。その97%はグリコーゲンのかたちであり、残りの3%がグルコースです。
基本的に炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3元素より構成し、以前は炭素の水化物としてデオキシリボースC5H10O4、ラムノースC6H12O5などの一部を除きCn(H2O)mと表され、HとOの割合が2:1になっている物質として炭素と水とが化合した含水炭素であることから命名していました。
しかし実際は炭水化物でない元素組成上(例 C2H2O:酢酸・C3H5O3:乳酸)からだけのもの、炭化水素との区別しなければならないこともあって糖質Glycide・Glucideともいわれ炭水化物としています。
炭水化物は、性質と構造上から多価アルコールのカルボニル(-COOH)誘導体とその縮合物と定義され、単糖類、小糖類、多糖類(単一多糖類:複合多糖類)に分類できます。
単糖類Monosaccharide
  加水分解を受けない基本的な糖で、多価アルコールの水酸基のひとつが酸化されてアルデヒド基Aldehyde(R-CHO)を持つ糖をアルドースAldose、ケトン基Ketone(R-CO-R')を持つ糖をケトースKetoseと呼んでいます。1分子中に存在する炭素の数によって、1分子に3原子の炭素を含むものを三炭糖といいます。天然では、ほとんどが五炭糖と 六炭糖で占められています。さらに、これらのふたつを組みあわせてアルドヘキソースは、アルデヒド基を有する炭素数6個の単糖類、ケトヘキソースは、ケト基を有する炭素数6個の単糖類などと呼ぶこともあります。
一般に水溶性の結晶で甘味があり、還元性があることから、銀鏡反応、フェーリング反応が陽性になります。
還元糖(天然では単糖類のグルコース、アラビノース、フラクトース、キシロース、リボース等のほとんどが含まれる)ではアミノカルボニル反応を起こし、他にカラメル化により褐色物質を生じます。カルボニル試薬と反応してカルボニル基とヒドロキシアミンとの縮合によってできる結晶性の化合物のオキシムOxime、カルボニル化合物とフェニルヒドラジンとの反応で生成するフェニールヒドラゾンPhenylhydrazone、オサゾンOsazone(黄色い結晶)を生じます。これらの反応は単糖類の同定、定性に利用しています。
 さらにD、L、α、β型が存在しますが、二糖類や多糖類に含む単糖類はほとんどがD型です。 不斉炭素原子についている水酸基が右にあるものをD型、左にあるものをL型としています。
一般に四炭糖以上の糖では分子内に2個以上の不斉炭素原子をもっています。この場合のD、Lの決定は炭素原子の中で最もカルボニル基から離れている不斉炭素原子についている水酸基がD-グリセリンアルデヒドと同方向の右にあるものをD型とし、L-グリセリンアルデヒドと同じ左方向のものをL型としています。
一般に四炭糖以上の糖では、その糖のアルデヒド基、またはケトン基と分子内の4位、5位、6位の炭素原子につく水酸基水酸基とが結合してセミルアセタールSemi acetalを作り、そのための環状の構造を持つようになります。この場合にカルボニル基を作っていた炭素原子に新しく水酸基ができるので、この炭素は不斉炭素原子となり、2つの異性体を生じます。この異性体のうち、新しい水酸基が、その糖のD、Lを決める不斉炭素原子につく立体配置により水酸基と同じ方向にある場合をα型、逆の場合をβ型としています。このα、βの異性体をアノマーAnomerといいます。一般に糖の水溶液中には、α、βの2つの型のものが平衡状態で存在します。

◇三炭糖Triose  C3H6O3は、分子量の最も小さい単糖類です。
 グリセルアルデヒドGlyceraldehyde, ジオキシアセトンDihydroxyacetone
◇四炭糖Tetrose C4H8O4
  トレオースThreose,エリトロース Erythrose
◇五炭糖Pentose C5H10O5は、植物中の多糖類ペントザンPentosanの成分として見出されていることが多くあります。
 L-アラビノース、D-キシロース、D-リボース
◇六炭糖Hexose C6H12O6は、最も重要な単糖類で遊離の状態、少糖類、多糖類の構成成分として自然界に広く分布しています。
  Glucose, Galactose,mannose,Fructose
単糖類の誘導体に、アルドン酸、ウロン酸(グルクロン酸・マンノウロン酸・ガラクトウロン酸)、糖アルコール、イオウ糖、アミノ糖、配糖体、燐酸エステルがあります。

