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風に吹かれたアン

旅歴、50年~世界中を放浪するのが夢。
40ヵ国は行ったけど、今年はまた大好きな英国へ~

「牛込柳町界隈」・・・縁の糸がつながった!

2015-12-22 11:44:16 | 日記・エッセイ・コラム


牛込柳町界隈に、習い事に通っている。

自分の小さい時の思い出探しも兼ねているので、
時間があると付近を散歩する。

市ヶ谷薬王寺と今は呼ばれている場所がある。

父が良く話してくれた、
「ポーランド大使館」の馬車の写真が手元にある。

立派な馬車の前に、エプロンをした普段着姿の私が写っている。
4・5歳ぐらいの時の話なので、覚えているようないないような・・・

児玉坂の前を、今まで何回も歩いてみた。
確か、父親が写真を撮ったというのはこの辺りのはずだが~

ある日、通りがかりの70歳前後の女性に、思い切って尋ねてみた。

「以前、この辺にポーランド大使館があったようなのですが、ご存知ですか?」

50年以上も前の話だが(笑)、もしかしたらと淡い期待を抱いて。

「ごめんなさい。結婚してからここに来たので、
古いことはあまり知らないのです」とのことだった。


そうだ、皆が皆生まれたところにずっと住んでいるわけではない。

この私自身がそうだ。
引っ越しを繰り返したので、
東京にいてもある意味、異邦人みたいなものだ。

それ以来、父の思い出話も、馬車の写真も、
「幻かもしれない」と
ルーツ探しは半分諦めていた。


雨の日、習い事の帰り道、
未練がましく(笑)例の付近を訪れた。

防衛庁そばの外苑東通りに面して、
かつて賑わっていた商店なども
今は皆、大きなビルの1階に入っているようだ。

話を聞きにお店に行っても、誰一人として知らないだろう。

「変なオバサン」だと、思われるだけだ・・・


そんな中で、ちょっと昔の雰囲気のタバコ屋さんがあった。

それも、今までは見過ごしていたが、児玉坂のちょうど入口付近だ。
あ、このお店・・・

私の勘があたった!!

嬉しいことに、女主人が古いことも覚えていてくれた。

「そう言えば、夫が良く、ここにはポーランド大使館が昔あったんだ。
短い間だったけど」と、言ってましたよ。

「私も結婚してからこの辺りに来たので、自分では見たことがないのですが」

やった~~
父の昔話と、
馬車の写真は「幻」ではなかったのだ(笑)

2週間後、私の古ぼけたモノクロの写真を持って、女主人を訪ねた。
その日も雨だった。

通りを走っていた都電の話や、
街の移り変わりの話が面白かった。

忙しい時間にもかかわらず、
私の相手をしてくれた女主人。
感謝の気持ちでいっぱいです。


凧の糸が切れたような、そんな空白の時間が、
彼女の話によって
現実になり、鮮やかな色も付いた。

香港のクリーム兄貴の姉御は「便利店の女主人」だった。

偶然にも、薬王寺の親切な女性も「タバコ屋の女主人」だ。

私にとって、「女主人」は、幸福の女神ともいえる。


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