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[骨粗鬆症の食事]食生活について語ろう

2022年02月01日 | 食事療法

・骨粗鬆症の食事Osteoporosis-diet こつそしょうしょうのしょくじ
 路面が氷結して、足元がおぼつかなくなって転倒の事故が多い季節です。丈夫な骨を常日頃から作っておくことが大切です。骨粗鬆症予備軍は、推定2000万人ともいわれており以前から高齢者(寝たきり100万人のなかで骨折の原因が20%とされる)、女性に多いといわれていた骨粗鬆症(オステオポローシスOsteoporosis)です。
それが最近では子供達にまで広がっています。男性でも緩やかに起こっています。骨粗鬆症とは、どのような疾患なのか、どうしてそのようになってしまうのか、予防策について取り上げてみました。
 骨に粗(あら)く、鬆(しょう・す)は空洞で水分の抜けた大根、ごぼうなどにできる細(こま)かい多くの穴のことで、その状況が骨に現れている症状、病気の状態のことです。骨基質の約90%がコラーゲンで残りの10%で非コラーゲン性のオステオカルシンOsteocalcin(カルシウム結合性タンパク質)、オステオネクチンosteonectin.( リン酸化糖蛋白質)等で占められています。
これらの骨基質にハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウムの結晶)が沈着石灰化して骨の組織を形成しているのです。軟骨は特有の弾力と硬さを持っていて圧力に対して抵抗性があります。関節軟骨が加齢や摩擦により質的、量的に変化し、炎症を起こしてしまった状態は変形性関節症といわれるものです。
高齢者の腰痛、背痛(はいつう)の原因ともなり、寝たきりになる原因として、脳卒中、老化によるものがありますが骨折も上位に位置しています。若者層の女性に過度なダイエット、閉経による女性ホルモン(エストロゲン)のアンバランスによりカルシウム(人体のCaの99%が骨に存在)の吸収がスムーズに行われなくなって骨粗鬆症に陥り骨折しやすくなるようです。
骨は20歳位で骨量がピークに達するといわれています。その後穏やかに減少をして閉経後の50歳ごろより急速に減少するといいます。青年期までに丈夫な骨を作っておく必要があるのです。
最近の子供達は、外で遊ぶことが少なくなって家に引きこもり運動不足となって日光に当たる機会も少なくカルシウムの吸収を高めてくれるビタミンDの取り込みが悪くなってきます。
そして加工食品(品質改良剤、結着剤として利用されているリン酸塩は、体内のカルシウムとのバランス、ミネラルの吸収を阻害する)の利用が多くなりリン(P)の過剰摂取によりカルシュウム(Ca)の吸収を悪くしています。
 100g中の加工食品のリンの比較をしてみました。
豚肉200mg:ロースハム340mg  馬鈴薯40mg:ポテトチップ100mg  あじ230mg:魚肉ソーセージ200mg
以上のことからロースハム、ポテトチップからのリンの取りこみが多いことがわかります。
 
