「ゴジラVSコング」
☆☆☆★★
2014年に始まったモンスターバースと呼ばれる作品群の4作目。
1作目、3作目とゴジラが登場。2作目でキングコングが登場し
この4作目で両者が激突すると言う訳。
かつてもハリウッド版ゴジラが作られたが、ハリウッドにはコングもいて、
この両者を戦わせる為のシリーズと言っても過言ではない。
両者は東宝版「キングコング対ゴジラ」で戦った事があるが
怪獣プロレスと揶揄され、決着も付かなかった。
ハリウッド式の特撮技術で両者の対決が再現され、
今時、怪獣プロレスと言う事にも行かないだろうから、ガチンコ勝負があるはず。
コロナ禍で公開が遅れたけど、見ない事はあり得ないです。
ネイサン 地球空洞説を主張
アイリーン コングを監視する学者
ジア スカル島の生き残りである少女
マディソン マークの娘。前作にも登場
ジョシュ マディソンの友人
バーニー エイぺックス社の陰謀を主張
マーク博士 動物学者。モナークメンバー。前作の主人公
ウォルター エイぺックス社のトップ
芹沢蓮 ウォルターの部下。芹沢博士の息子(小栗旬)
マイア ウォルターの娘
[前作のざっくりしたあらすじ]
起:エマ博士は怪獣をコントロールする装置でギドラを目覚めさせる。
承:ギドラと戦うべくゴジラも現れ、軍は強力兵器で攻撃。
転:生き延びたギドラが暴れた為、眠らせたゴジラを再び目覚めさせる事に。
結:復活したゴジラがギドラを倒し、怪獣たちの王となる。
起:ゴジラに対抗する為、地底空洞のエネルギーを利用する事に。
承:コングの先導で空洞に到着するが、コングはゴジラに倒される。
転:エネルギーを得たメカゴジラが暴走する。
結:復活したコングがゴジラと協力し、メカゴジラを倒す。
①
スカル島のコングは、ドームに閉じ込められていた。
外へ出ると、ゴジラに察知されて、殺されてしまう為だ。
冒頭はスカル島のシーン。
前作が1970年代で本作が現代なので、50年程度経過しているが
コングは特に変化なく暮らしていた。
。。かに思えたが、近くの山の木を引っこ抜いて、空に向けて投げ飛ばす。
すると、木は空に突き刺さり、それが空に似せた人工のドームだとわかる。
コングはドームに閉じ込められている事に不満なのだ。
ただし、別の地にスカル島を再現した訳ではなく、スカル島ではあるらしい。
なぜそんな事をしているかと言うと、ドームの外に出すと
怪獣王ゴジラが察知してしまい、(地球のどこにいてもわかるらしい)
殺されてしまうからだ。
人々は、ゴジラの方がコングより強いと思っていて
この後に実現する対決も、おおむねその通りになる。
コングを見守っているのは、その方面の学者であるアイリーン。
そして、島民の娘ジアが傍らにいた。
実は、前作以降に嵐があって、島民は全滅。
ジアは唯一の生き残りで、島民は会話ができなかったが
彼女は手話を覚えて、アイリーンとコミュニケーションを取っていた。
②
数年ぶりに現れたゴジラが、エイペックス社の建物を破壊。
社の悪事を暴こうとするバーニーは、謎の兵器を開発している事に気付く。
一方、怪獣王に君臨したゴジラだが、前作から数年間鳴りを潜めていた。
ところが久々に出現し、巨大企業エイペックス社の施設を破壊していく。
ゴジラがここを襲ったのには理由があった、と言うのは後ほどわかる。
エイペックス社の悪事を暴くと言って、潜入取材をしていたバーニーは
そこでゴジラによる襲撃に遭遇する。
難を逃れるが、破壊された施設の中で、
見慣れない兵器が開発中だと気付く。
③
地球の地底にある空洞に、強力なエネルギーがあると判明。
ゴジラを倒す為に利用される事に。
コングは空洞出身と思われ、ネイサンら調査班を先導する事に。
そんな中、学者ネイサンの所へ、エイペックス社関係者が現れる。
ネイサンは地球空洞説を主張していたが、
エイペックス社による調査で、実際に空洞があるとわかったのだ。
そして、その空洞には莫大なエネルギーがあり、