小糖類Oligosaccharide
  単糖類が2~10個程度結合したものです。
二糖類Disaccharide C12H22O11は、単糖類分子から水1分子とれた、いわゆる配糖体結合をしたもので3種あります。単糖類と同様に一般に水にとけ、旋光性があります。一部を除き酵母による発酵作用を受け、エタノールまたは有機酸を作ります。甘味は糖の種類によって異なり、いずれも六炭糖が2個縮合した分子式を持っています。
  麦芽糖Maltose,乳糖Lactose,ショ糖Sucrose

三糖類Trisaccharide C18H32O16の天然に存在するものとしては綿実、ビートにみられます。
  ラフィノースRaffinoseが、ガラクトース、グルコース、フルクトースより合成され、還元性は、ありません。

四糖類Tetrasaccharide C24H42O21
  豆類にあるスタキオース、Stachyose ニンニクにあるスコロドースScorodoseが有ります。

多糖類Polysaccharide
 多数の単糖類が結合したもので、一般に結晶しにくく、甘味がそのままでは感じられません。分子量が極めて大きく、構造も複雑になっています。多糖類の中で一種類の単糖類からのみできているものを単一又は単純多糖類といい、これに対し2種類以上の単糖類、または糖の誘導体を含むものを複合多糖類と呼んでいます。
単一多糖類SimplePolysaccharide  
分解産物がグルコースの(C6H10O5)n:でん粉Starch(α-D-グルコースの重合体)・デキストリンDextrin・セルロースCellulose(β-D-グルコースの重合体)、動物澱粉ともいわれるグリコーゲンGlycogen,デキストランDextran,プルランPulluan(糊料)
  でん粉の溶液は、ヨウ素によって強い青色の沃素でん粉反応を示します。希酸(うすい酸)と共に熱するとデキストリン→麦芽糖へと変化して行きます。
分解産物がフルクトースのイヌリンInulin
分解産物がキシロースの(C5H8O4)n:キシランXylan

◇複合多糖類ConjugatedPolysaccharide
ヘミセルロースhemicellulose、アルギン酸Alginic acid、ペクチンPectin、マンナンMannan、カンテンAgar-agar、ムコ多糖類Mucopolysaccharide( ヒアルロン酸 コンドロイチン硫酸など) キチンChitin 

 食品として利用する炭水化物は、でんぷんが主に用いられ口腔内でプチアリンPtyalineによって一部がデキストリンと麦芽糖に、大部分は、小腸でアミロプシンAmylopsin(膵アミラーゼ)によってデキストリンが麦芽糖に分解されています。
さらに腸液中のオリゴグルコシターゼOligo1.6glucosidaseによってさらに分解を受け吸収されやすい少糖類となって、この少糖類、麦芽糖は、アミラーゼ、マルターゼによって分解を受け、これらの消化酵素によってD-グルコース、D-フラクトース、ガラクトースとなって最終的に炭水化物の消化吸収が完了します。
ショ糖は、腸液中のインベルターゼによって分解されるとD-グルコースとD-フラクトースになります。乳糖は、腸液中のラクターゼによって分解されD-グルコースとD-ガラクトースになり炭水化物としての消化を完了させます。消化吸収を受け単糖類となったものは、門脈を通り肝臓に達し、グルコースは、肝臓で酸化分解してエネルギーを発生させ、さらにグリコーゲン、脂肪に変化して貯えられています。
フラクトース、ガラクトースはグルコースに変化してから代謝を受けます。一部は、他の組織に移動してエネルギーの供給に、あるものは必須でないアミノ酸の合成にも関与しています。1g≒4kcalのエネルギーを発生させます。

人体では、でん粉、ショ糖、グリコーゲンなどが加水分解して単糖類となって1g当り4kcalのエネルギー源とし吸収されています。
炭水化物は、食事摂取エネルギーの基準の18歳以上で、必要量女性2350~1350kcal、男性3050~1600kcalの50~70%として、食事の半分以上を摂取しているのです。
グリコーゲン、澱粉質以外の多糖類は腸内の微生物によって一部が分解、吸収され微生物によるビタミンB群の合成能力を高めます。さらにセルロース、アルギン酸の類は、腸の蠕動運動を刺激し便量を増やします。多くは人のエネルギー源とはなりにくいとしています。
  炭水化物は食品として、体内での身体の機能に重要な役割を果たしていることが解ります。過剰でも、少な過ぎてもいけません。身体全体の大事なエネルギー源として常にバランスのよい食生活が私たちの身体にとって最良の健康維持のための食事のようです。


 
[2019.10.23]
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