 カルシウムの必要量は糞便、尿中へ230mg、発汗で30mgの排泄され、消化吸収率、安全率を考慮しておおよそ600mgとして定めています。骨粗鬆症では、今までの不足を補うこともありカルシウムの所要量を1000mg/1日とします。
カルシウムは、体重の1~2%(体重50㎏の成人で約1㎏)含み体内に最も多く存在するミネラルです。その99%はリン酸と結合したリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)として骨や歯などの硬組織に存在しています、残り1%が血液(濃度:8.5〜10.4 mg/dL)、筋肉、神経などの軟組織にあります。
 一般常食でのカルシウムの吸収率は、35~60%といわれ身長の伸びの著しい時期である思春期の吸収率、乳製品からの吸収、利用の効率は高いですがその他の食品からの吸収率は、20~40%程度です。蓚酸(ほうれん草)・フイチン(穀類)を多く含む食品もCaの吸収を悪くします。さらに含硫アミノ酸(メチオニン、システイン)の酸が酸を中和するために骨を使用することにより骨のカルシウムを流出させます。
国民栄養調査から平成30年(2018year) 国民健康・栄養調査で全体でカルシウム基準値600mgとして摂取量は平均505mg(女性497mg・男性514mg)、20代の女性は384mgと極めて少ない状況です。ほとんどの年齢層で不足しています。
骨量(bone mass・骨密度・骨塩量:骨に含まれるミネラルの量)は、30歳代でピークに達してその後は穏(おだ)やかに減少に傾くようです。10~20歳代で骨量をできるだけ高くしておくことが骨折を食い止める為に大切なことといえるのではないでしょうか。
 骨量の測定は、検診で手軽にできる超音波による方法、DEXA(Dual energy X-ray Absorptiometry)法などのX線による方法は数種あるようです。生涯の最大骨量を示す40歳を頂点とし放っておくと基準値の50%以下にまても降下するといわれます。70%未満に落ち込んできた段階を骨粗鬆症と診断し定義しているようです。
  新しい血中の骨代謝マーカーが最近2004年より単なる骨密度の代わりの指標ではなく新規骨折のリスクの指標になるとし治療薬の効果を評価する必須の手段として用いられてきています。従来骨密度と連動し、その代わりとなる指標で新規骨折のリスクの指標とし治療の効果を評価する手段の一つとしていました。
骨粗鬆症や他の骨代謝性疾患において血清BAPおよび血清・尿中NTX、CTX、尿中DPD(デオキシピリジノリン)測定を報告しています。これらの骨代謝マーカー測定は骨量変化(BMD)の予測、骨吸収抑制治療開始前後の骨吸収変化の指標とし使用しています。
 骨がもろくなるということは、血液中のCa濃度を一定に保とうとする為骨に蓄えられていたCaが血液中に流失してしまいその為に入ってくる形成するCaは少なく出ていく古くなった破壊されるCaばかりになって骨格の方がもろくなるという現象です。また女性ホルモンの低下によって骨密度が急速に低下することも解っています。
適度な運動をすることによって骨格への刺激が伝わり新陳代謝を高めることになり骨の形成を促進させることになるのです。運動のやり過ぎは、反対に疲労骨折を起こしやすくし禁物です。
 骨は常に生まれ変わっています。三年で再生されるともいわれます。健康な骨を作るためにはやはり栄養のバランスが取れていることです。リコピンが、Caの流出を防ぐことが最近分かってきています。
カルシュウムの吸収をよくするにはビタミンDばかりでなくいろいろの栄養素(蛋白質・マグネシュム【Mg】・リン・ビタミンC・D・K)が絡み合っているのです。骨を作るのに関係する主な栄養素について解説してみましょう。
リン(P):リンもカルシュウムの沈着には大切な働きをしているのですが最近は、過剰に摂取されているということで悪者になってしまいました。欠乏でも過剰でも骨折しやすくなります。Caの2倍を超えると骨からCaが抜けていきます。Ca:P=1:1から2の割合が望ましいのです。リンとのバランスが大切なわけです。
体内に700gも存在するといわれ骨格中にその85%を占めCaとともに骨格を形成しています。欧米で日本より骨折の多いのは蓄肉食が多くCaとPの比率が悪く蓄肉からのPの摂取がCaの2倍以上と過剰になって流出しているからといわれています。
