黙認

2023年04月30日 | 短歌
◇ 黙認 ◇
ひっそりと数独解けば
受付の内側のぞき
声かけくれる

仕事中にパズルなど解いていてはいかん!
もっともな理屈である

夜間、社員の少なくなった受付カウンターの内側で数独を解いていると、通りがかりに横目で手元をのぞいて行く人がいる
こちらから聞きもしないのに、病院の待ち時間にやっているなどと話していったりする

こっそりやっていることがコミュニケーションの道具になっている

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曲紹介

2023年04月25日 | 短歌
◇ 曲紹介 ◇
短くてユーモア少しの一、ニ分
曲紹介の
トークも深し

オカリナの舞台での、自分の演奏曲の紹介トーク
わずか一、二分だが、つまらないものにはしたくない
そこで少しのユーモアをしこんでおく

あれこれとトークの構成についやす時間・・・

人を楽しませることは、自分を楽しませることでもあると知る

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四月・夏日

2023年04月20日 | 短歌
◇ 四月・夏日 ◇
まだ四月 予報は夏日
この地球 狂いはますます
加速をせんか

熱中症に注意、と見出しの活字がおどっている
まだ四月も下旬の入り口である。全国各地で25℃を超える予報なのだという

歳時記では5月からを夏とする。それでも生活感覚よりはかなり早い印象であるのに、いまからこの暑さはどうしたことだろう

現代人はそれが人類のしわざであることを知っている。知っていながらそれをくいとめることができない
温暖化はこうしているあいだにもじわじわとすすんでいく

個々人はこんな地上に生きていて、人類の未来を心配することしかできない



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散歩びより

2023年04月15日 | 短歌
◇ 散歩びより ◇
漂える 花粉も黄砂も 洗われて
マスクのいらぬ
雨のwalk

新型コロナウィルスの勢いがおさまってきたからといって、マスクなしの生活ができるようになったというわけではない
花粉がまだ飛びまわっているし、大陸からは汚染物質や金属粒子を含んだ黄砂が空をおおうこともある時節である

こんな状況だが、雨の日だけは少し安心できるいい日である
傘をさしながらではあるがマスクなしに、洗われた空気の中をちょっと離れたブックオフまで行くことができる

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惨状半改善

2023年04月10日 | 短歌
◇ 三年ぶり ◇
コロナ禍の
マスク生活 ゆるめられ
三年ぶりに 友の訪ね来

◇ 惨状半改善 ◇
散乱をきわめし
部屋の惨状も
友迎えんとして やや改善す

新型コロナ禍が始まってから四年目に入り、ようやくマスクなしの生活が戻りつつある

この間、感染を恐れて友人知人と会うこともほとんどなくなってしまった

その影響は我が家の内部におよび、人の訪れることのなくなった部屋べやのあちこちが、本と紙類の漫然とおかれる場所になってしまった

そんなことが三年もつづいたのであるから、元にもどすにも三年かかる理屈である

旧友が久しぶりに我が家に立ち寄りたいと言ってきた。状況を説明したが気にするななどと言われ、一週間後にその友を迎えねばならねことになってしまった

まもなくその日がくる。部屋の惨状はいくらかづつ改善しつつある
散らかった部屋が少しずつましになってゆく状況を楽しみながら友の来訪を待つ、ここニ三日である


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