これを利用すればゴジラを倒す事もできると言う。
エイペックス社は観測機を送り込んだが
空洞に入る際に重力が反転する地点があり、普通では耐えられないと判明。
そこで重力の反転にも耐える観測機が開発され、調査隊を送り込む事になった。
ネイサンには、これに同行してほしいと言うのだ。
さらに、地底空洞はスカル島につながっているらしく、
島が不思議な空間なのはそういう理由らしいが、
コングも空洞出身に違いなく、一行を先導してほしいと言う。
その為、アイリーンやジアも同行する事に。
急に浮上した強引な設定で、今回新たに現れた登場人物たちが、
コングと共に地底空洞へ向かう事となる。
④
海上を移動するコングがゴジラの襲撃を受ける。
コングは敗れ、艦隊も壊滅状態に。
空母などの艦隊が護衛する中、コングは移送される事に。
睡眠薬で眠らされ、巨大な手枷をつけられていた。
目覚めたコングは嫌がるが、ジアが落ち着かせる。
実はコングは手話を理解していて、アイリーンらを驚かせる。
「ランペイジ」のコング(ぽいやつ)も手話を理解していた。
手話を理解するとなると、もはや人間と同程度の知能を持つと言う事になるよね。
航行はしばらく落ち着いていたが、やはりゴジラがコングを察知して接近。
攻撃を仕掛けてくる。
コングは手枷で動けず、船がひっくり返って、船内のアイリーンらも溺れそうに。
手枷を外すボタンを押すと、コングは空母に這い上がる。
アイリーンらの船も1回転して再び呼吸できるようになる。(沈みはしない)
ゴジラも空母に上って、甲板でコングと対決。
歴代のコングとゴジラを比べると、基本的にゴジラの方が大きい印象だが、
本作はほぼ同身長で、何かバランスがおかしな感じ。
軍の激しい攻撃も、両者には効果なし。
本能に導かれるように戦うが、東宝版に比べると対決に重量感あり。
それでもやはりゴジラの方が強く、コングはグロッキー。
アイリーンとかがゴジラの注意をそらし、何とか逃げ切る。
だが、艦隊は壊滅状態だ。
⑤
コングは空輸されて南極へ。そこにある入口から空洞に向かう。
複数のヘリで巨大な網を吊るし、コングを移送する事に。
キングコング対ゴジラでも、こんなシーンがあったよね。
一行は南極へ。そこから掘られたトンネルで、地下空洞へ向かうのだ。
(スカル島とはどうやってつながってたんすかね)
コングはトンネルに入る事を嫌がるが、ジアが説得。
促されたコングはトンネルを進み、
ネイサンやアイリーンらの乗った観測機がそれに続く。
トンネルあるんだから、コングに先導してもらう必要ないんじゃない?と思ったが
コングの役割は後にわかる。
⑥
マディソンとバーニーらはエイペックス社に潜入。
香港にある施設で、メカゴジラを開発していると知る。だがパワー不足だ。
前作の主人公マークの娘マディソンは、
ゴジラがエイペックス社を襲撃したのには意味があると考える。
そこで、エイペックス社絡みの陰謀を訴えるバーニーに注目。
同級生ジョシュと組んで、バーニーを探す事に。
バーニーの発信する放送から、潔癖症の彼が漂白剤を大量に買っていると気付き、
店員の情報で隠れ家を突き止める。
最初は関わられるのを嫌がったバーニーだが、
マディソンがエマ博士の娘だと気付いて、協力する事に。
マディソンらは、エイペックス社の破壊された施設へ潜入。
バーニーが言う場所に、兵器はなくなっていたが
その地下にはまだ稼働している研究所があった。
マディソンらは、その中の小部屋へ侵入。
そこには、スカルクローラー(スカル島にいた大きなトカゲ)の卵が
大量に保管されていた。
小部屋は実は乗り物で、香港へ向けて卵を移送するのが目的で
米国から香港まで太平洋を渡る事になるが、ぼちぼち速いらしい。
(数時間で着いた印象)
マディソンらは香港へ到着。
そこにも研究所があり、大きく育ったスカルクローラーがいた。
エイペックス社が開発した新兵器の練習相手用だ。
エイペックス社のトップであるウォルターが、芹沢蓮を引き連れて研究所に現れる。