マグネシュウム(Mg):体内のMgの70%が骨格中リン酸マグネシュウムの形で存在しMgの代謝は、Caと関係しておりCaの構成要素となっているのです。
亜鉛(Zn):皮膚、骨格にも存在し、蛋白質の代謝に関係し酵素の構成成分となっています。細胞の代謝を促し活性化させ新しい骨を作りやすくして骨の骨密度を高め強化しCaの沈着を促進させる働きをしています。
ビタミンC:カルシウムの沈着、丈夫な骨の形成に必要な働きをしています。
ビタミンD:カルシウムを吸収するのに重要な働きをしています。1日10分程度の日光浴で充分といわれます。
ビタミンK2:骨に含まれるオステオカルシン(カルシウムを吸着させる骨蛋白質:骨基質蛋白質)の生成に関与しています。
蛋白質:コラーゲンの生成に重要な働きをしています。グルコサミン、コンドロイチンの構成成分ともなっています。
グルコサミン:グルコースより合成されているアミノ糖であり糖蛋白質の成分です。甲殻類(えび・かに)に含まれるキトサンの別名でありコンドロイチン、ヘパリン(ムコ多糖類・体内にある血液凝固を阻止する物質として一般に抗凝固剤として使われる)、ヒアルロン酸(ムコ多糖類・粘りのある粘質多糖類)の構成成分となっています。軟骨の形成を促し鎮痛作用があります。
コンドロイチン:軟骨、骨、じん帯など結合組織に存在しており、軟骨の保水を維持し軟骨分解酵素の働きを抑制する作用を持っています。
クエン酸:クエン酸がビタミンD欠乏であっても骨の形成がおこなわれることがわかっています。血清中のCa、P(りん)量はクエン酸量と比例しています。
 カルシュウムを効率よく摂取する為にはやはりいろいろの栄養素をバランスよく取ることが大切なことのようです。現在の食生活においては、上記に記された栄養素のなかでもカルシュウムの不足によって骨粗鬆症に陥っているケースが多いようです。最近は、らっきょうのフルクタン、りんごに含まれるボロンBoron(ホウ素)、フロリジンPhlorizinのポリフェノール、大豆製品がエストロゲンの吸収を高めるともいわれます。大豆の胚芽部分に多いイソフラボンが植物性エステロゲンともいわれ、大豆製品を多く摂取していた日本人は、欧米人に比較し骨折率が1/3であるとの報告があります。
ちなみに、カルシュウムの摂取は、欧米の1/2程度なのです。エストロゲンの働きを高めるものとしてビタミンD.Kが必要ともいわれます。酢がカルシュウムの吸収をよくするといわれます。コラーゲン、グルコサミン、コンドロイチンが水分、カルシュウムを包み込んで丈夫で健康な骨や軟骨を形成しています。
 バランスのとれた食事をしながらより多くのカルシュウムの多く含まれている食生活が望まれます。どのような食事をしていったらいいのか考えてみましょう。カルシュウムを多く含む食品は、なんといっても乳製品です。一回に食べられる量で見てみます。
 牛乳150cc:165mg・粉乳(スキムミルク)20g:220mg・調整粉乳20g:74mg・チーズ20g:126mg・胡麻10g:120mg・豆腐100g:120mg・納豆50g:45mg・卵50g:26mg・野沢菜60g:78mg・大根葉60g:102mg・京菜60g:126mg・モロヘイヤ30g:78mg・ひじき5g:70mg
 高齢者に多い乳糖不耐症(牛乳を飲むとお腹がゴロゴロして下痢しやすい)のときは、暖めて少量ずつ分けて飲むように又はスキムミルク、チーズ、ヨーグルトで取るようにしたほうがよいでしょう。乳糖不耐症は、乳糖が分解吸収できないために起こるもので、調整粉乳は、βー乳糖、平衡乳糖(変旋光:へんせんこう)にすることによって吸収阻害を軽減させているといえます。
最近では、牛乳に乳糖加水分解(牛乳中の乳糖をグルコースとガラクトースに分解されたもの)ミルクとして分解酵素ラクターゼを加えた乳糖分解乳としたものもあります。ちなみに豆乳のCaは、23mg/150ccです。
食事からの過剰摂取は起こりにくいですが、サプリメントなどによる過剰摂取でマグネシウムやリン酸などの吸収が妨げられ、泌尿器系結石を起こすことがあります。
カルシウムサプリメントの使用により、心血管疾患のリスクが上昇することの報告があります。
運動・睡眠・栄養のバランスを常に意識しましょう。

 


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