エバ夫婦の山紀行ログ

道産子60代、四季を通じて主に夫婦で登った北海道の山を中心に紀行文を載せています。アウトドア大好き夫婦。

あるOB会からの脱会

2022年08月20日 | 定年後の生活
あるOB会からの脱会
もう、40年以上前の事である。
某会社に採用され、現地の独身寮に住む事になった。その寮には同じ会社ながら職場や
業種の異なる独身者 (男性のみ) が20名ほどいただろうか?木造二階建てでワンルーム
タイプで一部屋10畳はあった広い部屋である。二人部屋は20畳ほどあったと思う。
共同トイレと流し台が各階にあって、お風呂は無かったように記憶する。
(当時は、街の銭湯か各職場の風呂を利用出来ていた会社である)

寮生の仲は良かった。休みの時や仕事を終えてからみんなで呑みに行ったり、誰かの部
屋で朝まで麻雀をしたり、音楽鑑賞ではステレオの大音響で近所から苦情が来た事も思
い出す。時には彼女を部屋に招き入れ過ごす者もいたし、バイクや車を乗り回し楽しむ
者も居た。今では考えられないゆるゆるの独身寮だったのだ。

20代青春の良き時代だったかも知れない。
そんな楽しき思い出多い独身寮も年々寮生は減り、確か平成に変わった頃に閉鎖された
と記憶する。私自身は、2年程過ごした後、地元の女性と結婚 (現在の妻チーヤン)し、
寮を出てから訪れる事は無かったが、あれから目まぐるしい時代が流れた事は確かであ
る。

結婚や転勤はもちろん、若くして退職した者も居る。
私も転勤を余儀なくされて札幌に移ったのはもう35年前の事だ。当時の仲間がバラバ
ラになりながらも、有志で「OB会」を立ち上げたらしく、何年かに一度OB会の案内
が届いていた。それぞれが現役の時は、職場や業種が違ってもOB会ともなれば参加率
は高かったと思う。温泉一泊で開催された事も今は懐かしい・・。

今現在も現役で頑張っているメンバーも僅かに居るが、ほとんどは退職している。中に
は亡くなったメンバーがいると聞いても驚く歳では無い。

OB会と言っても退職したメンバーの事ではなく、今は無き独身寮に住んでいたメンバ
ーを対象に構成されたOB会なので歳はみなバラバラである。


★ 既読スルーがキッカケ・・・

先日、有志の幹事役から突然のラインが届く。
「OB会」開催の案内である。会場は札幌と決まっていたが、開催日や具体的店は未定
で参加者の希望を伺って一番多く参加出来る日にしたいと言っていた。そして、私には
会場となる店を決めて欲しいと言う話まで発展していった。

開催日も一応に決まり、店の目途も立ってはいたが、開催時間や参加人数の連絡が中々
来なかった。これでは予約するにも出来ず、何度か催促のラインを送信する。
しかし、「既読スルー」だ。

一日二日はじっと待つ事にしたが、それでもスルーのままで返信が届かない状態。
私がもっとも嫌う事である・・。既読スルーは、相手にも返信出来ない理由はあるかも
知れないが、「ひとこと」・・「ちょっと待ってね」位の返信が欲しかったし、電話で
も返信出来ない事情を知らせる事が出来たはずなのに?と思うと、もう限界だった。

幹事役の家庭の事情があったと後で分かるが、私の性格はもうダメだった。
あっさりとOB会の不参加とお店の予約も断り、OB会も脱会する事にした。

一度は参加しようと思ったのは、やはり若き日のメンバーを懐かしむ思い出もあったし
退職後最後の区切りみたいなけじめを自分なりに整理したかったのかも知れない。
でもそれはただの幻想。

昔の仲間と会ったとしても、生活も考え方も生き方もみな違う人生を送っている訳で、
それを改めて確認し合っても意味がないと思った。既読スルーは、単にキッカケと言う
言い訳だが、もう現役時代の人間関係から切り離した自分の生き方を大切にしたかった
だけかも知れない。

一昨年、思い切って年賀状も断捨離した。
これが退職後の私自身、老後の生き方になっているかも・・・なのだ。