芹沢蓮は、前作で死んだ芹沢博士の息子と言う設定だが
劇中でそういうセリフは出てこない。(そのシーンはカットされたらしい)
新兵器はゴジラに似たメカで、芹沢蓮はその操縦士だった。
メカはスカルクローラーを簡単に倒すが、エネルギー不足でそこでストップする。
エネルギーが続かないのが、この新兵器の問題点と言う訳だ。
興奮したジョシュはロボットゴジラだと叫ぶが、バーニーはメカゴジラだと訂正する。
(バーニーが叫んでジョシュが訂正したんだったかも)
ロボットゴジラとメカゴジラの違いはよく分からない。
そして、このメカゴジラは乗り込んで操縦する訳ではなかった。
この研究所に、ギドラの頭1つが置かれていて、その中が操縦席になっていた。
(前作の最後に、ギドラの頭を怪しげな連中が買ってたが、それがここにつながる訳。
あれはゴロザウルスではありませんでした)
ギドラの3つの頭はテレパシーで連携しており、それを利用したのだ。
頭の1つがメカゴジラ内部にあり、相互はテレパシーでつながっている。
芹沢蓮はレバーを握って操縦する訳ではなく
脳波でメカゴジラを動かしていたのだ。そして、動かしている間は、白目になるのだ。
⑦
コングらは地底空洞に到着。
そこで強力なエネルギーを見付けるが、エイペックス社に奪われてしまう。
コングらは重力の反転を経て、地底空洞へ入る。
コングは何も着てないけど平気らしい。
地底空洞には、スカル島を思わせる自然豊かな光景があった。
コングは導かれるように、神殿のような場所へ到着。
これがコングに先導させた理由すかね。
神殿は人類のそれに似ているがコングサイズ。
手形の穴が開いてて、そこにコングが手をはめたり
さらに、コングはそこにあった巨大な斧を手にし、斧の形の穴にはめたりする。
インディジョーンズ風の謎解きみたいな感じで、
空洞にある強力なエネルギーが発動する。
(地面が光り始めて、これがエネルギーを意味しているらしい)
同行していたウォルターの娘マイアは、光る地面の一部を採取。
その情報を地上へ送信。
そんなんで良いらしくて、地上のメカゴジラにエネルギーが充填されていく。
マイアらは、用済みだとネイサンらを置き去りに退散しようとする。
だが、マイアらの観測機はコングに破壊されたか、
地上からのゴジラの攻撃で破壊されたかして生還はならず。
⑧
香港に出たコングはゴジラと対決。だがやられてしまう。
ゴジラは何かを感じて香港に上陸。
さらに、地底に何かを感じて、地上から熱線攻撃。これが地底の空洞まで達する。
コングは対抗すべく、空洞で手に入れた光る斧を持って、地上へ出る。
トンネルを戻ったのではなく、ゴジラが開けた穴を通って香港へ。
ネイサンらも、もう1機の観測機でこれに続く。
地上に出たコングはゴジラと対決。
高層ビルを壁ジャンプみたいにしたり、脱臼した肩をビルにぶつけて戻したりして
一度はゴジラを倒す。
それを見て、「2回戦はコングの勝ちか」なんてセリフもあるが
すぐにゴジラは立ち上がって反撃。
コングの斧は、ゴジラの熱戦をはじいたりもするが、
結局、コングはゴジラにやられ、虫の息となる。
⑨
エネルギーを得たメカゴジラが稼働するが、暴走して暴れ出す。
ゴジラもやられそうに。
すると、エイペックス社はメカゴジラを出動させる。
ついにお披露目と言う感じだが、まともに動く事なく早々に暴走。
操縦していた芹沢蓮は、感電して(たぶん)死亡。
潜入していたマディソンらはようやく見付かるが、
メカゴジラの暴走でウォルターもやられる。
この瞬間、人々はメカゴジラを止めなければと言う気持ちで一致する。
メカゴジラはゴジラを襲撃。
過去に戦ったメカゴジラはゴジラに歯が立たなかったが、
今回のメカゴジラは超絶強いようで、ゴジラもやられそうになる。
⑩
瀕死状態のコングに心臓マッサージを施し、復活させる。
ネイサンは、このままではゴジラがやられ、メカゴジラを止められなくなると、
瀕死状態のコングを復活させようと考える。
