安全に楽しく

そのボウリング場は街中から外れたところにある
車でないと行く気にならないような所にある
だから平日の午前中は、いま学校は夏休みだというのに、
三レーンに一組ぐらいしか客がいない
そのうちの半数は一人で楽しんでいる

いま、コロナの勢いがとまらないご時世であるが
一人ボウリングほど安全なスポーツはないと思う
施設や用具は消毒されており、始める前には体温を測ってくれる
広い空間であるが、空調が効いており
コロナはおろか、熱中症の心配もない
そこでマスクをして、ボールを転がすだけである

ボウリング自体を楽しむためにやっているので
一人でやっていても寂しくない
いろいろ工夫したり考えたりしながら転がすのが楽しい
初心者でヘタッピーであるが、それでも楽しい

◇ 安全に楽しく ◇
いちおうは体操をして
まずは軽く転がしてみる
わがボウリング

五輪始まる

オリンピックが始まってしまった
案のじょう人心はゆるみ、世の中は、お祭りの気分が蔓延している
昼も夜も、人出は増しているという

一方コロナウィルスもおとなしくしていない。感染者は増え続け、毎日記録を更新している
二十代三十代の若者、四十代五十代のオヤジたちの感染がいちじるしい
がまんできずに街中に繰り出しているのだろう
第五波の高い波が形成されつつある

◇ 五輪始まる ◇
始まってみれば五輪の番組を
見ること多し
ヘソ曲がりにあらず

五輪開催には、コロナ蔓延の心配からずっと批判的であったが
開かれてしまったいじょう、日本選手たちの活躍を応援していきたい
五輪の番組は意地でも見ないなどというヘソ曲がりではない

犯罪的いじめ

その男は過去にひどいいじめをしたとして
さんざん非難されたあとでオリンピックの音楽の仕事を辞任した
その男のしたことは、いじめの域をこえて犯罪行為ですらあり
いちじるしく被害者の人権をふみにじるものであった

被害者は障害者でもあった。被害者が身体に受けた傷も心配だが
被害者が心に受けた心の傷は、一生消えることも癒されることもあるまい
テレビでこの事件について発言した者はみな、男のやったことは公共の画面では、口にするのもはばかれると一様に言っている
それほどむごくおぞましいことを、男は執拗にやってきたのである

男はそのことを公表した雑誌で、最後に詫びているかのようであるが
文末には（笑い）と編集者によって入れられている
男は笑いながらお詫びの言葉を言っていたのである
そもそも口ではどんな真摯なお詫びも言えるのである
それをあろうことか笑いながら言ったとあっては
世の中を馬鹿にし、被害者を愚弄するにもぼどがあろう

世間のネット上での燃え上がりよう、政府からは「許されるものではない」との発言があって
ようやっとこの男は、観念してオリンピックから手を引くことにしたらしい
オリンピック開催まで、あと三日という日のことである

◇ 犯罪的いじめ ◇
許されることなき行為を
笑いつつ詫びし男は
五輪より 去れり

映画の会

映画を観る会に入会した
畳敷きの大きな部屋が二つつながっている
むかしながらの公民館が会場だ
会長さんが用意してくれたらしいDVDを
布製の画面にプロジェクターで映し出す
二十名ほどの会員さんたちは、和室用の低い籐椅子にゆったりと座って
そう、お菓子とお茶もめいめいに用意されていて
まるで天国にいるような感じで映画が見られるのだ

で、自分は夢の国を出入りするような感じで
二時間ほどの上映時間を過ごしてしまった
映画の内容は、自分にとってはひどく難解で
認知症患者の意識を映像化して、
それを現実生活にからませて見せるといったていのもので
さらにそれを、うすぼんやりとした意識状態の自分が見てきたわけである

◇ 映画の会 ◇
籐椅子で ゆったり
映画を見る会に 入りたり
あらたな 出逢いがふえそう

予約

８０、２０を目標にということがいわれる
80歳になったときに、自分の歯を20本は残しておこうということである
自分の口中は、治療した虫歯のオンパレードである
だが、一本も欠けてはいないので、
こんな状態でも、友だちからうらやましがられたりする
若いころ、虫歯を悪くしてしまって
いわゆる金歯になっているのが何本もある

芸能人は歯がいのちと、歯磨きのコマーシャルでやっていたが
口を開くと奥で金歯がキラリと光るようでは
どんなにイイ男でも、芸能界からはこばまれていただろうと思う

自分が子どものころから通っている
いまは二代目の歯医者さんに
さっき健康診断の予約をした

◇ 予約 ◇
実家ちかく
子どものころより 診てくれし
二代目歯医者に また予約せり