「キッパリ!」

2021年10月30日 | 短歌
かなりの著名人で読書家でもあるらしい人が、新聞でのインタビューで、これまでにいちばん影響を受けた本はと問われて「キッパリ!」を挙げていた。ちょっと意外な感じがした
古今東西に名著といわれるものは星の数ほどあるだろうに、「キッパリ!」かよ!?と、つい思ってしまったのである

「キッパリ!」はかなり前に売り出され、よく売れた本である。それで文庫化され、さらに売れ続けたのだと思う。テレビの情報番組でもとりあげられたりもした。でも今では手に取る人もまれであろう。ブックオフでも見かけることは、困難である

「キッパリ!」は5分間で自分を変えられるとして、60の提案を掲げている。提案の内容は多岐にわたり、しかもありきたりではない
いま読み返してみると、生活・人生を質のよいものにしようとするヒントが書かれた実用書であり、自己啓発の本でもある
著者は、当時山口県在住の2児の母、1級建築士でありイラストレーター、漫画も手がける人と紹介文にある

すぐ友達を呼べる家にする、というページを開くと、ある3ヵ所だけキレイにすれば訪問者の印象がよく、気持ちよく過ごしてもらえるとある
①玄関 ②トイレ ③テーブルの上、をきれいにしておけば、あとは多少散らかっていても、友達との交友が楽しめるという
コロナ禍で人を呼ぶことが少なくなってしまい、家じゅう散らかり放題のわが家ではうってつけの提案である

中には、ホントにその提案でいいの!と突っ込みたくなるような、反道徳的とも思える提案もある

◇ 「キッパリ!」◇
ダンボール箱の底より
一冊を取り出し楽しむ
きょうは「キッパリ!」

※ この項、次回に続く






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続・騒音被害者

2021年10月25日 | 短歌
マンション住まいのM氏は、夜10時すぎ2週連続して警官の訪問を受けた。いずれも2人組だったが顔ぶれは違っていた

最初の時は、マンション内で子供の騒ぐ声がするというものであった。そういう通告があったのだという

次の週に来た警官は、M氏が部屋の中を歩き回っていなかったかと尋ねた。足音が響いてうるさいという苦情があったのだという

M氏は、「先週と騒音の内容が違いますね」と言ったところ、警官たちはキョトンとしていた。前の週に彼らの同僚たちが、同じような問題で同じマンションの住民たちを尋ねていたことを知らなかったのである
市内をパトカーで巡回していた彼らに、110番の司令室から現場に直行せよとの指令が届き、そのままM氏のマンションに飛び込んだのであろう

騒音被害を通告したX氏がだれなのかM氏は知らない。警官が教えてくれないからである
このことも腹立たしいが、この後のことについて、警官たちから一切事後報告がないことも気になる
いったいこの事件は解決したのか、それともM氏は今なおX氏から騒音発生源と目されているのか、スッキリしない

X氏は2週にわたって違う種類の騒音を通告した
X氏は現実にその音を聞いたのだろうか、という疑念をM氏は抱き始めている
現実には存在しない音や声が聞こえる精神疾患があるということを、何かで読んだことがあるからである

警官・警察からその後の報告がないこと、X氏が普通の人ではないかもしれないという疑念
M氏は、最近夜中に目が覚めると、それらのことが思いうかんで眠れなくなることがあるという

M氏のような騒音被害者もいるのである

◇ 騒音被害者 ◇
加害者の疑いあるとて
尋問をさるうち
ある者は被害者となる


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騒音被害者

2021年10月20日 | 短歌
マンション住まいのX氏は騒音被害に悩まされている

どの部屋からであろうか、夜十時ごろだというのに、子どもの騒ぐ声がしてくる
たび重なるので、その日は思い余って110番に通報した
これを受けた警察は、2人の警官をさし向けた
彼らはX氏の住戸の上下左右いくつかの部屋のピンポンを押し、該当の部屋を突き止めようとした

さらに翌週X氏の部屋に、今までも時々あったのではあるが、人の歩きまわる音がどこからか響いてきた
夜間のことなのでX氏はたまらず、またも警察に連絡した
付近を巡回中のパトカーの警官2人が、前の週と同様にX氏周辺の住戸を回った。今回も夜十時すぎのことであった

X氏と同じマンションに住むM氏は、2週続けて警官2人の訪問を受けた。それも夜十時すぎ、翌朝の仕事が早いので、まもなくとこに着こうとする時間帯であった

◇ 騒音被害者 ◇
いささかの 遠慮もなしに
寝る前を ピンポン押すなり
業務の巡査は

(この項、次回につづく)

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頭の体操

2021年10月15日 | 短歌
土曜とか日曜の新聞に載っているクイズ
ゴバンの目に並んだマスの中に数字を埋めていくやつ
数独とかナンプレとか呼ばれています

専用の手帳に、数紙に載った問題を切り抜いて貼るか、書き写しておき
1日おきぐらいに、解いていきます
ボケ診断のつもりでやっています
解き方が分からなくなったら、ボケ状態に突入という訳です

どんなに難しい問題でも、時間をかければ必ず解けます
ですから、解けないからボケなのではなく
数字盤を目のまえにして、ナニコレ?となったときがボケなんだと思います

幸いにして、いまそういう状態ではないようです

◇ 頭の体操 ◇
義務として やるのではなく
面白い側面もある
数独挑戦

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父からの駒

2021年10月10日 | 短歌
父の晩年のある日、たまたま将棋のことが話題になったことがあった
そのさい、父は押入れから小さな桐の小箱を取り出してきた。言葉少なに、持っていてくれとそれを手渡してくれた
それが将棋の駒であることはすぐに分かった

父は少年のころ、将棋のプロを目指したことがあったらしい
寝ても覚めても将棋のことで頭の中はいっぱいだったのであろう。はた目には、ノイローゼのようにうつるようなことがあったのかもしれない
心配した母親から将棋への道を閉ざされてしまった

後年いつのころからか、父の手元に将棋の駒があることは知っていた。それもかなり高級なものであるらしいことも
誰かと実戦をするという様子もなかったので、あるいは老後の趣味のつもりで入手して、そのままになってしまったのかもしれない

いま藤井聡太・ニ冠が竜王戦に挑んでいる。その彼は詰将棋への研鑽で力をつけたとのことである
三冠を目指す彼が、きょうは一勝を挙げたと報じられた。こんなときに、父から譲り受けた駒のことを思い出す

明日は詰将棋の本を広げて見ようか。父から譲り受けた小箱は本棚のすみにある
中の駒を手にすれば、親不幸をしてしまった父への供養になるかもしれない、そんな思いで・・・

◇ 父からの駒 ◇
父からの駒に目がゆく
一勝を挙げし聡太の
報じらるれば

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