そこで、観測機をコングの心臓のあたりに乗せ、放電させる。
電気ショックでコングは回復する。
⑪
ゴジラとコングが協力し、メカゴジラを倒す。
ジアはコングに、敵はゴジラではなくメカゴジラだと手話で教える。
(ゴジラも敵には違いない気はするが)
こうしてゴジラとコングが協力し、メカゴジラに立ち向かう。
それでもまだ、メカゴジラの方が強い。
エイペックス社にいるマディソンらは、何とかメカゴジラを止めようと奮戦。
バーニーは、ちょっとコンピュータに詳しいジョシュに期待するが
ジョシュはハッカーと言うほどではなくて、ログインすらできない状態。
もはや勝ち目はないとあきらめたバーニーは
持っていた小型ボトルで酒を飲み始める。
それを見たジョシュはボトルを奪い、コンピュータにかけ始めた。
すると、途端に機械が火を噴き始めて、メカゴジラが不調に。
再びゴジラとコングが攻撃し、メカゴジラは倒される。メカゴジラは酒に弱かった。
⑫
ゴジラはコングを倒さずに海へ去る。
人々はゴジラの脅威を忘れ、メカゴジラが倒れた事に喝采していた。
だが、ゴジラが再び動き出し、一同は身構える。
コングも立ち上がって、にらみ合いに。
しかし、満身創痍のコングは持っていた斧を置く事で、敵意がない事をアピール。
(斧なしでは、全く歯が立たないと言う事か)
これを見たゴジラは、そういう事ならばと振り返り、海に去っていった。
これって「地球最大の決戦」と同じラストだよね。
⑬
コングは地底空洞に安住の地を見付ける。
ゴジラはどこかへ去り、映画開始当初と状況は変わっていないのだが
メカゴジラを倒した雰囲気で、平和が来たと人々は安心する。
コングは地底空洞を安住の地とする事になり、
アイリーンやジアに見守られるのだった。
スカル島ではなく地底空洞に戻ったのは、ここが本来の故郷と言う事か、
あるいはゴジラに見つからない為と言う、当初の話に戻ったか。
なお、前作とかはエンドロール後に、続編へ続くエピソードが描かれたが
本作はそれがなかった。
ここでシリーズ終わってもいいようにした意図が感じられるが、
「コングの息子」という続編が作られる模様。
まあ、製作発表して、結局作らなかった事はよくあるけどね。
と言う訳で、ハリウッド版によるゴジラとキングコングの対決。
冒頭にはコングが登場。
コングはスカル島にいたが、彼はドームの中に閉じ込められていた。
外へ出るとゴジラに察知され、倒されてしまう為だ。
一方で、地底に空洞があり、そこには凄いエネルギーがあると言う話が唐突に浮上。
そして、スカル島が不思議な空間であるのは、空洞とつながっているからだと言う。
ゴジラを倒すには、そのエネルギーが必要なのだ。
そこで、コングの案内で空洞へ向かう事に。
途中でゴジラの妨害があったりするが、物語は基本的にコング中心に展開する。
コングは手話ができる知能を持ち、エネルギーを得る為の謎解きまでするから
何かインディ・ジョーンズみたいな感じ。
エネルギーを得た後に、コングはゴジラにやられてしまう。
一方、凄いエネルギーを得て動き出したメカゴジラが現れるが、こいつが早々に暴走。
瀕死状態だったコングが復活し、ゴジラと協力してメカゴジラを倒す感じに。
つまり、マジンガーZ対デビルマン方式です。
強さ的には、メカゴジラ>ゴジラ>コングで
歴代のメカゴジラの中でも、初めてゴジラに勝てる可能性を秘めていたが
メインコンピュータに酒をかけると機能停止するという弱点があった。
ゴジラとコングの対決は、怪獣プロレスでは片付けられないハードな感じな一方
ゴジラを放置したままハッピーエンドで終わる60年代東宝テイストも捨てがたい。
(一般の人に受け入れられたかは分からんけど)
ちなみに、次回作を匂わせる終わり方が続いたが
本作はそれがなくて、次回作があるか否かは微妙。
ゴジラもコングも生きてるから、可能だけど。
唯一の日本人キャスト小栗旬はメカゴジラを操る役柄(いわば悪役)で
セリフもちょっとしかないまま、簡単に死ぬ。